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AMD、日本にモバイル研究開発体制を新設
〜超薄型ノート向けCPUの開発拠点

6月24日 発表



 米AMDは24日、日本AMD本社内に「JEL(ジャパン・エンジニアリング・ラボ)」と呼ばれるモバイルコンピューティングの研究開発体制を新設したと発表した。

 JELは、モバイルの中でも、薄型/超薄型ノートPCやハンドヘルド機などに特化したマーケティング、プラットフォーム設計/開発などを行なう部隊。日本のみならず、全世界に向けたモバイルプラットフォーム開発活動の中心的拠点となる。

●x86を従来の領域以外にも展開

ダーク・マイヤー氏

 同日開催された発表会では、米AMDのコンピュテーション製品グループ担当エグゼクティブバイスプレジデントであるダーク・マイヤー氏がJEL設立の経緯について語った。

 マイヤー氏はまず、同社の製品開発のついて「我々は、技術のための技術ではなく、顧客に価値をもたらす“顧客第一主義”と、業界に幅広く支持されているオープンスタンダードを採用するという2つの大きなアプローチに基づいている」と説明。

 「AMD64プロセッサファミリも、大きなメモリサイズに対応できる64bitへの進化が重要だという顧客からのフィードバックに基づいて開発したものであり、エンタープライズとデジタルエンターテイメントを中心に幅広く採用された。AMD64は今の32bit x86なみに浸透するだろう」。

 「OEMメーカー以外にも、ソフトウェア/ハードウェアベンダーなど1,000社以上に支持を受けている。大手メーカーで我々に賛同を表明していないのは、我々の競合CPUメーカーくらいだが、数カ月前AMD64エコシステムの採用を決めた」などと語り、AMD64の開発コンセプト、技術が確固たる地位を築きつつあることを示した。

 JEL設立の経緯についてマイヤー氏は、日本にPCとデジタルエレクトロニクス分野の名だたる企業が多く存在するためとコメント。

 また、x86プロセッサが、オープンスタンダードであり、移植や検証が容易、セキュリティが堅牢、投資が保護される、WindowsやLinuxなどのOSサポートがあることなどを挙げると共に、コスト面、消費電力面で家電機器にも搭載可能なレベルになったことから、最終的にはJELで携帯機器や家電などの領域に向けたプラットフォーム開発を行なう方針であることを明らかにした。

AMD64は特定の1社を除いて、各社から賛同を得ているという x86プロセッサの利点 AMDが展開を目指す製品分野

●薄型軽量とサブノートPCをターゲットに

サム・ローガン氏

 続いてアジア太平洋地域マーケティング本部長のサム・ローガン氏がJELの戦略について説明した。

 ローガン氏によれば、同社がJELの設立でモバイルに注力するのは、デスクトップPCの成長規模が5%前後にとどまっているのに対し、ノートPCがその3倍以上の勢いで伸びていることによる。

 ローガン氏は「K6の時代まではAMDはチャレンジャーの位置にいたが、AMD64をリリースした2003年以降はリーダーへと転身した」と述べるなど、現在サーバー分野を中心に普及が進むAMD64プロセッサの好調を弾みに、ノートPCにも攻勢をかける考えであることを示した。

 JELではノートPCの中でも特に成長が期待される2〜3kgの薄型軽量ノートPCを当初の目標に据え、研究開発を行ない、その後2kg以下のサブノートPCへと展開する。

 同社はJELの活動内容を3つ段階をふまえて拡大していく。最初のフェーズではノートPCにどのような機能が必要かといった協議をノートPCメーカーと行なう。

 その後、18〜24カ月後を目処に次のフェーズへと移り、次世代プロセッサに必要な仕様を米国のプロセッサ開発チームに指示、続くフェーズではパートナー企業と、必要な新しい機能セットを定義し、プロセッサに盛り込んでいく。

 ローガン氏は、「これまで当社は高性能なデスクトップ向けプロセッサを開発することを最重要課題とし、モバイル向けの優先度は低かった。しかし、プロセッサのトランジスタ数や、複雑さが増したため、モバイル専用の開発が必要となった。JELの設立は根本的な戦略変更」とした。

JELがターゲットとするのは薄型軽量とサブノートPC JELは3段階で展開 JELの活動内容

●目標シェアは20%以上

質疑応答の様子

 質疑応答では、日本AMDの堺 和夫代表取締役社長、吉沢俊介取締役、小島洋一本部本部長代理、中島裕本部長も参加し、質問に答えた。

 JELの立ち上げ体制については、電気やPCBの設計者、サーマル関連の技術者、シリコンのエンジニアを15〜20人規模で新規に人材を採用する予定という。

 サブノートPC向けのプロセッサは2006年以降の予定。家電への参入については、まずはネットアプライアンスなどPCやインターネット関連機器から取り組む予定で、白物家電についてはしばらく先となる見通し。

 薄型ノートPCでのシェアについてローガン氏は、20%を目標とするが、0.13μmから90nmにプロセスが移行することで製造キャパシティが上がり、それ以上も目指せるだろうとの見込みを示した。

□AMDのホームページ(英文)
http://www.amd.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.amd.com/us-en/Corporate/VirtualPressRoom/0,,51_104_543~86812,00.html
□ニュースリリース(和文)
http://www.amd.com/jp-ja/Corporate/VirtualPressRoom/0,,51_104_543~86913,00.html

(2004年6月24日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]


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