「2000 International CES」が6日(現地時間)、米国ラスベガスで開幕した。6日も5日に続いて快晴。前日はあまり人のいなかった会場前も、多くの人が溢れている。特に開場直後は、登録受付を行なっているテントの前がごった返していた。しかし、Las Vegas Convention Centerの展示スペース内は、比較的ブース間の通路が広くとられているので、それほど混雑している印象は受けない。
また、同じ会場で毎秋開催されている「COMDEX/Fall」とは異なり、会場以外の場所は比較的穏やかだ。COMDEX/Fallが、開催期間中はタクシーの看板から、近隣のホテルのカードキーにいたるまで、COMDEX/Fallの広告が入り、町全体がお祭りムードとなっていたのとは対照的と言える。
前日にはしぼんでいたバルーンが膨らみ、その正体が「CASSIOPEIA」であることが判明 | 登録所は、黒山の人だかりとなっていた | 通路が広くとられているので、会場内は歩きやすい |
各企業の展示の方は、民生機器それも家電がメインとなっているので、パソコンそのものという展示はかなり少なく、ビデオカードなどのパーツ類、CPUや、チップセットの新製品ともなると、さすがにほとんど見かける事はない。
今回は大きなブースを中心に、CESの開催に合わせて発表された製品や、参考出展されたものなどをレポートする。
●Microsoftブースは、使い方提案型
MicrosoftはCESでも大きなブースを構えているが、IT系のイベントとは趣の異なったブース構成となっている。「The Microsoft Home」と名付けて、キッチンやリビングルーム、ガレージなどに部屋を区切って、それぞれのシーンでMicrosoftの製品がどのように使えるかを実演している。これまでのようにWindows 2000などを全面に押し出すようなアピールはしていない。
発表されたばかりの、新型の光学式マウス「IntelliMouse Optical」も何の説明もなく、端末のPCにさりげなく接続されている。
また、ブースの端に設置された「Hands On」のコーナーでは、MSN Webコンパニオンに対応したCompaqの端末を実際に操作できるようになっていた。
Microsoftブースではキッチンや、ガレージなど、それぞれの利用シーンごとに、どのMicrosoft製品が利用できるかアピールしている |
Acer、Compaqなど各社のWeb Companion製品が並べられている | 「IntelliMouse Optical」。IntelliMouse Explorerに比べ、ボタンも含め左右対称になり、左右どちらの手でも使える。色やデザインもおとなしくなった |
「Hands On」のコーナーでは、MSN Webコンパニオンに対応したCompaqの端末を実際に操作できる |
□「IntelliMouse Optical」のニュースリリース
http://www.microsoft.com/presspass/press/2000/Jan00/LendaHandPR.asp
●カシオ、腕時計型デジカメ、MP3プレーヤーを展示
カシオでは、6日に発表した腕時計型デジタルカメラ「WQV-1」と、腕時計型MP3プレーヤー「WMP-1V」の実機を展示している。いずれも、自由にさわれるようになっていたが、WQV-1の方は発売が5月とまだ先な事もあり、実際には撮影できない状態だが、パソコンから転送した画像を表示させることはできる。その画像はきれいとはいえないが、写真を確認できるレベルにはあった。
WMP-1Vは発売が近いこともあり、完全に動作し、転送/充電用ドックに接続してMP3データを転送することもできる。両機種とも、人気はそこそこあるものの、少し奥まったところにあるせいか、人垣ができるほどではなかった。
「WQV-1」。腕時計の側面の厚みの部分にレンズと、IrDAが並んでいるところが、サイバーな感じを醸し出している |
「WMP-1V」。再生中には、液晶左下にアニメーションや文字がを表示される。ドックが少し大きいのが残念 |
そんな中、カシオブースで一番アピールされていたのが、発表されたばかりの300万画素のデジタルカメラ「QV-3000EX」だ。実機が数台用意され、実際に撮影することができるようになっていた。
□関連記事
【1月6日】カシオ、世界初の腕時計型デジタルカメラと腕時計型MP3プレーヤー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000106/casio.htm
【1月5日】米CASIO、光学3倍ズームを備えた300万画素デジタルカメラ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000105/casio.htm
●三洋も、MMC対応オーディオプレーヤーを参考出品
カシオのWMP-1Vでは、MMC(MultiMediaCard)が内蔵されているが、三洋でもMMCに対応したプレーヤーを出展している。ポータブル型の「SSP-PD7」は3月に発売予定だが、ヘッドホン型の「SSP-HP7」はまだモックアップの状態だった。
また試作品として、MMCスロットを2基そなえたカーオーディオタイプのものや、MMCとCD-R/RWドライブを両方そなえて、どちらにもMP3で録音できる据え置き型も参考出品されている。
ポータブル型の「SSP-PD7」。3月発売予定 | 「SSP-HP7」。こちらは完全なモックアップ |
カーオーディオタイプの試作品 | CD-R/RWドライブも搭載した、録音対応モデルの試作品 |
●クリエイティブ、NOMADシリーズに新モデル
クリエイティブメディアでは、MP3にかなり注力しており、今回もポータブルMP3プレーヤーのNOMADシリーズの新モデル2機種を参考出品している。
COMDEX/Fall '99で参考出品されていた「NOMAD II」の、新しいバリエーションにあたるのが「NOMAD II MG」だ。NOMAD IIでは記録メディアはスマートメディアのみだが、NOMAD II MGでは64MBのメモリを内蔵している。また、デザインも一回り小さくシンプルなものになり、初代NOMADに近いものになっている。米国での発売は4月頃で、価格は300ドル程度の見込み。
「NOMAD II MG」。デザインは初代のNOMADに近い。また、液晶も丸形に戻っている | 「NOMAD Jukebox」。6GBのHDD内蔵。ラインインも装備し、録音機能もそなえている |
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【'99年11月18日】COMDEX/Fall '99会場レポート MP3編
~ ポータブルプレーヤーが多数展示 ~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991118/comdex16.htm
●松下はSDメモリカードに注力、DVD-RAMビデオカメラも参考出品
松下は、SDアソシエーション設立の発表を行なったこともあり、SDメモリーカードの展示に力が入っている。松下はこのメディアを、次世代の記録メディアの主流にしようとしており、エレクトロニクスショー '99で見られたように、SDメモリカードを使ったさまざまな製品の概念モデルを多数展示した。また、ブース内にセットを組み、SDメモリカード対応製品をアピールしている。
SD インターネットレンジから、SDスロット搭載ノートPCや、PCカードアダプタなど、多数の概念モデルが展示されていた |
SDメモリカード対応製品の、実演ステージ | なお、JVC(ビクター)のブースでも、松下が展示しているものとおそらく同じと思われる、SDメモリカードを採用したポータブルオーディオプレーヤーが参考展示されていた |
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【1月7日】松下、SanDisk、東芝が、SDアソシエーション設立
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【'99年10月6日】エレクトロニクスショー '99会場レポート 記録メディア編
~松下がSDメモリーカードをアピール~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991006/ele03.htm
●ソニー、Network Walkman
ソニーブースは、ミーティングルームに設けられていた |
係員の説明によれば「ソニーには、グループにレコード会社もあり、できればMP3をサポートしたくない」としており、今後もMP3のサポート強化は期待できそうにない。
ただ、今回の製品はデザインが異なる事が重要で、ミュージッククリップのバリエーションモデルも参考出品されていた。「現在のWalkmanと同じように、デザインでも選べるようにしたい」とのことだ。
「Network Walkman」。使い捨てライターより、一回り大きい程度 | ミュージッククリップのバリエーション。黄色のモデルが6月から、黒が3月から発売される |
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【1月6日】ソニー、米国で「Network Walkman」を発表(Mobile Central)
http://www.watch.impress.co.jp/mobile/news/2000/01/06/nwe3.htm
●シャープ、パイオニアもメモリースティックプレーヤーを展示
ソニーはどのイベントでも、メモリースティックを大々的にアピールしているが、今回は比較的おとなしい。その代わりというわけでもないだろうが、シャープとパイオニアが、Magic Gate対応メモリースティックを使用した製品を展示した。しかし、どれも、アクリルケース越しの展示にとどまっている。
メモリースティック陣営も、外への広がりが始まっていることが伺える。
シャープのブースでは、Magic Gate対応メモリースティックポータブルプレーヤを参考出品している。いずれもモックアップのようだ |
パイオニアからも、ソニーのメモリースティックウオークマンとそっくりのものなど、Magic Gate対応メモリースティックの応用製品のプロトタイプが参考出品されている |
□2000 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/
(2000年1月7日)
[Reported by furukawa@impress.co.jp]