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AMD、「2004 Kickoff Press Conference」を開催
~2004年は64bitコンピューティングの年に

日本AMD代表取締役社長 堺 和夫氏

1月22日開催



 日本AMD株式会社は、プレス向けイベント「2004 Kickoff Press Conference」を開催し、同社の第4四半期決算概要などについて説明した。

 発表会冒頭ではまず、同社代表取締役社長 堺 和夫氏が挨拶し、「AMDが64bitコンピューティングのドアを開けてしまった。決してI社ではない」と切り出した。「ゲーム機などではすでに当たり前となっているが、パソコンやそれをサポートするサーバーなどのレベルでは初めてだ。しかも、32bit環境もサポートし、64bitへの移行もスムーズにできる」と、Opteron/Athlon 64のラインナップに対する自信をあらわにした。

 「AMDは元気があるが、資金は大丈夫なの? とよく言われるが、2003年第4四半期時点でのキャッシュは約13億ドルある」と、資金が潤沢であることもアピール。「AMDは従来から研究・開発資金の割合が多かったが、ようやくすべての製品・すべての地域で売り上げが伸びるようになった」とも述べ、これまでの方針の正当性を強調した。

 「AMDは2003年に企業体質を改善し、景気が悪いときでもきちんと利益が出る体質の会社になった。昨年11月に戦略的提携を結んだSun Microsystemsをはじめ、チップセットベンダ、マザーボードベンダなどのサポートも受け、市況も上向きとなってきている」などとし、今後の見通しの明るさを強調した。

「AMDが64bitコンピューティングの扉を開いた」と強調 会場で公開されたCPUロードマップ。2003年12月6日付けで発表されたものと差異はない

 引き続き、同社取締役の吉沢俊介氏が第4四半期決算についての要旨を説明した。

 第4四半期の売り上げは、前年同期比の76%増となる12億600万ドルで、純利益は4,300万ドルと好調。ただし、通期での売り上げは、純損失が2億7,400万ドルの赤字になるが、それでも2002年と比較して売り上げは30%増であるとした。

AMDが提案する次世代PDA

 また、第4四半期のAMDの研究開発費は第3四半期の6%増となる、2億2,700万ドル。設備投資額は1億6,400万ドルとなり、合計すると総売上の32%に相当。CPU製品を手がけるCPG(Computation Product Group)の売り上げは、第3四半期の15%増となる、5億8,100万ドル。販売数そのものの向上だけでなく、中国やヨーロッパ、ロシアなど、世界中でAMD製品の市場が広がったと評価した。

 これについて同氏は、「AMDは開発・研究費が高すぎるとの批判を受けることもあったが、ようやく花が開き、利益が出るようになった。これまでの投資は正しかったと言える」となどとコメントした。

 90nmプロセスについては、2004年第2~第3四半期に移行すること、24億ドルを投じてドイツのドレスデンで建設中のFab 36については、2006年の製品出荷を目指すことを再確認した。

 フラッシュメモリ事業については、昨年7月に富士通と共同出資した新会社「FASL Limited Liability Company」を設立したこともあり、第3四半期の34%増となる5億6,600万ドルを計上。対前年比では161%増となった。フラッシュメモリ事業が好調なことをうけ、同社では128bit換算で60%以上の製造能力を増強するという。

 AlchemyやGeodeなど、非PC系事業の柱となるPCS(Personal Connectivity Solutions)については、次世代PDAや、Windwos XPが動作可能な、手のひらサイズPCの構想なども明らかにされた。

堺 和夫代表取締役社長と握手する、サンマイクロシステムズ株式会社代表取締役のダン・ミラー氏

 AMDとの戦略提携を受けて出席した、サン・マイクロシステムズ株式会社の代表取締役社長 ダン・ミラー氏も挨拶し、「AMDとの提携はSunにとっても重要なものとなる。顧客が必要とするものすべてを提供するのがSunの役割であり、SPARCだけでなく、AMDのテクノロジーが必要なこともある。AMDを選んだのは、x86、64bitの分野で、AMDの技術が世界で最高と判断したからだ」などと述べた。

 なお、発表会後の質疑応答では、「低消費電力なモバイル向けCPUを開発する意向はあるか」、という質問がされたが、「日本の顧客のニーズも取り込み、バッテリ駆動時間など、具体的な要求を交えて提案中で、25W以下のレンジのCPUについての投入も考えている」とのみ回答された。

□日本AMDのホームページ
(1月22日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.amd.com/jp-ja/
□関連記事
【2003年12月5日】AMD、Athlon 64製造Fabの技術を紹介
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1205/amd.htm
【2003年11月18日】Sun、Opteron搭載サーバーを2004年中に投入
~Solarisの64bit対応も2004年前半に
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1118/sunamd.htm
【2003年7月15日】AMDと富士通、フラッシュメモリ事業の新会社「FASL LLC」を設立
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0715/amdfuji.htm

(2004年1月22日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]


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