特別企画

Windows 10 Creators Updateを実施予定のあなた。ストレージの空き容量足りてますか?

~ポータブルHDDを賢く運用して利便性を上げよう

 すでにPC Watchで何度も取り上げているとおり、4月11日よりWindows 10の大型アップデートが提供開始となった。とは言え、Windows Updateによる配信は、全員に対して即日ではなく順次となっているほか、問題がないのを見極めてからインストールという人や、会社のPCなので即時適用はしないというユーザーもいるだろう。それでも早かれ遅かれ、ほとんどのWindows 10ユーザーは、この更新を適用することになる。そのときに気をつけたいのがストレージの空き容量だ。

 Creators Updateは、通常のWindows Updateとは違い、OS全体を更新するのでファイル容量も大きい。いったんこれをダウンロードするのに加え、万が一不具合が発生した場合に巻き戻せるよう、古いファイルもストレージに保持されている。そのため、すくなくとも20GB程度の空き容量が必要となる。

 最近は、ノートPCを中心に、ストレージとしてHDDより高速なSSDやフラッシュメモリが採用されている。これらは高速ではあるが、容量単価が高い。一般的なノートPCに搭載されるのは200GB程度のもの。タブレットでは64GBや32GBというものもある。ファイルサイズの大きな写真や動画などを保存したり、アプリをインストールすると、空き容量はあっという間になくなってしまう。

 そこで利用を検討したいのが、外付けHDDだ。HDDは一般的にSSDより速度は遅いが、シーケンシャルアクセス速度は100MB/sを超えており、写真や動画などの読み込みに関しては、SSDと遜色ない体感速度で利用できる。そして、容量は数TBあるので、個人では利用しきれないほどのデータを保存できる。

ストレージ容量が200GBくらいだと、使い方次第ではすぐ満杯になる

BCN内蔵HDDランキング3年連続1位のWDはポータブル製品も積極展開

 今回ご紹介するWDの「My Passport」もそんな外付けHDDの1つだ。容量は1/2/3/4TBの4モデルがラインナップされる。

WDの「My Passport」

 WDというと、どちらかというと内蔵HDDのイメージが強いと思う。実際、BCNの内蔵HDDランキングでは50%以上のシェアを3年以上維持し、3年連続1位を取得している。つまり、売れているHDDの2台に1台がWD製という計算となる。その内蔵HDDで培ったノウハウや信頼性は同社の外付けHDDにも引き継がれている。

 3.5インチ内蔵HDDとしては、デスクトップ/一体型向けのWD Blue、NAS向けのWD Red、パワーユーザー向けのWD Black、監視装置向けのWD Purple、データセンター向けのWD Goldといったラインナップが用意され、それぞれ用途に合わせたチューニング/設計がなされている。

用途に合わせた製品ラインナップを展開
WD Redの実物

 外付けHDDは、製品によっては中身が明かされていないものもあるが、My Passportはもちろん同社のHDDを採用。これも内蔵同様、WDの自社設計だ。また、高信頼性の表われである3年保証や、ポータブルHDDでは少ない4TBをラインナップに揃えているのもWD製品の強みだ。

店頭の棚に並べられるMy Passportの空き箱。WD製品としては珍しくイエロー系のデザインを採用
実際の製品の外箱。ステッカーなどにも記載されているとおり、3年保証が用意される
中にはMy Passport本体とMicro USB 3.0ケーブルが同梱。ケーブルは筐体と同じカラーリングとなっているので、イエローの本体にはイエローのケーブルが付属する
本体のMicro USBコネクタ。右にあるスリットはアクセスLED
底面。四隅にゴム足

データ移動

 さて、Creators Updateを実施するにあたり、ノートPC/タブレットのストレージ空き容量が足りない人は、外付けHDDにユーザーデータをいったん待避する。具体的には、「ドキュメント」、「ピクチャ」、「ビデオ」、「ミュージック」などのフォルダだ。

 それらを一時的にMy Passportに移動させれば、メインストレージの空き容量は十分なものとなるので、その状態でOSをアップデートする。アップデートがすべて終わったら、My Passportに移したデータをもとのストレージに戻してもいいのだが、空き容量が少なかったのであれば、そのままMy Passportに保存させておくのも1つの手だ。

 アプリケーションは、ランダムアクセスが主となるので、HDDにインストールすると、SSDよりも起動が遅くなる。しかし、前述のとおり、動画や写真、音楽などのファイルはシーケンシャルアクセスとなるため、HDDでも十分扱えるからだ。ベンチマークを測定したところ、USB 3.0採用のMy Passportはポータブルと言えども、110MB/s前後で読み書きできる。これだけの速度があるなら、むしろ、データサイズとビットレートのバランスを考えると、メディアファイルはHDDに置いておく方がいいとも言える。

CrystalDiskMark 5.2.1 x64の結果。シーケンシャルアクセスは110MB/s前後の性能

 なお、これらのユーザーデータは、ただ移動させただけでは、新規に作ったファイルはここに保存されない。今後もMy Passportを既定の保存先にしたいなら、エクスプローラーの「ドキュメント」や「ビデオ」を右クリックし、プロパティを表示。「場所」のタブで「移動」をクリックし、My Passport上のフォルダを指定する。

「ドキュメント」などのユーザーデータのフォルダは、規定の場所を外付けHDDなどにも移せる

 ノートPCやタブレットなどのモバイル機器は、持ち運んで利用することもあるが、My Passportは本体サイズ/重量が、1TBモデルで110×81.5×16.3(幅×奥行き×高さ)/170g、2~4TBモデルで110×81.5×21.5mm(同)/250gとポータブルなので、ノートPCなどと一緒にカバンに入れて持ち運べる。つまり、ポケットサイズのデバイスを加えるだけで、PCのシステムストレージを拡張できるわけだ。

 外付けHDDにデータを入れることについて、セキュリティ的に不安を感じる人もいるかもしれないが、My PassportにはWD独自のデータ暗号化ソフト「WD Security」が同梱されている。このソフトを使うと、My Passportにパスワード保護をかけられる。パスワード保護による暗号化は、My Passportのハードウェアで実行されるので、暗号化しても性能が落ちることはない。

 パスワードをかけると毎回解除するのが面倒だが、「このコンピュータで自動ロック解除を有効にする」にチェックを入れておけば、自分のPCで使っている場合はパスワードを解除する必要はないが、まんがいちMy Passportを紛失して第三者に拾われても、パスワードを知られない限りデータは漏洩しない。

暗号化ソフト「WD Security」

 なお、Creators Updateを適用して、しばらく使ってみて、問題がないと判断できたら、古いバージョンのOSのファイルは削除してしまって構わない。エクスプローラーで、「ローカルディスク(C:)」を右クリックし、プロパティを表示。「全般」タブの「ディスクのクリーンアップ」をクリックする。ここでは、一時ファイルなどを選んで削除できるのだが、「システムファイルのクリーンアップ」をクリックすると、「以前のWindowsのインストール」が選べるようになる。これにチェックを入れて「OK」を押すと、不要になった古いバージョンのOSファイルを削除できる。

ディスクのクリーンアップ。「システムファイルのクリーンアップ」を実行すると、OSの古いファイルも削除できる

 My Passportには、容量にもよるがホワイトやブラックのほか、イエローやレッドなどのカラーバリエーション(※カラーバリエーションの取り扱いは販売店によって異なる場合がある)も用意されているので、PCのデザインや好みに応じて選べる。また、一般的なポータブルHDDとは一線を画した直線的なデザインは、持ち運ぶものの見た目を気にするひとにもうってつけだろう。

カラーバリエーションが豊富なのも特徴※カラーバリエーションの取り扱いは販売店によって異なる場合がある

バックアップ

 メインストレージの空き容量が十分という人も、外付けHDDは1つはバックアップ用として持っておきたいアイテムだ。デジカメで撮影した写真や動画、リッピングしたCDの音楽など、なくしてしまうと取り返しがつかない、あるいは再度入手するのが面倒なデータは日々増えている。そうしたデータを失わないために、バックアップは心がけたい。

 PC Watchでは、「実録! 俺のバックアップ術」という連載を掲載している。バックアップ方法にはいろいろあるが、多くの実践的な事例を紹介しているので、参考にしてもらいたい。

 My Passportには、独自のデータバックアップソフト「WD Backup」が付属するほか、Acronis製イメージバックアップソフト「True Image」を無償でダウンロード可能。後者は、システムドライブをまるごとバックアップしておき、起動できなくなったさいなどに、復元させるためのものだ。前者は、必要なデータのみをバックアップできる。

 ここでは前者のWD Backupの使い方を簡単に紹介する。まず、WD Backupを起動し、バックアップ先として「My Passport」を選択。あとはバックアップ頻度と対象フォルダを選ぶだけだ。頻度は、毎時/毎日/毎月を選択可能。フォルダは多くの場合、ライブラリのDocuments、Music、Pictures、Videosを選択しておけばいいが、デスクトップにファイルを保存している人は、C:ユーザー%ユーザー名%配下のデスクトップを選択しておこう。

WD Backup。バックアップ先はMy Passportを選択
スケジュールはユーザー次第だが、毎時にしておくのがいいだろう
バックアップ対象フォルダ。ライブラリの各フォルダ以外に、必要に応じてマイコンピュータからデスクトップフォルダなども追加選択しておく
まんがいちPCのデータに問題が発生した場合は、復元からもとに戻せる

 バックアップにはクラウドを使っているので、自宅や会社の物理ストレージは不要と考える人もいるかもしれない。クラウドストレージも便利だが、数TBクラスのファイルをダウンロードしようとすると、場合によってはダウンロードだけで何日もかかる。モバイル回線をメインで使っている人だと、1日1GB程度ダウンロードしただけで容量制限を加えられてしまう。それが理由で仕事が滞ってしまうというのはなんとしても避けたいところだ。

 実録! 俺のバックアップ術を参考にし、クラウドとローカルストレージの両方をうまく使うようにしたい。

 なお、My Passportを含むWD製品は、現在キャンペーンが実施されている。5月7日までに対象製品を購入し、応募すると抽選で10名にダイソン製ハンディークリーナー「V6 Mattress+」が、50名に「JCBギフトカード」10,000円分が当たる。この機会の有効活用をお勧めする。

5月上旬までプレゼントがあたるキャンペーンが実施中