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大気中のエネルギーから地震発生を予知できるIoTデバイスがKickstarterに登場

Air-Energy Sensor

 クラウドファンディングサイトのKickstarterにて、地震の発生を予知可能にするというデバイス「Air-Energy Sensor」が出品され、出資を募っている。

 30ドルで出資でき、Air-Energy Sensorが提供されない報酬なしでの出資額は10ドル。ファンディングゴールは1,000ドルに設定されており、期間は11月12日まで。まだ登録されたばかりのためか、執筆時点での出資者は1人もいない。なお、出品者のChilesismosは地震大国のチリを拠点に活動しているようだ。WebサイトやFacebookも用意されていた。

 製品の説明には、Air-Energy Sensorは持ち運び可能なセンサーで、空気中のエネルギーを解析/記録することで、信頼性の高い地震予知を行なうとしている。

 具体的には、補正済み化学ポテンシャルと凝縮された潜熱の2つのパラメータを測定しており、これによって地震のモニタリングと予測をする。製品紹介で前者は「Corrected Chemical Potential(ACP)」と書かれており、頭文字を取るならACPではなくCCPだと思うのだが、もしかしたら何か理由があるのかもしれない。ちなみに後者はLatent Heat of Condensation(LHC)となっている。

 Chilesismosは地震発生を予測可能にする理由として、Lithosphere-Atmosphere-Ionosphere Coupling(LAIC: 岩石圏、大気圏、電離圏のカップリング)理論を挙げている。これは地球の断層と地震発生エリアが地震発生の数日前に地殻の底からイオン化成分を発生させることを示すというもので、これらの成分が空気中の水分子と相互作用し、その内部エネルギーを変化させるためとしている。おそらくその変化したエネルギーから地震の兆候をとらえようという試みなのだろう。

 Air-Energy Sensorはリアルタイムに化学ポテンシャルと潜熱のデータを収集し、クラウド上にデータを送ることで地震発生の危険を分析できるのだという。つまり計測機能とネットワーク機能を備えたIoT的なセンサーのようだが、今のところハードウェアのスペックは書かれていない。地震発生確率を示す地図はWebサイトまたはモバイルアプリで表示可能という。

 Chilesismosはどこの国でとは言っていないが、この技術は世界中の200以上の状況で試され、80%の相関率を示したと述べている。このプロジェクトの目的として、地震発生国で実験的なネットワークを開発し、仮説を実証するための資金を調達したいのだとしている。

地震発生前に地殻からイオン化成分が発生するさいのメカニズム。「詳細は“LAIC Earthquake Prediction”でググって」と書かれていた
チリで測定されたデータ。大地震発生前の21日間で変則的なデータが記録されていたそうだ
Air-Energy Sensorへの電力をソーラーパワーで供給する装置