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Centrinoに対抗するモバイルCPU「Turion 64」

Turion 64ロゴ

1月7日(現地時間) 発表



 AMDは、International CESの会場において報道関係者を対象とした説明会を開催し、同社が計画していたサブ35W(熱設計消費電力が35W以下のCPU)のAthlon 64クラスのプロセッサのブランド名を「Turion 64」(テュリオン シックスティーフォー)と命名したことを明らかにした。

 また、同社のデュアルコア戦略に関しても、若干の修正がされたことなどが明らかにされた。

●対抗する製品が存在しないCentrino

 Centrinoモバイルテクノロジ(CMT)がリリースされて以来、AMDはサブ25Wと呼ばれるスリムノートPC市場において足がかりを築くことに苦労してきた。

 CMTがリリースされると同時期に「モバイルAthlon XP-M」をリリースしたものの、多くのベンダで採用というわけにはいかなかった。その後、サブ25Wという意味では、「モバイルSempron」を投入したものの、こちらはCeleron-M対抗という位置づけであり、Pentium MやCMTへの対抗馬とはなってこなかった。

 ライバル不在という状況は、Intelに対するPentium Mの価格下落要因の不在という形で、OEMメーカーにとって影響を及ぼしてきた。Pentium 4とAthlon 64とを天秤にかけることができるデスクトップPCとは異なり、OEMメーカーはIntelからさまざまな条件を引き出す際のカードがなく、無条件でPentium Mを採用するしかなかったという現状だった。

●Turion 64でスリムノート市場にも選択肢を

 そうした状況の中で、AMDが明らかにしたのが、Turion 64という新しいモバイル向けCPUだ。

 AMD コンピュテーションプロダクトグループ マイクロプロセッサビジネスユニット シニアプロダクトマネージャのジョナサン・セクラー氏は「Turion 64で、AMDはスリムノート市場に再参入する。現在、Intelの独占市場となっているこの市場に、Turion 64を投入することで、競争を実現し、コンシューマに対して選択肢を提供することができる」と、そのメリットを説明した。なお、Turionというのは「Tour」から起こした造語で、ツアーにでるという意味などを含んでいるという。

 セクラー氏によれば、投入されるTurion 64は、AMDが開発コードネーム「Lancaster」(ランカスター)として計画している、90nmプロセスルールの製品で、通常のAthlon 64に比べて低電圧で動作することで、35W以下というTDPを実現する。

 35W以下、と言えば、Pentium Mの25Wに比べて高いのではないか、Pentium Mが入るケースには入らないのではないかという懸念があると思われるが、すでに以前のレポートでも明らかなように、Sonoma世代のPentium MではTDPが上がると見られており、AMDでは十分競争力があると考えているようだ。

 なお、Turion 64は「第1四半期中にOEMメーカーから搭載製品が出荷されることになる」(セクラー氏)とのことなので、今年の夏商戦には、その搭載製品がラインナップとして登場することになるかもしれない。

 日本のユーザーとしてはTurion 64の超低電圧版などの計画についても気になるところだが、セクラー氏によれば、今のところそうした計画はないという、「日本のユーザーにそうしたニーズがあることは理解しているが、まずはスリムノート市場に参入し、そのあとでそうした可能性を考えてみたい」(セクラー氏)との通り、まずはスリム市場における足がかりを築くのがAMDにとっての最優先課題であるようだ。

●デュアルコアはAthlon 64に投入

 また、セクラー氏は、同社のデュアルコア戦略が若干修正されたことも明らかにした。それによれば、当初AMDは同社初のデスクトップPC向けデュアルコアCPUとなる開発コードネーム「Toledo」(トレド)をAthlon 64 FXとして投入すると昨年の9月のIDF期間中に行なわれた説明会で説明してきたが、それが修正され、Athlon 64 FXは当面シングルコアのままであり、Athlon 64のいくつかのモデルにデュアルコアが投入されるという。

 「当社ではAthlon 64 FXをハイエンドゲーマー向けと位置づけている。ところが、現在のPCゲームはほとんどがシングルスレッドで、デュアルコアにしても結局はシングルスレッドで使われることが予想される。デュアルコアCPUでは、どうしてもシングルコアに比べてクロック周波数が下がってしまうので、Athlon 64 FXに関しては当面、つまりPCゲームがマルチスレッド対応になるまではシングルコアのままにしておくことにした」(セクラー氏)と解説している。シングルスレッドで利用される可能性が高いAthlon 64 FXに関してはシングルプロセッサ、ビデオのエンコードなどマルチスレッド用途に使われる可能性が高いAthlon 64の方をデュアルプロセッサとして位置づけていくとのことだ。

 「これにより、799ドルという低価格レンジのPCにも、デュアルコアCPUが入っていく可能性がある」(セクラー氏)としており、当初は高嶺の花になるかと思われた、AMDのデュアルプロセッサが、入手しやすい価格帯のPCにも採用される可能性が高くなった。

□AMDのホームページ(英文)
http://www.amd.com/

(2005年1月8日)

[Reported by 笠原一輝]

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