意外に安い? ボリュームライセンスでWindows 7を導入する




 10月22日に予定されているWindows 7の発売まであと1カ月あまり。その前評判の高さから、発売直後の導入を考えている人も多いのではないか。だがその10月22日を待たずに、Windows 7を使いはじめる手段がある。「ボリュームライセンス」と呼ばれるライセンス契約を行なう方法だ。

 企業向けと思われがちなボリュームライセンスだが、実は個人ユーザーにとってもかなりのメリットがある。そこでここでは、Windows 7の購入方法のもう1つの選択肢として「個人で使用するボリュームライセンス」について紹介したい。

●個人で買う、ボリュームライセンスという選択肢

 ボリュームライセンス、日本語では「大口契約」とでも表現するのが適切だろうか。企業など、同じソフトウェアを大量に購入するユーザーに対し、必要とする数だけのソフトウェアライセンスを一括販売する形態のことを言う。

 企業ユーザーにとって、ボリュームライセンスはさまざまなメリットをもたらす。ライセンス管理を一括で行なえるほか、ボリュームライセンスではプロダクトキーも1つにまとめられるため、どのキーが使用済みでどのキーが未使用かといった管理をする必要もない。取扱説明書やメディアは必要な数だけを購入すればよいため、無駄な保管場所を用意する必要は無い。もちろん、ソフトウェアをパッケージで購入するのに比べれば圧倒的に価格が安くなる。

 マイクロソフトが提供するボリュームライセンスには、契約数や運用方法によっていくつかの種類がある。この中でも「オープンライセンス」と呼ばれる契約形態は、企業ユーザーばかりでなく、個人ユーザーでも契約可能な形態だ。しかし、少なくとも現時点では、個人でこれを利用しているユーザーはそれほど多くない。それはなぜか。

 理由はいくつか考えられるが、もっとも大きな理由は「ボリュームライセンス=大量使用」という印象が強すぎる点ではないかと筆者は考える。つまりボリュームライセンスは企業を前提とした大口契約専用で、個人ユーザーのように少数のライセンスしか必要としない場合、ほとんどメリットは無いと思われているのではないだろうか。

 たとえば、先ほど挙げたボリュームライセンスのメリットは、価格の点を除けば、個人ユーザーにとってほとんどメリットにならない。個人ユーザーが管理に困るほど大量のソフトウェアライセンスを必要とすることはあり得ないし、メディアや取扱説明書は、多少なら重複してもむしろ予備として扱えて便利だ。

 たしかに価格が安いというのは無視できないメリットだ。だが、そのメリットを受けるために必要も無いのに多くのライセンスを購入するのでは本末転倒だ。実際、ボリュームライセンスには最低限購入しなければならないライセンス数が決められているのが普通であり、1ライセンスだけでは「ボリューム」ライセンスとはならない。個人も対象としているオープンライセンスでさえ、最低ライセンス数は3ライセンスだ。

 いくら単価が安くてもまとめ買いが必要、しかもそこから得られるメリットはたいしたことはない。これでは、ボリュームライセンスを利用しようと考える人が少ないのは当然のことだろう。

 だが実はこれにはかなりの誤解が含まれている。ボリュームライセンスには先ほど挙げた以外にもさまざまなメリットがあるし、3ライセンスという縛りも決して厳しいものではないのだ。

●ソフトウェア・アシュアランスとは

 マイクロソフトのボリュームライセンスのメリットで真っ先に挙げられるのが「ソフトウェア・アシュアランス(以下SA)」と呼ばれるオプション契約の存在だ。SAとは、契約期間中に対象ソフトウェアの新バージョンが登場したとき、これを無料で使用できるようにする「バージョンアップ保証」のこと。

 たとえばWindows Vistaのライセンスを購入する際、SA特典をあわせて付けておけば、新バージョンであるWindows 7が登場した場合に、Windows 7を無償で使用できる。さらにWindows 7の次が登場すれば、そちらも無償で利用できる。契約期間中であれば何度でも無償でバージョンアップできるというのがSAの特長だ。

 さらにSA特典では、同じバージョンのOS間でも、より上位のエディションが使用できる。たとえばWindows 7をボリュームライセンスで購入した場合、そのエディションはProfessionalとなる。一方、これにSA特典を付帯(アタッチ)させた場合、Professionalはもちろん、より上位のエディションであるEnterpriseも利用する権利を得る。Enterpriseとは、市販品には存在しないボリュームライセンスユーザー専用のエディションだ。市販パッケージと比べると、機能的にはUltimateと全く同じ機能を持つ。

 SA特典は残念ながら無償で使えるわけではない。OSのライセンスとは別に購入する「有償オプション契約」である。見方によっては単にバージョンアップ費用を先払いしているだけに過ぎない、ということもできる。しかもバージョンアップと違い、契約期間中に1つも新バージョンが登場しなければ、出費はまるまる無駄になる。今回に関しては、Windows 7が登場したばかりであるため、2年間の契約期間中に新バージョンが登場する可能性は限りなく低い。

 こうした批判に応えて、マイクロソフトもボリュームライセンスの契約期間中に最低でも1度のバージョンアップが行なえるよう努力しているようだ。サーバー系OSにある「R2」というバージョンは、ある程度ボリュームライセンスユーザーを意識したものだろう。だが実際にはバージョンアップが保証されているわけではないし、実際、2年間に渡って新バージョンが1つも登場したかったこと珍しくない。

 このためSA特典では、バージョンアップ保証だけではなく、他のさまざまなメリットが組み込まれるようになっている。そうしたメリットの中には、個人ユーザーに役立つものも多いので、それらについて後ほど解説しよう。

●SAには「基本ライセンス」が必須

 SA特典は、他のソフトのアップグレード権を保証するサービスだ。このため、かならずその特典を利用するオリジナルのソフトが必要となる。たとえばWindowsであれば、まず最初にWindows本体のライセンスを購入し、それに対してSAをアタッチする必要がある。

 このためボリュームライセンスで購入する際には、元のソフトとSAとをセットで購入することが基本となる。こうした買い方は「L+SA」と呼ばれる。対して、本体ライセンスのみを購入してSAは購入しない場合は「Lのみ」、ライセンスは購入せずSAのみを購入する場合には「SAのみ」と呼ぶこともある。

 一般のアプリケーションの場合、契約初回はL+SAでライセンスも購入することが必要だ。ただしWindows OSの場合に限り、ボリュームライセンスでLを購入する以外に、市販のプリインストールPCや単体販売されるWindowsライセンスを購入し、これにSA特典をアタッチする、という方法がある。このような買い方をした場合でも、SA特典は「バージョンアップ無償」も含めてすべて利用できる。ただし、こうした買い方をするには、市販のWindowsを購入したあと90日以内にSA特典を購入しなければならない。

 なお、ボリュームライセンスには、所有するOSライセンスよりも過去のバージョンのOSを利用できる「ダウングレードライセンス」も含まれる。このダウングレード特典は、SAに付帯するのではなくOSライセンスそのものに含まれる特典だ。このため、SA特典を付帯させていない場合でも利用できる。

 ダウングレードライセンスは従来、Windows NT 3.51、NT 4.0、2000、XPなどNT系カーネルのみに利用できた。これに対してWindows 7からは、Windows 98、Microsoft Plus! for Windows 98も利用できるようになった。NT系OSにダウングレードする場合、使用できるエディションはProfessionalまたはBusiness系のみ。Server系やHome系は使用できない。またWindows 98へのダウングレードは可能だが、Windows Meは対象外だ。

●ライセンス数の制限は意外に緩い

 ボリュームライセンスの契約には、最低限購入しなければならないライセンス数が決められている。オープンライセンスの場合、この数は3ライセンスだが、この3ライセンスという制限がこれまで個人ユーザーの契約を妨げていた。ただ、ここにはちょっと誤解があったのではないだろうか。

 契約時に3ライセンス分の購入が必要、という点は確かにその通りだ。しかしここで注意したいのは、同じライセンスが3本分、というわけではない点だ。たとえばOSライセンスを1つに、その他のソフトウェアライセンスを2つ、という形で、あわせて3ライセンスとして購入すればよい。要するに、他の2つをもっと安いライセンスにすれば、全体の支払い金額は減るということだ。

 嬉しいことに、こうした買い方をするのにはまさにうってつけ、という製品がある。

【型番】66J-05385
【品名】Windows Vista Business Sngl Open Business DVD Playback Pack

 この製品はWindows Vista Businessにおいて、DVD再生機能を追加するソフトだ。VistaのBusinessには、エンターテイメント向けの機能は一切含まれていない。DVD再生機能も、そうした「含まれない」機能の1つだが、上記の製品は、Vista BusinessにこのDVD再生機能を追加する。といっても単にMPEG-2デコーダ等を追加するだけなので、価格は非常に安価で、600〜700円程度しかしない。

 これからWindows 7を購入するのにVista用のソフトを購入するというのは釈然としないところがあるかもしれないが、Windows 7のライセンスには、ダウングレードでWindows Vistaを使用する権利も含まれているため、Vista用のソフトを購入すること自体には全く問題は無い(もっとも、実際に使用することは無いだろうが)。

 Windows 7のライセンスが1本で十分なのであれば、このDVD Packを2ライセンス、あわせて購入してやれば「3ライセンス縛り」の制限を満たすことができる。出費は1,300円ほど増えるが、それでも市販のWindows 7を購入するよりはずっと安価だ。

 さらに、もしSA特典もつけるのであれば、Windows 7のL+SAにこのDVD Playback Packを1ライセンスセットにするのが最も安価な選択肢だ。SA特典は、これ自体が「1ライセンス」としてカウントされるため、L+SAを購入するだけで2ライセンス相当になり、追加するライセンス数は1ライセンスで良くなるからだ。後ほど正確な金額を示すが、この場合の合計価格はだいたい33,000円前後となる。

 この場合、SA特典があるためWindows 7はEnterpriseが使用できるが、パッケージ版のWindows 7の予想価格と比べると5,000円近く安い。さすがにDSP版のWindows 7よりはわずかに高価となりそうだが、後述するSA特典のメリットを考えると、十分に納得できる価格差だ。

 以上のことからもわかるように、組み合わせるソフトによっては、たとえ「3ライセンス縛り」があっても、出費は決して大きく無い。個人ユーザーでも十分に検討に値できるほどの「縛り」でしかないのである。

●ボリュームライセンスにおける「アップグレード版」とは
【図1】マイクロソフトが公開するボリュームライセンス版Windowsのアップグレード対象OS一覧。パッケージ版と違い、Windows 98やApple Macintoshまでもが含まれる。

 パッケージ版のWindowsには、既存のOSをアップグレードする「アップグレード版」と、新規のPCにインストール可能な「フル版」とが存在する。これに対して、ボリュームライセンスではアップグレード版しか無い。ボリュームライセンスがターゲットとしている企業ユーザーの場合、PCはOSプリインストールの状態で購入するのが普通であるため、そもそも「フル版」は必要無いのが理由といわれている。

 だが自作ユーザーの場合はそうはいかない。自作PCの場合、OSなど搭載されていないため、もしボリュームライセンスでアップグレード版しか購入できないのであれば、別途「アップグレード元」のOSを準備しなければならない。これはコスト面で大きな不利となってしまうだろう。

 ところが、実はこれもほとんど問題とはならないのだ。パッケージ版のWindows 7とボリュームライセンス版とでは、「アップグレード元」として使用できるOSの種類に大きな違いがあるからだ。

 パッケージ版Windows 7では、アップグレード元として利用できるのは、Windows 2000 Professional、XP Professional、Vista Businessのいずれかだ(ただし、Windows 7 Professionalにアップグレードする場合)。

 対してボリュームライセンス版の場合、上記に挙げた各OSはもちろん、Windows NT 4.0やWindows 98/98 SE、OS/2やApple Macintoshまでもがアップグレード対象となっている。Macintoshまでアップグレード対象となっているのに、なぜかWindows Meが対象とならないのは不憫な気もするが、とにかく、きわめて広範囲のOSがアップグレード対象にできるのである。

 もちろん、Windows 7がこれらの旧OSを直接アップグレードできるわけではなく、クリーンインストールが必要となることは言うまでも無い。しかし、ある程度PCを利用しているユーザーならば、すでに使わなくなってしまったWindows 98のライセンスくらいは所有していることも珍しくないのではないだろうか。もしそういった「死蔵」ライセンスがあれば、そのままボリュームライセンスのWindows 7が使えるようになるのだ。

 ただしここに1つ注意点がある。アップグレードライセンスでは、元のOSが動作していたPCにアップグレードOSをセットアップする必要がある。元のOSがWindows XPやVistaであれば、そのPCでWindows 7を動作させることもおそらく問題は無いだろう。しかしWindows 98やWindows NTなどが動作するPCの場合、Windows 7を動作させられるほどの処理能力が無い可能性もある。

●SAの隠れたメリットとは

 ここで生きてくるのがSA特典の隠れたメリットだ。Windows 7のライセンスにSA特典を付帯した場合、上に示したような「アップグレード版のOSは、アップグレード元のOSと同一のハードウェアにセットアップしなければならない」という制約が撤廃されるのだ。というのは、SA特典には、利用者の必要に応じてPCハードウェア間を自由に移動させることができるというメリットがあるからだ。

 Windows 98が動作するPCを所有しており、これにWindows 7アップグレード版の権利を適用すると、ユーザーは「そのPC上でWindows 7 Professionalを使用する権利」を得る。ただしユーザーはこのWindows 7 Professionalのライセンスを他のPCへと移設する権利は無い。アップグレード版は、かならず元のOSが動作していたPCで実行しなければならないという規定があるからだ。

 ところがこれにSA特典を適用すると事情は変わる。SA特典を行使すると、さきほどセットアップしたWindows 7 ProfessionalをWindows 7 Enterpriseへとアップグレードできるが、実はSA特典はOSのライセンスと異なり、PC間を自由に移動できるという特長を持っている。

 このため、本来であれば元のPCで使わねばならないWindows 7 Professionalは、そのOSに対するSA特典の権利を別のPCに移動してやることで、移動先のPCでWindows 7 Enterpriseを使用する権利へと変化するのである。そのためSA特典があれば、アップグレード元のOSがセットアップされたのとは異なるPCに、Windows 7 Enterpriseを使うことが可能になるというわけだ。

 ところでこの場合、アップグレード元OSを削除する義務も無くなる。通常のアップグレードでは、アップグレード先の新OSをインストール段階で、元のOSは削除しなければならない。ところが、上に示した手順で元のPCとは別PCに新OSをインストールした場合には、元のOSもそのまま使い続けて良いのだ。

 これらからもわかるように、L+SAによって購入されたSA特典付きのOSライセンスは、実質的には「フル版」のOSライセンスとまったく同じになる。これはSA特典の隠れたメリットといえるだろう。

●DSP版やプリインストール版も「移動可能」に

 上で説明した「SA特典はハードウェアに縛られない」というメリットは、プリインストールOSやDSP版のOSを別のハードウェアに移設する場合にも使える。

 プリインストール版のOSはもちろん、DSP版のOSの場合、パッケージ版のOSに比べて安価というメリットがあるが、購入したハードウェアと組み合わせてしか使用できないという制約もある。このためDSP版のOSは、DVDドライブやHDDなどのハードウェアと組み合わせでしか販売できない。またユーザーは、そのハードウェアを組み込んだPC上でしか、そのOSを使うことが出来ない。そのOSライセンスを他のPCに移動しようと思うと、セットで購入したハードウェアごと移動しなければならないのだ。

 しかしSA特典を使用すれば、この「ハードウェア縛り」さえも解消することができる。その原理は先ほど説明したのと同じで、SAをアタッチしたOSは、アップグレード権によりWindows 7 Enterpriseへとアップグレードできる。また一方、SA特典自体は特定のハードウェアに縛られることなく自由に移動できる。SA権を移動した場合、それに伴ってWindows 7 Enterpriseの権利も、SA権を移動したPCへと移動するのである。

 すでに説明したように、SA契約は、ボリュームライセンスでL+SAにより購入するほか、購入後90日以内であればユーザーが独自に購入したDSP版のOSなどにもアタッチすることができる。

 ところがSA特典をアタッチした時点で、上記のように組み合わせるハードウェアとは別のOSでWindows 7 Enterpriseを利用できるようになるのだ。これもSA特典のメリットの1つといえるだろう。

●仮想環境のOSライセンスが無償に

 SA特典にはこの他にもメリットがある。その中でも紹介したいのが、「仮想環境」で使用する場合のWindows 7ライセンスが最大4本まで無償となる点だ。

 Virtual PCやVMWareなどの、PC上で仮想的にPCのハードウェアを構築して他のOSを実行可能とする「仮想環境」は、PCの処理能力が向上した最近ではかなり実用的な利用方法となってきた。だがここで注意したいのが、仮想PC上でWindowsを実行する場合のライセンスである。仮想PCとはいえ、OSそのものを使用することに変わりはないので、通常の場合であれば仮想PC上で実行されるWindowsにもライセンスは1つ必要となる。

 たとえばホストOSがWindows、そのWindows上でVMWareを使って仮想環境を作成し、その中でゲストOSとしてWindowsを動かした場合、必要となるOSのライセンス数は合計2ライセンスとなる。

 ところが、ボリュームライセンスでWindows 7にSA特典を付帯した場合、同一のPC上であれば、1ライセンスあたり最大4つまで、仮想OS上でWindows 7を利用する権利が得られる。つまり、同一のPC上で最大4つまでWindows 7を同時実行できるということだ。後述する「MAKキー」の仕組みにより、各仮想環境上でそれぞれのWindows 7をアクティベーションすることもできる。

 この「Windows 7仮想環境ライセンス」は、Windows 7ではなく、Windows 7に付帯されたSA特典の側に含まれる。仮想環境を利用する機会が多い場合は、ぜひともSA特典を付帯しておきたい。

●プロダクトキーとアクティベーション

 「ボリュームライセンスのOSはアクティベーションが要らない」という話を聞いたことがあるだろうか? これは、一部は正しく、一部は正しくない。

 アクティベーションが初めて採用されたWindows XPでは、ボリュームライセンスの場合、アクティベーション不要でOSを使用することができた。また、Office 2007などのアプリケーション系のソフトでは、ボリュームライセンス版はアクティベーションが要らないボリュームライセンス専用のキーが使われる。Windows 7ライセンスには、過去のバージョンのOSも使用できる「ダウングレード権」が含まれているため、これからボリュームライセンスを契約するユーザーにも、Windows XPのVLキーが提供されるはずだ。

 これに対してWindows Vista以降は、Windows 7も含め、アクティベーション操作が必要となった。ボリュームライセンス専用のEnterpriseでも同様である。ただし、そのアクティベーションも、市販パッケージ版とボリュームライセンス版では扱いが異なる。

【図2】ボリュームライセンスユーザー向けサイトでプロダクトキーを表示する。MAKキーの使用可能数が「50」になっていることから、50台までのアクティベーションが可能であることがわかる。筆者のライセンス契約は一度更新済みであるため、プロダクトIDは2つ表示されている。このため、実質的には100回までの再アクティベーションが可能だ

 具体的には、ボリュームライセンスの場合、Windows 7やWindows Vistaには、1つのOSごとにKMSとMAKと呼ばれる2種類のプロダクトキーが提供される。

 KMSとは、ネットワーク内に「キーマネジメントサーバー」と呼ばれる専用のサーバーを動作させ、そのサーバーにアクティベーションを任せる特殊な運用を行なう場合に使用するキーだ。同一ネットワーク内に接続されたPCを、ネットワーク内のみでアクティベーションできる。ただしこれを使用するためには、最低でも25台のPCを用意しなければならず、個人ユーザーにはハードルが高い。

 もう一方のMAKは「マルチプルアクティベーションキー」と呼ばれる特殊なキーになっている。使用方法自体は通常のプロダクトキーと同じなのだが、複数のPCに対して同じキーを使って同時にアクティベーションできる。企業内などでは複数のPCを使用するが、それらのPCにそれぞれ異なるプロダクトキーを使ってアクティベーションするというのは、管理が非常に複雑になる。再インストール時など、どのPCにどのプロダクトキーを使うのかを管理しなければならないからだ。MAKキーのように複数のPCで同一のキーを使えるようになれば、管理はより容易になる。

 個人ユーザーのように1ライセンスしか購入しないのであれば、MAKでなくても、通常のプロダクトキーでも良いと思われるかもしれないが、先ほど説明した「仮想環境」でのライセンスのように、1ライセンスでも複数回のアクティベーションが必要となることもある。このため、契約するライセンス数によらず、ボリュームライセンスの場合にはMAKキーが提供されるようだ。

 1つのキーで何台までのPCがアクティベーションできるかは、マイクロソフトが独自に決定しているようだが、Windows 7をオープンライセンスで購入した場合、1つのキーで50台までのPCがアクティベーションできるようだ。

 もちろんこれはあくまで数値の上だけの話。実際に使用できる台数は、ボリュームライセンスで契約したOSライセンス数に制限されることは言うまでもない。

 とはいえ、自作ユーザーにとってみれば、最大で50回ものアクティベーションができるというのはかなり魅力的ではないだろうか。Windowsのアクティベーションでは、ハードウェア変更などにより「別のPC」と認識されてしまうと、再アクティベーションが発生する。ところが、パッケージ版やDSP版では、アクティベーションを何度か繰り返すとすぐに上限に達してしまい、電話によるアクティベーションが必要になる。

 しかし50回もの余裕があれば、仮にハードウェア変更により再アクティベーションが必要になったとしても、インターネット経由で問題なく再アクティベーションが可能だ。特にハードウェアを変更することの多い自作ユーザーにとって、電話による再アクティベーションの心配がなくなるのは大きなメリットだろう。

●ソフトウェアの入手はダウンロードで
【図3】ボリュームライセンスユーザー向けダウンロードサイト。ライセンスを所有している製品のISOイメージすべてがダウンロード可能。現在手に入り辛くなりつつあるWindows XPもダウンロードできる。サービスパック適用済みのイメージもある。

 ボリュームライセンス版のOSは、市販パッケージ版やDSP版と機能は同じであるが、メディア自体は異なる。これは、ボリュームライセンスユーザー専用のEnterpriseはもちろん、Businessでも同様だ。おそらくアクティベーションの仕組みが異なるためであろう。市販パッケージのメディアでセットアップしたOSでは、ボリュームライセンス用のキー(MAK)を入れても受け付けられないし、逆に、ボリュームライセンス用のメディアに市販パッケージ用のキーを入れても通らない。

 このため、ボリュームライセンス用のソフトウェアは、ユーザー向けの専用Webサイトからダウンロードするか、またはメディアを購入するかのいずれかの方法で入手する必要がある。またインストール時に必要となるプロダクトキーも、同サイトで入手する。

 既報の通り、Windows 7のインストールディスクイメージ(ISOファイル)は、8月12日の時点で同サイトで公開済みだ。プロダクトキーも提供済みであるため、ボリュームライセンスの契約手続きさえ終了すれば、すぐにでもWindows 7を使用開始できる。

 市販開始よりも前にソフトが入手できるといえば、開発者/ISV向けの「MSDN」や「TechNet」がよく知られるところ。しかし、こちらで入手したOSは、使用許諾上の制約により開発用/評価用でしか使用できない。これに対してボリュームライセンスの場合、市販パッケージと同様、評価以外の一般用途にも使用可能だ。

 しかも、こと日本語版に関して言えば、ボリュームライセンスユーザーは、MSDNやTechNetよりもさらに早くから新OSが使用可能だ。たとえばWindows 7の場合、MSDNで公開されたのは日本時間で8月13日であったが、ボリュームライセンスユーザー向けサイトではその4日前の8月9日時点ですでにダウンロード可能となっていた。わずか数日程度の差でしかないが、「とにかく誰よりも早く新OSを使いたい」という要求にもボリュームライセンスという選択肢は有効だ。

 ISOイメージのダウンロードは何度でも行なえる。2年間という契約期間が満了した後であっても、ダウンロードは可能だ。ボリュームライセンスで取得した使用権は、契約が終了した後でも、永続的に有効であるからだ。さらに、サービスパックが登場した場合には、サービスパック適用済みのメディアもダウンロード可能となる。パッケージ版のOSの場合、サービスパックが登場後に再インストールするのは大変なので、サービスパック適用済みのDVDを独自に作成しておく、といったことがよく行なわれるが、ボリュームライセンスならばそうした手間をかけることも無く、サービスパック適用済みのメディアを手に入れることができる。

 前述のように、OSライセンスには「ダウングレード権」も付属する。このためユーザーは、XPとVistaについてもISOイメージをダウンロードできる。

 ダウングレード権自体は市販のWindows 7やVistaにも付帯しているため、それらを購入した場合でもWindows XPを使う権利自体はある。しかし、これらを行使してWindows XPを使用したいと思っても、最近ではすでにWindows XPのメディア自体が手に入りづらい状態だ。だがボリュームライセンスならばメディア入手に困ることもない。

 なお、ダウンロードではなくメディアが欲しい場合には、もちろん有償で購入することも可能だ。この有償購入でも、Windows 7のほか、Windows VistaやWindows XPのメディアが購入できる。

●具体的にいくらかかるのか

 これまで延々とボリュームライセンスが安価であると強調してきた。では具体的にはどの程度支払えば、ボリュームライセンスでWindows 7が使えるのだろう。以下に具体的な見積りを取得してみた。なお、見積りの条件として、利用可能なプロモーション(割引)が存在する場合にはそれらを利用することとしている。こうしたプロモーション価格は利用できる期限が決まっているので注意されたい。

 なおボリュームライセンスの価格は販売代理店(リセラー)によって前後する。本記事では、インプレスR&Dで見積りを取得した。

ケース1: Windows Professional SA特典のみを購入する場合

【図4】90日以内に購入したOSを所有している場合、SA特典のみの購入でよい。数あわせのためにDVD Playback Packを2つ購入しても、合計金額は15,000円ほどとかなり安価だ

 Windows Vista Businessプリインストール機、または、Vista Businessのダウングレード権を用いてダウングレードしたWindows XPプリインストール機、パッケージ版やDSP版のWindows Vistaのうちいずれかで、購入90日以内の場合、そのライセンスに対しては、SA特典だけを購入してアタッチすることができる。

 ボリュームライセンスの「3ライセンス縛り」を満たすため、他に任意の製品を2ライセンス購入する必要がある。ここではVista Business用のDVD Playback Packを2つ購入しているが、もちろん、Officeなど他のアプリが必要な場合にはそちらを加えるとよい。DVD Playback Packを選択した場合の合計価格は15,095円となる。

ケース2: Windows 7のライセンスのみを購入する場合

【図5】ライセンスのみを購入した場合。やはり数あわせのためにDVD Playback Packを2つ購入している。支払い金額はまだ安いが、SA特典を購入していないため、今後のアップグレードには不安がある。できればSA特典もあわせて購入したいところ

 Windows 98/98 SE/NT/2000/XP/Vista、OS/2、Macintoshなどの有効なライセンスを所有している場合、ボリュームライセンスでWindows 7 Upgradeライセンスが購入できる。

 こうした購入方法にあわせ、マイクロソフトでは現在「Windows 7 ボリュームライセンス発売記念 法人向け早期アップグレード割引キャンペーン」を実施中だ。「法人向け」と銘打ってはいるが、例によって個人でもこのキャンペーンは利用できる。

 通常よりも安価にライセンスが購入できるほか、Windows 7 ProfessionalのインストールDVDが無償で提供される。

 ボリュームライセンス契約の3ライセンス縛りのため、先ほどと同様に、DVD Playback packを2ライセンス分追加した。この結果の支払い総額は20,135円となる。

 なおこのケースでは、SA特典を付帯していなので、購入したライセンスは必ずアップグレード元のOSがセットアップされていたPCにインストールしなければならない。またSA特典に関するメリットは適用できない。利用できるWindows 7のエディションはProfessional Editionのみとなる。

ケース3: Windows 7のL+SAを購入する場合

【図6】ケース2にSA特典を加えた例。L+SAは2ライセンス分となるので、DVD Playback Packは1つでよい。支払い金額はかなり高くなるが、SA特典が利用できる

 ボリュームライセンスでは、やはりSA特典を利用したい。この場合、Windows 7ライセンス+SA特典のセットを購入する。ケース2と同様「早期アップグレード割引キャンペーン」が利用できるため、割引価格で購入できるほか、インストールメディアも無償で提供される。

 L+SAはこれだけで2ライセンス分に相当する。このため3ライセンス縛りに必要となる追加ライセンスは1ライセンスでよい。支払い総額はちょっと上がって33,568円となる。


 SA特典があるため、Windows 7はEnterpriseを使用できる。また、SA特典によりアップグレード元のOSを削除する義務は無い。

 ちなみに、マイクロソフトが発表しているWindows 7 Ultimateの価格は参考価格で38,800円となっており、ボリュームライセンスを選ぶ方が5,000円ほど安価となる。DSP版Windows 7の価格はまだ明らかになっていないが、Windows VistaのDSP版の価格から考えると、25,000円前後であることが予想される。

 ここからもわかるように、絶対的な金額ではボリュームライセンスよりもDSP版Windows 7 Ultimateの方が安価となる。ただし、上に述べたさまざまなSA特典が使えることを考えると、ボリュームライセンスは決して高価なものではないように思える。

ケース4: アップグレード元のOSが一切存在しない場合

 このような例はそう多くないかもしれないが、アップグレード元のOSライセンスが一切存在しない場合には、ボリュームライセンス契約前にアップグレード元のOSライセンスを入手しておくことが必要だ。アップグレード元には、Windows 98なども使えるため、これらを友人などから譲ってもらってもよい(ライセンスが譲渡可能な場合)。

 アップグレード元OSを購入して用意する場合には、DSP版のWindows Vista Businessを購入しておくのが良い。購入後90日以内であればこのOSに対してSA特典をアタッチできるので、必要な費用はDSP版のOS代金+「ケース1: SA特典のみを購入する」の代金で良くなるからだ。DSP版のWindows Vista Businessは15,000円〜17,000円前後で購入できるので、総計は30,000円強となるだろう。

●ボリュームライセンスで購入するには?

 ボリュームライセンス契約は個人にとってもさまざまなメリットがあることがわかっていただけたであろうか。ここからは、実際にボリュームライセンスを利用する際の手順にについて解説する。

 ボリュームライセンスを購入する場合、ユーザーが最初にコンタクトするのは、リセラーと呼ばれる販売代理店だ。ライセンス自体はユーザーとマイクロソフトとの直接契約であるが、価格の見積り、注文・支払いなどの購入処理、契約に関する質問などは、マイクロソフトではなくリセラーに対して行なう(ただし購入前の質問はマイクロソフトでも専用窓口を用意している)。

 マイクロソフトのボリュームライセンスを扱うリセラーはかなりの数になり、販売価格もリセラーによって幅がある。実際にリセラーを選択する場合、価格や支払い条件、ポイント制度などの条件を勘案して選ぶことになるだろう。

 なおリセラーによっては、個人を取引対象としない場合もある。オープンライセンス自体は個人でも契約可能だが、企業間取引を専門とする商社などでは、そもそも個人取引を行なう手段が無い場合があるためだ。

 個人相手の取引が可能なリセラーの場合、Webから見積、発注が行なえる場合が多い。以下に個人取引可能な代表的リセラーを挙げる。

インプレスR&Dストア
ヨドバシカメラ
ビックカメラ
LicenseOnline
ソフトダイレクト

 これらのWebサイトでは、オンラインでの製品選択や見積書作成、発注操作まで行なえるところが多い。ただしボリュームライセンスの契約はあくまで利用者とマイクロソフトとの間の直接契約だ。このため、最終的にはユーザー自身がマイクロソフトに対する「契約申込書」を記入しなければならないところも多い。

 なお実際の契約は、ユーザーがリセラーに申し込んだ日付ではなく、リセラーの処理が終わって申込書がマイクロソフトに到着した日時が基準となる。プロモーションを利用する場合や手持ちのOSにSAをアタッチする場合など、契約する期間に制限がある場合、締切日から10日程度の余裕をみて発注を行なわないと間に合わないこともある。

 リセラー内部での処理やマイクロソフト社内での処理にもよるが、実際に申し込んでから、ボリュームライセンスが有効となるまでには1週間〜10日程度の日数がかかる。

●ライセンスユーザー専用Web
【図7】ボリュームライセンスユーザー向けWebサイト「eOpen」。現在の契約のほか、満了になった過去の契約に関しても情報を参照することができる。

 ボリュームライセンスはソフトウェアの使用権を販売するだけの契約だ。このため、契約が締結されても、マイクロソフトからソフトウェアパッケージが送られて来ることはない。またマイクロソフトの場合、ソフトウェア使用権を示す「ライセンス証書」も存在しない。というのは、マイクロソフトのボリュームライセンスでは、ライセンス証書はWeb上で表示されるものが正式な原本であり、紙に印刷された証書は存在しないからだ。

 ライセンスが締結されると、マイクロソフトからは、ライセンス証書ではなく、ボリュームライセンスユーザー専用のWebサイト「eOpen」のURLと、ライセンス契約の「認証番号」を印刷した紙が送られてくる。ユーザーは、eOpenのURLをアクセスして、その紙に記載された認証番号を入力することで、ボリュームライセンス契約が完了する。

 認証番号を記載した用紙はごく普通の事務用紙で、一見すると単なる「受注伝票」くらいにしか見えない。しかしこの番号が無ければ専用サイトへの登録が行なえず、ボリュームライセンス特典の利用が一切行なえない。うっかり捨ててしまったりしないよう注意が必要だ。

●ボリュームライセンスの有効期限
【図8】ボリュームライセンスの契約期間概念図。マイクロソフトのオープンライセンス解説サイトより。有効期間満了後、90日以内の再契約でSA特典を延長できることがわかる

 マイクロソフトのオープンライセンスでは、契約期間は2年間と決められている。2年が経過すると契約は終了し、一部の特典が利用できなくなる。ただし契約期間中に取得したソフトウェアライセンスは、基本的に「永続的」であって、契約が切れた後でも利用を継続できる。たとえば契約の際に購入したWindows 7のライセンスは、契約が切れた後でも使い続けてかまわない。SA特典により取得した新OSのライセンスについても同様だ。このため、上に説明したボリュームライセンスユーザー向けのWebサイトは、契約終了後も問題なく利用できる。インストール用のDVDイメージのダウンロードやプロダクトキーの取得も同様だ。

 利用できなくなるのは、SA特典にある「アップグレード権」だ。SA特典が有効の間は新バージョンのソフトウェアが登場した場合、そのライセンスも無償で利用できる。しかしSA特典の契約満了後に新しいOSが登場しても、そのライセンスは得られない。SA特典を移動することで他のPCにOSライセンスを移動する権利についても、SA特典終了後は使えない。

 オープンライセンスでは、厳密に言えば「契約の延長」という概念は存在しない。オープンライセンスの契約は、2年間の期間が満了すると例外なく終了する。ただし、1つの契約が満了したあと、90日以内に別のオープンライセンスを新たに契約しなおせば、実質的には契約を延長したのと同様の権利を得ることができる。

 SA特典については、90日以内に新契約が行なわれる場合に限り、旧契約のライセンスをそのまま引き継ぐことができる。この場合、新契約では、新たに元OSのライセンスを購入する必要は無く、SA特典だけを購入することでSA特典付きのOSライセンスを引き継げる。

 契約満了後90日を経過してしまった場合には、SA特典の継続はできない。ソフトのライセンス自体が失われるわけではないが、それ以降、そのライセンスにSA契約を付帯することは行なえず、新バージョンが登場しても、アップグレードする権利は得られない。

 やや裏技的な方法になるが「旧契約満了から90日以内」という制限を逆手にとると、2年間という契約期間を少しだけ引き伸ばすことができる。旧契約終了後、新契約を申し込むまでの間を90日以内でできるだけ遅らせればいいのだ。旧契約から新契約までの「空白期間」は、たしかにSA権限は無効となるが、これで困るのは新OSがこの期間内に登場した場合だけで、実質的な不利益はほとんどない。

 ただし、新契約の締結にはある程度の日数がかかることには注意したい。きちんと日数の余裕を見ておかないと、最悪の場合SA権限が継続できないことがある。

●新契約でも3ライセンス縛りは必要

 なお、契約を延長しているように見えても、実際にはあくまで「別契約」だ。このため、契約時に最低でも3ライセンス購入しなければならない「3ライセンス縛り」はこの場合でも適用される。

 特に初回購入時にL+SAとDVD Playback Packという、ギリギリ3ライセンスの組み合わせ契約している場合には要注意だ。この場合、2回目の契約はL+SAではなくSAのみで購入することになるため、他のライセンスを2つに増やさなければいけない(DVD Playback packを2ライセンスでもよい)。

 別契約扱いなので、プロダクトキーが新たに発行される。前述の通り、古い契約のプロダクトキーについても有効なまま残されるため、同じOSライセンスに対して利用可能なプロダクトキーが2つになることになる。Windows 7の場合、50回までのアクティベーションが可能なMAKが提供されることはすでに述べたが、仮に2年間の間にアクティベーション回数を消費したとしても、契約の継続によりさらに50回分のアクティベーションが可能になるというわけだ。

 ただこれは、あくまでキーが増えるだけの話であって、利用できるOSのライセンス数が増えるわけではない点には注意が必要だ。

●もう一段のわかりやすさが欲しい

 ここまで説明してきたように、マイクロソフトのボリュームライセンスは個人で契約しても、通常より安価な上に特典が多いなど、かなりのメリットがある。だがそうしたメリットの割には、利用している人はかなり少ないように思える。

 理由は、ボリュームライセンスの購入方法や、各種ライセンスの特典/条件などがわかりにくいからだ。実際、今回紹介したさまざまな特典や安く購入する方法なども、さまざまな資料を隅々まで目を通した上でやっと理解できるというものだった。

 「知っている人だけが得をする」というのは、どんな商取引にもあり得ることで、決して珍しいことではない。だがボリュームライセンスは、ユーザー側にメリットがあるだけでなく、定期的に支払いが行なわれることでマイクロソフトにとってもメリットは大きいはずだ。個人ユーザーの契約を増やすためにも、より契約しやすく、使いやすくなるような情報公開が必要に思える。

 利用者の側としても、自分の利用形態を振り返ってみて、ボリュームライセンスという選択肢をとり得ることをもう一度考慮してみてはどうだろう。

(2009年 9月 11日)

[Reported by 天野 司]

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