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知ってました? AMDは付属のCPUクーラーを使わないと保証対象外

新型のリテールクーラー

 リテールボックス製品向けに新設計の「Wraith Cooler」を始め、静音化したCPUクーラーを付属させるAMDの戦略。実はユーザーにとって大きな意義がある。というのも、AMDプロセッサの場合、ボックスに付属するリテールクーラーを使わなかった場合、3年間の無償保証対象外になるからだ。

 一例として、A10-7870Kの保証書には「UseOnlythe heatsink/fan provided. Use of any other heatsink/fan will void the warranty.」と、念を押すようにOnlyが太字と斜体で記述されている。

 さらに「This Limited Warranty shall be null and void if the AMD Processors is used with a any heatsink/fan other than the one provided herewith.」とも書かれている。つまりリテールボックスに付属するファンとヒートシンク以外を使った場合、保証が無効になるのだ。

 保証書には日本語の記述がなかったため、日本AMDにも事実確認をしてみたが、やはり同じ保証規定が適用されるという。

 言い換えると、AMDプロセッサのユーザーは3年間の無償保証を受けたい場合、リテールクーラーの使用を受け入れる必要がある。これが従来より静音で高性能になったWraith Cooler、および新設計のクーラーに置き換わるという点では歓迎すべき変更である。

 もちろんオーバークロックを前提にKシリーズを購入しているユーザーであれば、プロセッサの保証を気にする人は少ないと思うので、サードパーティ製CPUクーラーの使用は問題ないだろうが、オーバークロックできない下位製品を使用する人にとって、リテールクーラーが静音/高性能化する意義は大きいと言えるだろう。

 なお、冷却装置が付属しない「FX-9370」などについては、“きちんと”ファンなしプロセッサ向けの保証書が同梱されており、上記に当てはまらない。またIntelの場合、説明書および保証書には「適切なヒートシンクが必要です」とはあるものの、3年保証の規定にはCPUクーラーに関する説明がなく、サードパーティ製CPUクーラーの装着と使用について事実上認めている形となっている。

付属のヒートシンクとファン以外の使用はAMDの3年間保証対象外である
FX-9370付属の保証書はファンなしプロセッサ向けとなっている(撮影提供:瀬文茶氏)

(劉 尭)