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日本AMD、2005 Kickoff Press Conferenceを開催
~どちらが良いかは、お客様に選んで頂きました

1月27日 開催



 日本AMD株式会社は27日、年始定例の報道向けイベント「2005 Kickoff Press Conference」を開催し、2004年度の決算報告ならびに今年度の決意表明などが行なわれた。

代表取締役社長 堺和夫氏

 最初に登壇した同社代表取締役社長の堺和夫氏は、2004年を総括して「どちらが良いかは、お客様に選んで頂きました」と表現。

 「AMD64を立ち上げ、サーバーやワークステーション分野に参入すると表明した当初は、それを危ぶむ声もあったが、ハイパフォーマンス分野での採用を皮切りに、現在ではさまざまな業界でOpteronシステムが指名されることが増えてきた」と語り、顧客中心主義でやってきた結果、順調に採用が伸びるに至ったとした。

 具体的な成果としては、まず8月にHPのシステムを用いてデモが行なわれたデュアルコアについて触れ、今年の半ばにサーバー/ワークステーション向けに出し、その後クライアントに展開することを確認。

 また、ノートPCでのデュアルコアについても言及し、「デュアルコアにすればそれだけで性能が上がる。性能が上がればクロックを落とせ、消費電力も落とせる」と述べ、ノートPCでもデュアルコアが有用であるとした。加えて、既存のシステムと互換性があり、CPUを載せ替えるだけで利用できることも強調した。

 そのほか、6月に立ち上げが発表されたモバイルコンピューティングの研究開発体制「JEL(ジャパン・エンジニアリング・ラボ)」での活動が始動したことなどが報告された。

 2005年の目標について堺氏は、「2005年はA Big Year」であるとし、「これまで秋葉原などを中心に啓蒙してきたAMD64をさらに飛躍させる。テクノロジー面では、他社に対する技術的優位性を保っており、相当の自信を持っている」と強い自身を見せる一方、OEMハードウェアメーカーだけでなく、堺氏自身がエンドユーザーに出向いて営業活動を行なっていくことが表明され、マーケティングも強化していくことが示された。

2004年の成果と同社の心構えを合わせ「どちらが良いかは、お客様に選んで頂きました」と表現 2005年のキーワード

取締役 吉沢俊介氏

 続いて取締役の吉沢俊介氏が業績などについて報告した。既報の通り、2004年度第4四半期の決算は、債務支払いなど4,900万ドルの特別損失を計上したため3,000万ドルの純損失となったが、通期では売上高50億ドル、純利益9,100万ドルと大幅な増収増益となった。

 売上の内訳は約25億ドルがプロセッサを主体とするコンピュテーション製品グループ(CPG)によるもので前年比29%増。メモリグループの売上は約23億ドルで、残りの約2億ドルはチップセットなどが占める。

 第4四半期におけるAMD64プロセッサの出荷は前四半期比70%増で、CPGの売上の50%に至ったという。

 2005年は、65nm以降のプロセス向けにドレスデンに新設された製造工場「Fab 36」に大きな投資を行なう予定で、設備投資、研究開発費とも2004年より増大させる。

 プロセッサビジネスについてはCPGプロダクトマーケティング部部長の秋山一雄氏が説明を行なった。特に新しい発表などはされなかったが、「2005 International CES」の会場で発表されたモバイル向けAMD64プロセッサ「Turion 64」が国内で公式に紹介された。

 Turion 64は既存のAMD64プロセッサをベースに、消費電力を下げるなどして、モバイル用としたもの。既存製品同様32bit/64bit両方で動作する。2005年前半に搭載製品が出荷される予定で、詳細についてはその時期に発表されるという。

 なお、Turionの日本語での発音は「テュリオン」で、ツアーやツーリングを語源とし、可搬性を表したものだという。

 そのほか、27日付でマイクロソフトから、64bit対応版の「Windows XP Professional x64 Edition Release Candidate 1 日本語版」などが公開されたことが紹介された。

 最後に吉沢氏は、同社製品が組み込まれたさまざまな製品や、導入事例などを紹介。「組み込み機器は設計に時間がかかるため、去年の段階では設計が開始されたということしか話せなかったが、去年末から製品として登場し始めた。今後はエンドユーザーにとって競合製品と比べどんなメリットがあるのかということを具体事例をベースにどんどん紹介していきたい」と語った。

CPGプロダクトマーケティング部部長 秋山一雄氏 Turion 64を国内で初めて紹介 ロードマップは特に更新されなかった
「Alchemy Au1200」搭載のポータブルビデオプレーヤーを紹介する吉沢氏 AMDプロセッサ搭載製品の一例 こちらは成田空港のホームページを運営するサーバーへの採用事例。悪天候などの際に通常の数百倍にもふくれあがるアクセスに耐えうるシステムはOpteron搭載品しかないと評価されたという

□日本AMDのホームページ
http://www.amd.co.jp/
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(2005年1月27日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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