● DEAD OR ALIVE 2
● 鉄拳TAG TOURNAMENT
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ゲームを起動すると、まず目につくのはやはりそのグラフィッククオリティの高さだろう。登場キャラクターの髪の毛1本1本の質感まで描き込まれた緻密なテクスチャや、背景の描写、吹雪や爆発の効果など、その表現力は筆舌に尽くしがたい。ステージには高低差ができ、窓や柵を突き破って下のステージに落ちていくシーンは圧巻。演出面でも十分に楽しませてくれる。オープニングやエンディング、ストーリーモードの中間デモなどには一切ムービーを使わず、リアルタイムポリゴンで構成されているので、もしも機会があれば店頭デモなどで動いている画面をご覧になってほしい。画面のクオリティに関しては、それだけで十分に納得していただけることと思う。
コンシューマ用「DEAD OR ALIVE」の楽しみの1つに、キャラクターのコスチュームの多さがあった。最初は2種類だけだがゲームをクリアするごとに新しい衣装が増え、キャラクターによっては10種類以上のコスチュームが選択できるようになり、これを揃えるのもプレイの楽しみのひとつになっていた。
が、今回このPS2版では、現在個人的に確認した範囲で、多いキャラでも6種類、少ないと3種類にとどまっている。別の条件が必要なのかもしれないが、新コスチュームを登場させる条件も、前作に比べると厳しくなっていることも考えると、これはマイナス要因といえるだろう。全体的な難易度も確実に前作より高くなっているので、ある程度この種のゲームになれていないとコスチュームを増やしていくのは難しいのではないだろうか。このあたりには一考の余地があったのではないかと思うのだが。
このゲームは基本的に1対1の戦いを続けていくタイプだけれど、最近流行の2対2のタッグを組むプレイモードも用意されている。マルチタップを使えば最大4人までのタッグプレイが可能なので、友人同士で協力/対戦プレイを楽しむことができる。片方のキャラが倒されても、パートナーの体力が残っていれば試合は続行されるので、逆転を狙うことも十分に可能。特定のキャラ同士によるタッグでのみ使用できる協力技などもあり、ゲームに花を添えている。もちろん、このモードを1人で遊ぶこともできるので、色々な組み合わせで多彩な技を極めていこう。全ての技のコマンドはマニュアルに記載されているし、練習用のモードも用意されているなど、家庭用ならではの要素も用意されている。ただ練習モードで前作にはあった、画面上にコマンドを表示することができなくなっているのは残念。
前述のタッグモードや練習モードのほか、クリアまでの時間を競うタイムアタックや、勝ち抜き人数を競うサバイバルモードなど、おなじみのモードも搭載されている。難易度などもモードごとに設定することができるので、プレーヤーの好みに応じた楽しみ方ができるだろう。敷居が高くなっているため、残念ながら万人向きというわけにはいかないが、極めてクオリティの高い内容には仕上がっているので、このジャンルに興味のある方にはぜひ触れてみてほしいタイトルだ。
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操作系は、十字キーと5ボタン。十字キーで前進、後退とジャンプ、しゃがみ。また、防御は相手に対して後ろにキーを入れることで行なう。5つボタンのうち4つのボタンはそれぞれ左右の手足に対応していて、たとえば左右のパンチを順に押せばワンツーなど、ボタンを押す順序が重要なポイントとなる独自のスタイルをとっている。キャラクターもパンチ主体、キック主体などの特徴を持っていて、中には人間以外のキャラもいてバリエーションに富んでいる。この種の格闘ゲームの中では異彩を放っている感もあり、ファンにとってはその独自の世界観に惹かれるものが大きいようだ。
「DOA2」とは逆に、こちらはタイトルの通りタッグバトルがメインになっている。試合中、どちらかのキャラが倒されると、そこでそのラウンドは負けになるので、ダメージが大きくなったらパートナーと交代する必要があるだろう。バックに控えているキャラは、ある程度のダメージは時間とともに回復するようになっているので、うまく交代していけば状況を逆転することも不可能ではない。こちらも、特定のキャラ同士がタッグを組んだときのみ使用できる技が存在するが、キャラの組み合わせやコマンドの詳細は明かされていない。数多くのキャラの組み合わせとコマンドを探すのは、一筋縄ではいかないと思うのだが……。各キャラの技は、マニュアルには一部しか記載されていない。ゲーム中ポーズをかけるとオンラインで全ての技リストを見ることができるが、これだけでは何となく不親切な気がする。このあたりは「DOA2」と好対照で、どちらがいいというものではないが、できればマニュアルとオンラインの両方で閲覧できるようにしてほしかった。
ゲームは1ラウンドが2本先取で、合計8ラウンドを戦う。先述の体力回復などの要素もあり、1ラウンドには思ったよりも時間がかかる感じを受けた。実際には8ラウンドを戦っても10分弱程度なのだけれど、1回通してプレイするとそれなりに疲労感があるので、好みに応じて設定を変更し1本先取にしてもいいと思う。
タイムアタックやサバイバルモードの搭載はもちろんだけれど、「鉄拳TT」にはオマケ的なモードがたくさんついている。前作にも“鉄拳ボール”というビーチバレーのようなルールのモードがあったが、今回のオマケモードも作りはかなり本格的。ナムコらしい遊び心のあるオマケということができるだろう。また、このほかにも様々なモードも用意されている。設定をイージーにしていてもゲームを進めることができるなど、ユーザーフレンドリーなシステムにも好感が持てた。ただ、ノーマル以上の難易度についてはかなり難しい感があり、難易度が固定されているタイムアタックやサバイバルモードでは初心者は苦労させられるだろう。特にタイムアタックは全ラウンドを勝ち進まなければ記録にならないので、ある程度の腕がないとプレイするだけムダということにもなりかねないので要注意。
【総評】
さて、それでは両者を比較してみよう。システム的に異なる部分もあるが、ゲームそのものの構成には近いものがあるので、以下のようなポイントに絞って比較してみたので参考にしていただきたい。
DEAD OR ALIVE 2 | 鉄拳TAG TOURNAMENT | |
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操作系 | 十字キー+3ボタン | 十字キー+5ボタン |
同時プレイ可能人数(※1) | 4人 | 4人 |
アーケード(ストーリー) | 1対1 | タッグ |
タイムアタック | 1対1 | タッグ |
サバイバル | 1対1 | タッグ |
タッグバトル | タッグ | - |
1 ON 1 | - | 1対1 |
チームバトル | 1~5人 | 1~8人 |
登場キャラ数(判明している分) | 12人 | 34人(初期20人) |
ラウンド勝利条件(※2) | 1本先取 | 2本先取 |
難易度設定 | 4段階(※3) | 5段階 |
CPU体力ゲージ | 6段階(※3) | - |
VSハンディ | - | 無段階(※4) |
※1:マルチタップ使用時 ※2:設定変更可能 ※3:モードごとに設定可能 ※4:体力を1%~150%まで1%きざみに変更可能 |
また、ここからはあくまでも個人的な好みに基づいた評価になるが、難易度の面では「DOA2」、オマケ要素の豊富さでは「鉄拳TT」に軍配を上げたい。どちらも質の高いゲームなので、あとはキャラクターや操作性などと相談しながら、個人の好みで選んでいくしかないだろう。どちらも、以前紹介した「ストリートファイターEX3」に比べると難易度は高いが、コンティニューは無制限なので納得のいくまでプレイすることができるはずだ。パッドで複雑な技を出すのは難しいが、プレイステーション用のジョイスティックもそのまま使えるし、キー設定を変更してボタンの同時押しなどをフォローすればパッドでもある程度の技は使いこなせるようになるだろう。家庭用の3D格闘ゲームとしては、現在間違いなく最高峰に位置するこの2本。日本のアーケードゲームが培ってきたゲームの真骨頂を、ぜひ体験してほしい。
【筆者紹介】
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