【特別企画】Windows 7インストール実験レポート
VIA C7-M搭載ミニノート「HP 2133 Mini-Note PC編」


Windows 7をインストールしたHP 2133 Mini-Note PC

 前回は、標準的仕様のネットブックとしてNECの「NEC LaVie Light LB100/RA」にWindows 7をインストールしてみたが、今回は、2008年6月に発売された、日本HPのミニノート「HP 2133 Mini-Note PC」を取り上げる。

 HP 2133 Mini-Note PCは、CPUにVIA C7-M ULV、チップセットにVIA CN896を採用し、1,280×768ドット表示対応の8.9型ワイド液晶や120GB HDDを搭載するなど、当時の一般的なネットブックとは一線を画す仕様で人気を集めた製品だ。

 VIA TechnologiesのCPU/チップセットでもWindows 7が正常に動作するのか、またAtomよりもパワーが低いVIA C7-M ULVでもWindows 7が実用レベルのパフォーマンスを発揮できるのか、チェックしていこう。

■■ 注意 ■■

・この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害は筆者および、PC Watch編集部、メーカー、購入したショップもその責を負いません。
・インストール状況、動作の確認などに関する記述は記事作成に使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません 動作確認などについて保証はいたしませんので、自己責任の範囲で行なってください。
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●Windows 7への対応は公表されず、ドライバやアプリケーションも用意されない

 日本HPは、HP 2133 Mini-Note PCをWindows 7アップグレード対象としておらず、サポートページでもHP 2133 Mini-Note PC用のWindows 7対応デバイスドライバやアプリケーションの配布を行なっていない。このあたりは、前回取り上げたLaVie Light LB100/RAと同じだ。

 マイクロソフトが配布しているWindows 7 Upgrade Advisorを利用して、ドライバやアプリケーションの対応状況を確認してみたところ、いくつか問題が見つかった。

 まず1つは、Windows Aeroのサポートだ。HP 2133 Mini-Note PCのグラフィック機能は、チップセットであるVIA CN896内蔵の「VIA Chrome 9 HC」が利用されている。VIA Chrome 9 HCは、DirectX 9.0/Pixel Shader 2.0対応で、ハードウェア的にはWindows Aeroの動作要件を満たしている。そういった意味では、LaVie Light LB100/RAと同じ状況と考えていい。VIAは、VIA Chrome 9 HC用のWindows 7対応ドライバを配布しており、そちらを利用すればWindows Aeroも動作するものと思われる。

 それに対し、デバイスでは「互換性なし」とされるデバイスと、「互換性不明」とされるデバイスが見つかった。互換性なしとされるのは、キーボードのFnキー併用機能を管理していると思われる「HP Quick Launch Buttons」、互換性不明とされるのは、3D加速度センサーを利用したHDDプロテクション機能「HP Mobile Data Protection Sensor」だ。

 また、アプリケーションでも「HP Quick Launch Buttons 6.40 B2」が問題ありとされている。Windows 7アップグレード非対象機種のため、HPのサポートページでWindows 7対応版は配布されていないが、Windows Vista用の最新版は配布されているので、Windows 7のインストール後に、Windows Vista用のドライバを導入することで対応できるかどうかを検証してみようと思う。

HP 2133 Mini-Note PCはWindows 7アップグレード非対象機種で、Windows 7用ドライバやアプリケーションは配布されていない Windows 7 Upgrade Advisorでは、Windows Aeroの動作がサポート外と表示される
デバイスでは、「HP Quick Launch Buttons」互換性なし、「HP Mobile Data Protection Sensor」が不明と表示される プログラムでは、「HP Quick Launch Buttons 6.40 B2」が問題ありと表示される

●Windows 7のインストールは問題ないが、一部ドライバは手動での導入が必要

 今回利用したHP 2133 Mini-Note PCは、CPUとしてVIA C7-M ULC 1.6GHzを搭載するとともに、標準で2GBのメインメモリを搭載する、当時「ハイパフォーマンスモデル」と呼ばれていた製品だ。標準インストールOSはWindows Vista Businessであるが、利用した個体は、日本HPが販売していた「リカバリメディアキット」を利用してWindows XP Professionalにダウングレードした状態であった。そこで今回は、Windows Vistaからのアップグレードではなく、Windows XPからのアップグレードということで作業を進めていく。

 Windows XPからはWindows 7のアップグレードインストールが行なえないため、今回も前回同様、Cドライブに新規インストールを行なった。用意したWindows 7も、前回と同じパッケージ版の「Windows 7 Professional アップグレード」だ。インストールには、USB接続の外付けDVDドライブを利用した。

 今回も繰り返しておくが、Windows 7インストール前には、インストール作業に失敗しても以前環境に戻せるよう、HDDのバックアップは必ず取っておこう。リカバリディスクを持っているなら、重要なデータのみをバックアップしておくだけでもいいが、できれば面倒がらずにHDDを丸ごとバックアップしておくことをおすすめする。

 HP 2133 Mini-Note PCにおけるWindows 7のインストール作業は、他のノートPCでのインストール作業と大きく変わることはない。今回の個体は英語キーボード搭載モデルであったこともあり、インストール開始時にキーボードの種類を「101英語キーボード」に変更したが、それ以外のインストール作業は他と全く変わらず進んだ。

 デバイスドライバについては、Windows Update経由でサウンド機能や無線LAN、Webカメラ、タッチパッドのドライバが導入されるものの、グラフィック機能のVIA Chrome 9 HC用のドライバは導入されなかった。また、Windows Update完了後デバイスマネージャーを確認すると、不明なデバイスが2個存在していた。おそらくこの不明なデバイスは、Windows 7 Upgrade Advisorで問題ありとされた、「HP Quick Launch Buttons」と「HP Mobile Data Protection Sensor」だと思われる。

 そこで、VIAのサポートページから「VN986 VIA Chrome 9 HC」のWindows 7用ドライバをダウンロードするとともに、HPのサポートページから、Windows Vista Business用として配布されている「HP Quick Launch Buttons」と「HP 3D DriveGuard for Microsoft Windows Vista」の各ドライバをダウンロードし、インストールしてみた。すると、これら3つのドライバはWindows 7 Professionalで問題なくインストールできたとともに、デバイスマネージャーに表示されていた不明なデバイスも解消された。以上で、基本的なインストール作業は完了とする。

USB接続の外付けDVDドライブを利用してインストール 英語キーボードモデルのため、キーボードの種類を「英語キーボード(101/102キー)」に変更して作業を進めた Windows 7インストール終了後のWindows Updateのオプションで、サウンドや無線LAN、Webカメラ、タッチパッドのドライバが導入される
Windows Update終了後もグラフィックドライバは導入されず、不明なデバイスも2つ存在する グラフィックドライバは、VIA Technologiesのホームページからダウンロードして導入する HPのドライバ配布ページから、「HP 3D DriveGuard for Microsoft Windows Vista」をダウンロードして、こちらも導入
同様に、「HP Quick Launch Buttons 6.40.17.2」をダウンロードし、導入する ダウンロードした3種類のドライバを導入すると、不明なデバイスも解消される

●Fnキー併用機能やHP 3D DriveGuard Systemも正常に動作

 では、Windows 7の動作を確認していこう。

 まず、デバイスの動作だ。まず、Windows Updateによって自動的にドライバが導入された、無線LANやタッチパッド、サウンド、Webカメラなどの動作は全く問題がなかった。タッチパッドに関しては、タッチバッド上部に用意されている、ON/OFFボタンも問題なく動作する。さらに、SDカードスロットも正常に動作した。ExpressCard/54スロットに関しては、手元にExpressCardがなかったため動作確認は行なえなかったが、ドライバも正常に導入されており、おそらく動作に問題はないはずだ。

 次に、手動で導入したデバイスの動作確認だ。まずグラフィック機能のVIA Chrome 9 HCだが、当初の予想通り、Windows Aeroについても正常に動作した。また、「HP 3D DriveGuard System」も、設定ツールも含めて正常動作を確認。さらに、「HP Quick Launch Buttons」についても、Fnキー併用機能全てが正常動作するとともに、操作時に液晶上にメッセージが表示されることも確認した。LaVie Light LB100/RAでは動作しなかった液晶輝度コントロールも正常に動作。つまり、Windows 7でも、用意されている機能が全て問題なく動作したわけだ。

 Windows 7インストール前には、ある程度問題が発生するのでは、と考えていたのだが、このようにほぼ完ぺきに動作したのには少々驚いた。これなら、Windows 7の導入も安心して行なえると考えていいだろう。

グラフィックドライバを導入すると、Windows Aeroも問題なく動作した キーボード上段キーに割り当てられている、Fnキー併用機能も問題なく利用できる
Fnキー併用機能での輝度調節も動作し、画面メッセージも表示される 3次元加速度センサーを利用したHDD保護機能「HP 3D DriveGuard System」も正常動作した

●パフォーマンス検証

 最後に、Windows XP時とWindows 7時とのパフォーマンス差を検証しよう。

 まず、Windowsの起動と終了の時間だ。前回と同じように、起動は、電源ボタンを押してログイン画面(パスワード入力画面)が表示されるまでを、終了は終了コマンド選択から電源が落ちるまでを計測した。結果は表にまとめたとおりで、Windows XPよりもWindows 7のほうがわずかながら起動が速かった。終了についても、LaVie Light LB100/RAのように倍近く高速になるということはなかったが、それでも若干高速であった。

起動時間(単位:秒) Windows XP Windows 7
1回目 55.85 52.84
2回目 54.32 53.03
3回目 55.41 53.91
終了時間(単位:秒) Windows XP Windows 7
1回目 20.4 16.1
2回目 32.91 15.9
3回目 20.13 15.71

 次に、アプリケーション速度の検証として、Internet Explorer 8を利用して、起動からPC Watchのトップページが表示されるまでの時間を計測してみた。こちらも、Windows XPよりWindows 7のほうがわずかに高速だった。今回も、Windows 7はクリーンインストール状態であるため、Windows 7の結果はある程度割り引く必要があるが、それでもHP 2133 Mini-Note PCではWindows 7でもWindows XPとそれほど体感差がなく利用できる可能性が高そうだ。

IE起動時間(単位:秒) Windows XP Windows 7
1回目 18.81 17
2回目 18.1 13.72
3回目 18.88 16.04

 最後に、「PCMark05」の結果だ。こちらは、Graphics Scoreを除き、Windows 7の方が結果が悪くなっている。ただ、この程度の差であれば、体感できるほどの差とは言えず、ほぼ同等のパフォーマンスが発揮されていると考えていいだろう。もちろん、OSやドライバが異なるために、あくまでも参考程度に見てもらいたい。

PCMark05 Windows XP Windows 7
PCMark Score 946 902
CPU Score 972 862
Memory Score 1074 1002
Graphics Score 294 326
HDD Score 4152 3957

●HP 2133 Mini-Note PCは、Windows 7でもほぼ完ぺきに動作する

 今回、HP 2133 Mini-Note PCにWindows 7をインストールしてみたが、一部ドライバを手動でダウンロードし導入する必要があるなど、前回のLaVie Light LB100/RAよりも若干手間はかかるものの、Fnキー併用機能も含め、内蔵デバイス全てが正常に動作するなど、Windows 7への対応度はほぼ完ぺきと言っていいものであった。

 ただし、さすがにVIA C7-M ULCはパフォーマンスが低く、動作は軽快とは言いづらい。IEを利用したWebアクセス程度であれば、それほど重さを感じることはないものの、ページ切り替えなどでもたつきを感じることも多く、やはりパフォーマンスは厳しいと言わざるを得ない。とはいえ、Windows Vista導入時よりはかなり軽快に利用できるはずで、Windows Vistaを導入して利用している人なら、Windows 7への乗り換えは十分検討に値すると言っていいだろう。

□インストール手順の注意事項
・インストール前に必ず「Windows 7 Upgrade Advisor」で環境をチェックしよう
・HDD内のデータは必ずバックアップしよう

□今回の結果
・VIA C7-M ULC+VIA Chrome 9 HCの構成でも正常に動作する
・グラフィックドライバなど一部のドライバは手動で導入する必要がある
・全ての機能がほぼ問題なく動作する

(2009年 11月 5日)

[Reported by 平澤 寿康]

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