やじうまPC Watch

富山の食の祭典に「突然のCore M!」

 富山テクノホールで10月5日に開催された「KNB秋の大収穫祭」は、北日本放送が主催する食の祭りで、富山を中心とした企業・団体がその名産品、特産品をもちより、PRする。今回で12回目を数えるこの催し物は、地元民の間では定番のイベントとなっているというが、おそらく県外の人にはちょっとなじみは薄いだろう。記者もこのイベントのことは寡聞にして知らなかった。

 そんな場所にインテルがブースを出展する予定だという。2012年、NTTドコモは、有機・低農薬野菜や無添加食品などの宅配をする会社「らでぃっしゅぼーや」を子会社化した。また、富士通は、独自の食・農クラウドバリューチェーンサービス「Akisai」を活用した閉鎖型大規模植物工場「会津若松Akisaiやさい工場」で栽培した低カリウムレタス発売した。同じように、世界最大の半導体企業であるインテルが、最新技術を駆使した野菜販売にでも乗り出すのだろうか? IoTで、食品にもインテルチップが埋め込まれる? CEOが代わり、大胆な新戦略を打ち出すというのは、ありえないことではない。その目論見を確認するため、台風が近付く中、富山空港にほど近い会場へと赴き、取材を行なった。

 収穫祭は、朝10時開場ということで、そのタイミングで会場入りしたのだが、数百人が行列をなしていた。中に入ると、幕張メッセのホールの半分ほどの広さの展示場には、約40の団体がブースを構え、自社製品や産品をアピールするとともに、即売も行なっていた。野菜、果物、海の幸、山の幸、そしてお米にお酒が所狭しと並べられている。なるほど、秋の大収穫祭の名にふさわしいイベントだ。一部はその場で飲食できるようになっており、辺りから漂ってくる香りが、朝食を食べ逃した記者の胃袋を刺激する。

開場時には大行列ができていた
中に入ると、ゆるきゃらがお出迎え
地元の食品が多数並べられ、どれも即売されていた
調理しているブースや飲食コーナーもあり、多くの人が名産品に舌鼓を打っていた

 そんな風景から件のインテルブースに目を転じると、そこには周囲と全くなじまない突然のCore Mマシン。しかも、一般の人がめったに見ることはできない、インテル純正リファレンスプロトタイプである「Llama Mountain」だ。そのほかは、見慣れたMicrosoftの「Surface Pro 3」や、Dellの「Venue 8 Pro」などが並べられている。どう見ても食べられそうにない。

 その場にいたインテル広報室長に一応確認してみた。

 「これ食べられるんですか?」、「いえ、食べられません」。

 ですよね。

 事の次第を聞いてみると、インテルはマカフィーと共同で、「2014年秋のパソコン前線」なるキャンペーンを張っており、秋田、富山、徳島、熊本の4カ所で、順に展示会を行なっていくのだという。いずれも、直接ITとは関係しないイベントだ。

 インテルはこれまでもユーザーイベントを多数開催してきたが、いずれも東京や大阪などの大都市だった。そこで、地方都市に足を運び、一般消費者のPC利用動向を自ら確かめつつ、まだ少なからずいるであろうXPユーザーなどに、最新のタブレットや2-in-1という新製品に触れてもらい、その利便性を啓蒙しようというのが趣旨だ。

 実際、2-in-1を知っているか聞いてみると、聞いたことがないと答える人が多かったという。だが、スマートフォンは普及しているため、それと同じくタッチパネルを搭載する2-in-1やタブレットは親しみやすいようで、子供から高齢者まで、とりあえず触ってみる人が少なくなかった。また、RealSenseテクノロジーを活用したジェスチャーUIに対する関心も高く、近い将来PCに搭載される新しいインターフェイスを興味津々の様子で試していた。

 また、マカフィーのスタッフは、セキュリティ相談コーナーを設け、新しいPCに移行した際のセキュリティソフトの使い方などについて、質問に答えていた。

 今後は、10月12日~13日に徳島で「2014四国放送まつり」に、10月18日~19日に熊本で「KAB元気フェスタ2014」に出展予定。インテルとマカフィーの社員もスタッフとしてその場に立つので、イベントに行く予定の方がいたら、インテルブースにも立ち寄ってみてはいかがだろう?

インテル/マカフィーブース
普段はインテルの発表会などでしか披露されないLlama Mountain。日本にこれ1台しかない貴重な代物
スマートフォンでタッチになれているせいか、子供達でもタブレットへの食いつきはすこぶる良い
RealSenseテクノロジーを搭載したセンサーカメラ
ジェスチャーで操作を行なうことができる
起動する状態ではなかったがNUCも展示。秋田のイベントでは、こんな小さいPCがあるのかと、かなりの評判だったという
マカフィーはセキュリティについて啓蒙をしつつ、自社ソフト「リブセーフ」を訴求

(若杉 紀彦)