Diablo II |
■ 前作の“その後”がストーリー
このまま宝石を放置しておくと、いずれまた誰かがDiabloを復活させてしまう。それを恐れた勇者は、自らの体にDiabloを取り込み、その復活を防ごうとしたのだった。しかし、Diabloの力は、勇者の想像を遥かに越えていた。結局、勇者というより強力な依りしろを得た悪魔は、さらなる強大な力を手にしたのだ。
結局Diabloは、前作の舞台となったTristramを滅ぼし、西方へと移動を開始した。奴の通過した土地は、モンスターが徘徊する地獄と化す。このまま事態が変らねば、世界が破滅してしまうことは確実だ……。
■ マップは前作の実に4倍!
今回の冒険は、Rogue Encampmentという盗賊集団の野営地からスタート。プレーヤーはここを拠点にしてマップを探索、クエストを達成していく。しかし、「Diablo II」のマップはとにかく広大で、探索とはいえども容易ではないのだ。
前作「Diablo」では、マップの中心となるのは地下へ地下へと下りていくダンジョンで、地上マップはある意味おまけ的なものに過ぎなかった。それに対し、「Diablo II」では、地上マップがとにかく広いのだ。その広さたるや、敵と一切接触しないとしても、端から端まで移動するのに優に1時間はかかるほど。さらにいたるところに地下ダンジョンが存在しているのだから、そのすべてを踏破するのがいかに大変かは、容易に想像できるだろう。
しかし、これだけで驚いていてはいけない。「Diablo II」は、4つのエピソードで構成されている。これだけ広大なマップも、全体から見るとたった4分の1に過ぎないのだ。最終的なクリアを目指すには、どれだけの時間が必要なのか? これは長く楽しめるソフトになりそうだ。
キャラバン内には敵は侵入してこない。しかし、一歩外に出ると、そこはモンスターが徘徊する世界なのだ | クエストの中には、ストーリーを進める上で絶対に解いておかねばならないものと、そうでないものが存在する。しかし、経験値を稼ぐ意味でも、すべてのクエストを解くように心掛けたほうがいいだろう | マップ上のところどころには、さまざまな効果を持つ泉やほこらが設置されている。前作をプレイした人にはおなじみだろう |
新しい土地に侵入したら、まず最初に“Waypoint”を探すべきだ。そうすれば、後々の移動が非常に楽になる |
■ 一新されたキャラクタ
だが、「Diablo II」は違う。各キャラクタはどんなに成長しても、その個性は殺されることがない。その秘密は、新たに導入されたスキルシステムだ。前作では魔法を覚えるには、魔法書を読めばよかった。そのため魔法使いでなくとも、魔法を覚えることができたのだ。それに対して「Diablo II」では、魔法の類いはレベルアップ時にポイントを振り分けて覚えるという形式に変更されている。しかもこの魔法はあくまでキャラクタ固有のもので、他のキャラが覚えることは不可能となっているのだ。
「Diablo II」には、以下の5種類のキャラクタが用意されている。それぞれの特徴をざっと見てみよう。
Necromancer | |
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召喚魔法を覚えることが可能なキャラクタ。アンデット系のモンスターやゴーレムを呼び出したり、倒した敵を味方につけることができる。スキルレベルが上がれば召喚できるモンスターの数が増えるので、ひとりでもパーティーを組むことが可能だ | |
Necromancerのスキル | |
Amazon | |
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素速さが信条のキャラクタ。投げ槍(ジャベリンなど)のエキスパートであるほか、唯一弓を使うことができる。ただしスキルレベルが低い段階では、矢を放つごとにスペルポイントを消費するため、メインの武器として弓を利用するのは厳しい | |
Amazonのスキル | |
Barbarian | |
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体力自慢の戦士。移動速度はもっさりしているが、スキルレベルを上げることにより、武器の攻撃力を上げることができる。さらに、両手にそれぞれ別の武器を装備することができるのも、このキャラクタならではの特徴だ | |
Barbarianのスキル | |
Paladin | |
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一定範囲内にいる味方の攻撃力を上げたり、防御力を上げたりする効果を持つ、Aura(オーラ)というスキルを身に付けることが可能な戦士。戦士というだけに、肉弾戦にも強い。パーティーにひとりいると心強いキャラクタだ | |
Paladinのスキル | |
Sorceress | |
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魔法のスペシャリスト。電撃、炎、氷の3系統の魔法を覚えることができる。前作のSorcrer同様、序盤はかなりきついが、いったん上級レベルの魔法を身に付ければ、無類の強さを発揮してくれるキャラクタだ | |
Sorceressのスキル | |
■アイテムも新しくなった
「Diablo」の楽しみ方のひとつに、希少アイテムの収集があった。今回も、通常のノーマルアイテムを始め、マジック、ユニーク、ソケットなど、様々な種類のアイテムが豊富に用意されている。いかにいいアイテムを手に入れて自分のキャラクタを強化するかが、当面の目的になるだろう。
なお、「Diablo II」では、未識別のアイテムは装備できないようになっている。アイテムを識別するためには、“Scroll of Identify”という巻き物を読むか、あるクエスト終了後キャラバンに戻ってくる人物に鑑定してもらう必要がある。
ショップの在庫は豊富。頻繁に品揃えが変更されるので、こまめにチェックしたほうがいい | 前作では、地面に落ちたアイテムの捜索はひと仕事だった。だが「Diablo II」では、プレイ中にALTキーを押すことにより、アイテムの存在を確認することが可能になっている。これは便利 |
■Battle.netの変更点
Blizzard Entertainmentというと、同社の自前のサーバー、“Battle.net”を思い浮かべる人が多いはず。「Diablo」全盛期には、完全無料で運営されているこのサーバーに足しげくアクセスしたゲームファンも少なくないはずだ。
そのBattle.netが大きく変る。従来のBattle.netは、対戦の場を提供するだけで、各キャラクタの情報は、それぞれのプレーヤーのパソコン上に記録されていた。これに対し、「Diablo II」では「Ultima Online」のように、キャラクタのデータをサーバー側に記録するようになったのだ。
この変更は、主にチートプレーヤー対策のためだという。前作では、改造プログラムによりステータスを異常に上げたプレーヤーによるPK行為(プレーヤー・キラー)が、大きな問題となっていた。そうしたことは、いっさい不可能になるわけだ。それに、思わぬ効果もある。今回はβ版ということで、時折挙動が不審になることがあった。実際、筆者も40時間に及ぶプレイのうち、2度ほどマシンのハングアップを経験したのだが、いずれの場合もキャラクタのデータが失われることはなかったのだ。前作で度々キャラクタ喪失に泣いた人には、これは朗報だろう。
なお、今回入手したβ版は、Blizzard Entertainmentのサーバー「Battle.net」を利用したオンラインプレイのみに限定されている。製品版では、LANプレイにも対応する予定だが、前作とは異なり、Battle.netモードとLANモードのキャラクタを共用することはできないようだ。
● キャラクタなどのさらにつっこんだ後編レポートは24日に掲載の予定です
□BLIZZARD ENTERTAINMENTのホームページ(英文)
http://www.blizzard.com/
□「Diablo II」のページ(英文)
http://www.blizzard.com/diablo2/
□「Diablo II」の最新ムービーダウンロードページ(英文)
http://www.gamespot.com/rpg/d2movie/index.html
□Battle.netのページ(英文)
http://www.battle.net/
□関連記事
【2月8日】BLIZZARD ENTERTAINMENT開発者インタビュー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000208/diablo.htm
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[Reported by 小笠原誠]
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