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DHL、無人クアッドコプターを使った定期宅配便を開始

研究プロジェクトで開発された「Paketcopter」

 ドイツの物流企業であるDHLは24日(現地時間)、研究プロジェクトの一環として、北海の島であるドイツ・ユイストへ無人のクアッドコプター「DHL percelcopter」を利用した医療品などの定期宅配を近日開始することを発表した。

 2013年12月から開始された無人航空機(UAV)による宅配に関するプロジェクトのうち、「Paketcopter」と呼ばれる無人クアッドコプターを使って、実際に宅配を行なうフェーズへ移行したもの。アーヘン工科大学・フライトシステムダイナミクス研究所や、Microdroneとの協業で実現した。

 宅配する区間はドイツの北西にあるノルデンからユイストまでの約12km。ドローンは50mの高度を秒速18mの速度で飛行。関係各省や自治体との連携により、この研究プロジェクトのために排他的な飛行領域が認められているという。飛行は完全に自律的に行なわれるが、地上局で常に監視され、緊急事態が発生した場合は、即時に手動操縦へ切り替える。

 郵送されるのは主に医薬品や緊急物資で、軽量で耐候性と防水性能を備えた専用の容器が開発された。

 同社では、現時点で無人航空機を使った通常の宅配便事業の予定はないとするものの、今回のテストを通じて、この手法の可能性をテスト。技術面、経済面で実用性が認められれば、将来的には緊急時や人口の少ない遠隔地へ宅配する1つのオプションとして興味深いものとしている。

(多和田 新也)