写真で見るギガバイトのX79マザー

G1.Assassin2

発売中
価格:オープンプライス



 日本ギガバイト株式会社は、LGA2011のCPUに対応したIntel X79 Express搭載マザーボード製品を発売した。このうち、ゲーミング向けの「G1.Assassin2」、クリエイター向けの「GA-X79-UD5」、エントリー向けの「GA-X79-UD3」の3モデルを入手したので、写真を中心に紹介する。なお、実売価格は順に4万円前後、3万円前後、25,000円前後だ。

 既報の通り、新製品はCPU/メモリ部の2カ所にデジタルPWMコントローラを採用した「3D POWER」を搭載。このため、従来同社製のZ68マザーで見られたDrMOS互換のDriverMOSFETは廃止されている。その代わり、BIOSやユーティリティ上から電圧低下を防ぐロードラインキャリブレーション、過電圧保護、PWMスイッチング周波数調節機能を備えた。

 G1.Assassin2のPWMコントローラを例に挙げると、CPUはInternational Rectifier(以下IR)製の「IR3567」、メモリに「IR3570」を採用している。余談だが、IRというとPC自作ユーザーにあまり馴染みがないかもしれないが、かつてDFIのコンシューマ向けマザーボード「LanParty」シリーズをはじめ、Radeon/GeForceのハイエンドビデオカード向けにデジタルPWMコントローラを提供していたCHiL Semiconductorを2011年2月に買収したところだ。

 このほか、マザーボード写真をBIOS上に表示し、設定したいところをクリックすることで直感的に設定できる「3D BIOS」も特徴の1つだが、今回時間の都合上試していない。次回機会があれば試したい。

●G1.Assassin2

 G1.Assassin2は、Creativeのオーディオプロセッサ「CA20K2」(X-Fi Xtreme Fidelity)と、Bigfoot Networksのネットワークプロセッサ「Bigfoot E2100」をオンボードで搭載し、ゲームにおけるオーディオ/ネットワーク負荷を低減できるゲーマー向けモデル。

 基本的には以前紹介したIntel Z68 Express搭載の「G1.Sniper2」、Intel X58 Express搭載の「G1.Sniper」と同様の特徴を持つが、製品名が「Assassin2」となっていることもわかるよう、これがX79シリーズにおける最上位モデルとなるようだ。

 しかし従来のAssassinとは異なり、フォームファクタにXL-ATXではなくExtended ATX(305×264mm)を採用した。Extended ATXとはいえ、ATXより奥行きが20mmだけ増えている(Extended ATXの規格上は330mmまで)。使用できるケースのバリエーションがXL-ATXと比較して多い意味で、歓迎すべき仕様変更といえるだろう。

 一方、USB 3.0コントローラはFresco Logicの「FL1009」を採用。G1.Sniper初代はルネサス エレクトロニクス製の「μPD720200A」、G1.Sniper2はEtronの「EJ168A」だったので、世代の進化とともに変更されているのがわかる。なお、後に紹介する2モデルも同じFL1009採用だ。

 また、チップセットのヒートシンクの形状が、従来のマガジン風だったものから、ハンドガンデザインのものに変更されている。このあたりもユニークな特徴といえるだろう。VRMはデジタルPWMながらも、オーソドックスな8+2フェーズだ。

デジタルのPWMコントローラを採用ネットワークプロセッサ「Bigfoot E2100」。試作機のため、シールは貼られていないが、Freescale製のPowerPCプロセッサをベースとしているようだCreativeのオーディオプロセッサ「CA20K2」
拡張スロットはPCI Express x16×3、同x1×2、PCI×1ハンドガン風デザインのヒートシンクLGA2011ソケットはFoxconn製だ
VRM部。8+2フェーズとオーソドックスな構成メモリスロットは4本ソケット右側のメモリスロットにも独立のPWMコントローラを搭載
背面は実装が少ない背面のVRM部。一部実装がされている
Fresco LogicのFL1009など。E2100用の電源と見られる実装もあるバックパネルインターフェイス。オーバークロックスイッチやBIOS切り替えスイッチも見える

●GA-X79-UD5

 GA-X79-UD5はシリーズで唯一8本のDIMMスロットを備えたモデル。8本のメモリスロットを実現するため、こちらもフォームファクタはATXよりやや大きめのExtended ATX(305×264mm)だ。

 電源フェーズは12+2フェーズで、比較的豪華。また、マザーボード上に電源スイッチやリセットスイッチも備える。シリーズで唯一IEEE 1394を搭載するのもユニークな点だ。コントローラはVIA Technologyの「VT6308P」である。安定性を重視してか、Gigabit EthernetコントローラはIntelの「82479V」だった。

GA-X79-UD512+2フェーズのVRM電源が特徴。コンデンサもタンタルタイプだ裏面にもVRMの実装、コンデンサの実装が及ぶ
USB 3.0コントローラは「FL1009」こちらはフロントパネル用の「FL1009」拡張スロットはPCI Express x16×3、同x1×2、PCI×1
リセットスイッチ電源スイッチストレージインターフェイス部
eSATA用のMarvell製コントローラIEEE 1934コントローラ「VT6308P」。PCI接続だIntelの「82479V」
フロントパネルインターフェイスは比較的充実しているCPUソケット周辺バックパネルインターフェイス。IEEE 1394が見える

●GA-X79-UD3

 GA-X79-UD3はシリーズ最下位ながら、7基分の拡張スロットを備え(上記2モデルは6基)、4wayのSLIまたはCrossFireXが可能なモデル。フォームファクタはATXで、最も汎用性が高い。

 SATAも内部で10基、eSATAを2基備えており、上位のUD5に引けを取らない。IEEE 1394とメモリスロット8本、Bluetooth 4.0+Wi-Fiコンボカードが必要ないのであれば、むしろこちらのほうがオススメだ。

 他社製のX79マザーボードを含めて見渡しても、GA-X79-UD3がもっとも扱いやすくスタンダードで、汎用性も高いというイメージ。価格も安いので、チョイスに迷ったら買ってもいいだろう。

GA-X79-UD3メモリスロットは4本こちらもUSB 3.0コントローラは「FL1009」
拡張スロットはPCI Express x16×4、同x1×2、PCI×14way SLI/CorssFireXを謳うVRMは8+2フェーズだ
本体背面こちらもVRM実装が裏面まで及ぶIntelの「82479V」を装備

(2011年 11月 21日)

[Reported by 劉 尭]