終了間際のSands会場 やっぱりLas Vegasは夜が奇麗! |
筆者にとっては1991年から5回目(去年だけ行っていない)のCOMDEX
Fall'97が何時ものLas Vegasで開催された。最後に行った1995年と比較すると、会場の数は随分減り、LVCC、Sands、Hilton、たったこの三ヶ所になって少し寂しい感じもしたが、縮小した分、一人でもくまなく周れるので、それはそれで楽できた。しかし、この様な状況にも関わらず毎度シャトルバスは激混み。そこで今回は三日間ほとんどを歩いて会場間を移動。筆者が泊まっていたFlamingo
HiltonからSandsまでが約15分、SandsからLVCCまでが約30分と、往復90分の旅。けっこう良い運動になったかも!? さて、肝心の内容は他のレポートにも書かれているが、今回は特に大きな目玉も無く、キーノートスピーチもインパクトに欠け、全体的にそれほど面白くなかったと言う印象しか残らなかった。こんな調子だと「来年のCOMDEX Fall'98はどうしよう!?」と真剣に悩んでいる筆者である。 今回の写真は全てOLYMPUS C-1000Lを使用 |
PC98-NX上で動いているWindows NT 5.0 もちろん英語版である |
「COMDEX Fall'97のWindows NT 5.0レポートをお届けする!」と、第一回でお約束したので、はりきって会場へ行ったものの、困った事にMicrosoftのブースではWindows
NT 5.0のコーナーは無し。(^^; Windows 98でさえも小さなコマで展示しているだけなのだ。「これはやられた!!」と一瞬途方に暮れたが、ボーっとしてても仕方がないので色々歩き回ったり、他のライターに聞いたり、Webを見たり……と、情報収集に勤しんだがそのかいもなく完全に不発状態。 唯一見つけたのはIEEE1394関連でWindows NT 5.0があった事だ。特に興味深かった(?)のは、NECブースで何故かNEC98-NXを展示。その上でWindows NT 5.0を動かし、IEEE1394を使った画像転送のデモしていた。もちろんWindows 98でもIEEE1394は使えるものの、マルチタスクの威力はWindows NT 5.0で動かした方がパフォーマンスは良いらしく、この手のデモには好んで使われていた様だ。 本来マルチメディア関係はWindows NTの方がシステム的に得意とするが、ドライバなどの不足により、実際に使われるケースは少なかった。しかし、Windows NT 5.0になるとWDMでこの件は解決し、今後特にクリエータ関係者はこぞって使う様になるだろう。こう解説してしまえば当たり前の話であるが、Windows NT 5.0の意外な一面を垣間見た感じである。 余談になるが、IEEE1394関連で見つけた"変な物"として、"IEEE1394→Ultra ATAアダプタ"があった。確かに個人でDV編集などをしなければIEEE1394を使う事などほとんど無く、余ったポートを外部HDD用に使うのも良い手であろう。 |
MicrosoftブースのHydraデモ 写真は撮っていないが、 この向かって左にMacがあった |
これで終わってしまっては、読者の方々に申し訳ないので、追加レポートで"Hydra/Windows-based
Terminal"についてちょっと触れてみる。 システムの詳細は後藤弘茂氏のレポートをご覧頂きたいが、今回Microsoftのブースで一番面白かったのはここである。一見、Windows 95の上でIE 4.0が動いている様に見えるClient。これが噂のWindows-based Terminalなのだ。筆者がひっかかったのは、Mac上で動いているとは知らず、右クリックをしようとして、マウスボタンが一つしかない事に気がづき、はじめて「あこれMacか!」と解った次第。(^^; それほどスムーズに動いていたという事である。これならTCOを考えると小規模なオフィスには普通のWindows 9xを入れるより色々な面で楽できる可能性があるし、安価なターミナルがそのまま使用できるので、コスト面でも魅力的だ。 ただ、その後解った話であるが、どうやらWin32アプリケーションが100%そのまま動くとは限らず、場合によっては"Hydra/Windows-based Terminal"を意識して作る必要があるとの事。だとすると、ちょっと肩透かしをくらった感じがするのは筆者だけではないだろう。 更にWin32アプリケーションは肥大化する傾向にあり、複数のユーザーが同時にアクセスし始めると、サーバー側のメモリにかなりの負荷がかかると思われる。後藤氏によると「1サーバーで15台程度」とされているらしいが「そんなにもつかな!?」というのが正直な感想だ。いずれにしても、完成が楽しみなシステムの一つである事には違いないだろう。 Part4へ続く |
[Text by 西川和久]