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この世で最も固い物質が発見される

〜ダイヤモンドの3倍の剛性。半導体にも応用可能

10月9日(現地時間)発表

 米Rice大学の物理学者Boris Yakobson氏らのチームは9日(現地時間)、「カルビン」という物質がこの世で最も固いものであるということを発見したと発表した。

 カルビンは、炭素原子を鎖状に繋げたもので、厚みが原子1個分ということで、同じく炭素原子で構成されるシート状のグラフェン、チューブ状のナノチューブと違い、“1次元的物質”とYakobson氏は表現している。

 カルビンは19世紀から理論的にその存在が考えられており、これまでにも圧縮したグラファイトや、惑星間のチリの中などで少量発見され、実験によっても生成されていた。今回同チームは、コンピュータを用い、カルビンの特性について正確なシミュレーションを行なった。これによって、カルビンがこの世に存在するどの物質よりも固いことが分かった。

 具体的には、厚みが炭素原子1個分のシートでありながら、その上に鉛筆を立てて突き破るのに象を1頭載せる必要があるグラフェンに対して、2倍の抗張力があり、剛性はグラフェンとナノチューブの2倍、ダイヤモンドに対しては3倍近くに達する。

 これ以外にも、カルビンには、両端に取っ手をつけて90度捻ると磁性半導体になるという特性のほか、エネルギーを蓄えられ、常温で安定するといった特徴も持っており、スピントロニクスデバイスや、センサー、工学部品などさまざまな応用が考えられるという夢のような物質だ。

 ただし、今回の研究はシミュレーションによるもので、カルビンを量産する技術はまだ確立されていない。

(若杉 紀彦)