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生きた細胞の機能を改造するプログラミング言語をMITが開発

 米マサチューセッツ工科大学(MIT)は3月31日(現地時間)、短時間で複雑なDNAエンコード型回路を設計するためのプログラミング言語を開発したと発表した。

 この言語を使って、酸素やブドウ糖、光、温度、酸性度といった環境状況に応じて特定の機能を実行するDNAシーケンスを作成し、それを生きた細菌に移植する。これにより、腫瘍を検出すると抗がん薬を生産する細菌や、有害な副産物が過剰生産されると発酵を停止する酵母菌などを作ることができるようになるという。

 この言語は半導体回路を設計するのに用いられるVerilogをベースとしたもので、論理ゲートやセンサーに相当するものを細菌細胞のDNAにエンコードできるようにした。従来までDNAを利用した回路の制作は時間や知識、経験が必要だったが、この言語については遺伝工学の特殊な知識は不要で、Webインターフェイスを用いて誰でも簡単にDNA回路を作成できるとしている。

 リリースでは、言語について詳しい説明はなく、この研究成果はScience誌の4月1日号に掲載されるということで、若干の怪しさも残るが、リリース自体は3月31日付けとなっており、きちんとした研究であるようだ。

(若杉 紀彦)