● GOLFパラダイス
● 森田将棋
● 柿木将棋IV
● 麻雀大会III ミレニアムリーグ
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「ゴルフパラダイス」は、大きくふたつのスタイルで楽しむことができる。ひとつは、1~4名でホールを回るコンペ形式のプレイ。ストロークプレイやマッチプレイなどルールも豊富で、友達同士でワイワイ遊びたいときにもってこいの内容だ。もうひとつは、自分の分身となるキャラクターを作り、アマチュアからプロ、ツアープロへとRPG感覚で楽しむストーリーモード。通常は、たぶんこちらがメインの遊び方となるだろう。
ストーリーモードはなかなかドラマチックな内容で、登場するライバルキャラたちと競いながら、少しずつ成長させていく。試合に勝つと特別なアイテム(たとえば性能のいいクラブやボールなど)を手にすることができるので、さらに有利に戦うことができるようになる。同様のモードは「みんなのゴルフ2」などにも用意されているが、アイテムの数や登場人物が豊富なほか、シナリオの分岐もおもしろい。
映像もすばらしい。「レイクコース」や「リゾートコース」など6コースが用意されているが、いずれもため息が出るほど美しく、PS版のゴルフゲームとは格段の違いだ。PS2の持つグラフィック能力を存分に引き出し、木々や池、遠景までも見事に描いている。操作もわかりやすく、とくに左右のアナログスティックを使ってコース全体を自由に眺める機能が便利だ。
ただし、登場するキャラクターはいずれもソフビ人形のようなデザインで、カワイイといえばカワイイのだが、「遥かなるオーガスタ」系のリアルなシミュレーションを期待している人には、方向の違いを感じるかもしれない。またコースに出ている間はセーブに制限が生じるので、一度始めると1時間は覚悟しなければならないのも、ちょっとつらく感じた。
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テーブルゲームということもあり、とくに目立ったグラフィックや演出はない。女性の声で滑らかに棋譜を読み上げてくれる点を除けば、昔からあるトラディッショナルなタイプの将棋ソフトといっていいだろう。
で、気になる対戦モードだが、はっきりいってこれは強すぎ!! 「すみません、出直してきます」というレベルだ。「オマエが弱すぎるんだろ!!」といわれると返す言葉がないが……しかし、こう見えても筆者はそこそこ将棋の腕前には自身があったし、既存のパソコン用将棋ソフトが相手なら、圧勝とは言わないまでも、なんとか互角に戦うことができた。しかし、今回登場したPS2版の「森田将棋」は、互角で戦うことすらままならない。「森田思考初級」の「平手」相手ですら、ちょっと気を抜くと、たちどころに詰まれてしまう。なんというか、全然遠慮がない強さなのだ。いや、ウソだと思うなら、ぜひ一度試してほしい。ある程度将棋の経験がある人なら、このソフトのとんでもない粘り強さと、終盤の読みの深さに驚くはずだ。
ただ、操作性にはもう少し改善の余地があるように感じた。たとえばコンピュータ側が思考している間は、単に「コンピュータが考えています」という文字が点滅するだけで、いまひとつつまらない。……というか、無気味に感じる。たとえば次に紹介する「柿木将棋IV」の場合は、コンピュータが手を検討している駒が薄くオレンジ色に光るので、なんとなく見ていて安心できる。ムダな表示は最小限に抑えたほうがCPUへの負担は軽い、つまり合理的であるとは思うのだが、変化の無い画面がゲームソフトとして物足りなく感じるのもたしかだ。
「森田将棋」は、ただひたすら「強さ」を追求した質実剛健な将棋ソフトで、初心者よりはむしろ中級者以上に向いている。詰め将棋やタイプの違う相手との対戦もできるので、将棋の腕を磨くにはもってこいのタイトルだと思う。
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さて、まず操作性から見てみよう。文字がちょっと小さめに感じるが、全体的にはまずまず。□ボタンを押すと表示されるメニューが、シンプルでわかりやすい。コンピュータ側が思考している間、手を考えている駒が薄くオレンジ色に光る点も、直接ゲームには関係ないが、待ち時間が短く感じてよかった。動かした駒が薄紫色に光るのも、初心者にはありがたい機能だと思う。BGMに曲以外にも「小川のせせらぎ」や「蝉しぐれ」といった環境音を選べるところも、小技が効いている。細かいところが無難にまとめられ、ゲームソフトしての完成度は、「森田将棋」の一歩上を行く印象を受けた。唯一残念だったのが、駒が移動可能なマス目を表示してくれないこと。手にした駒が移動できるマス目の色を変えて教えてくれれば、将棋を覚えたばかりの初心者にとって、より遊びやすくなったかもしれない。
次に肝心の「強さ」だが、筆者には、これまたかなりのものに感じた。はっきりいって、強い。レベル3(標準)の平手ならなんとか勝てるものの、ちょっとレベルを上げると、とたんに歯が立たなくなってしまう。「森田将棋」に比べると若干指しやすくも感じるが、これは決して思考が甘いのではなく、むしろコンピュータ側にうまく遊ばせてもらっているだけという気がした。「森田将棋」と「柿木将棋」。どちらがより強いのかは、残念ながら筆者程度の棋力では計ることができなかったが、いずれ機会があれば両者を最高レベルで直接対戦させてみたい。
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なんといっても一番の特徴は、登場するキャラクターが個性的で、打ち筋にもきちんと違いがあること。いわゆる「リーマン麻雀」でコツコツ点数を貯めるサラリーマンタイプのキャラや、大胆な手を通す銀座のママ風キャラ、振りが少なく安牌の回し打ちを得意とする粘り系のキャラなど、それぞれが独自のスタイルで勝負に臨む。その場を誰と打つかによってこちらも手筋を変えていかなければならず、結構勉強になる。操作性やグラフィックに目新しさは感じないが、そのぶん基本に忠実で、マニュアルを読まずにサクサク楽しめてしまうところもいい。
試合に使われるルールは各ステージごとに決まっていて、アリアリの「スタンダード」や、テンポの速い「東風戦」、東東の「北海道」、全部アリの「インフレ」など様々。フリー対戦モードではこれらを自由に組み合わせたり、「ヤキトリ」や「サシウマ」を乗せるのもOK。アガリ役も個別に有効/無効を決めることができるので、通常行なわれている麻雀のルールなら完璧に再現することができるはずだ。ゲーム中に交わされるセリフも、不要ならオプション設定で無効にすることもできる。
一見イロモノに見えるが、実はかなりの本格派。ある程度打てる人はもちろん、麻雀に強くなりたいと思っている人にも役に立つ1本だ。
【総評】
今回紹介したソフトはいずれも“地味な”タイトルばかりで、ひょっとしたらPS2を手に入れた人でさえ、ほとんど興味を感じないかもしれない。実際どれだけ売れているのか、気になるところでもある。しかしプレイしてみると、これが予想外に……というのも失礼な話だが、おもしろいものばかりだ。「ゴルフパラダイス」では何度か徹夜してしまったし、「麻雀大会IIIミレニアムリーグ」にもすっかりはまった。長く、何度も楽しむことができるので、買い得感があるのもいい。
【筆者紹介】
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