世界初、振動板にグラフェンを使用したヘッドフォン。Kickstarterに登場

　6月20日(米国時間)、Kickstarterに世界初を謳う、振動板にグラフェンを用いたヘッドフォン「ORA」が登場した。本体が受け取れる支援額は329カナダドル(約2万8千円)から。グラフェンは1原子厚の炭素原子からなるシートで、極めて丈夫であることが特徴。

　スピーカーユニットの振動版は、ドライバーの運動を空気の振動に変換する役割を果たす。そこで、振動板がより軽量であれば、応答よりは高速となり、余分な振動が抑えられることでくっきりとした音質が得られることが期待される。

　そのため、ORAのエンジニアは振動板のためにグラフェンを含んだ複合材を開発した。グラフェンを使うことで軽量化でき、マイラーフィルムを用いた従来のものと比較し、全般的に良好な周波数応答特性を記録した。

　グラフェンは高価であったり、その薄さから成形が難しいとされているが、ORAでは独自の複合材とすることでグラフェンの丈夫さや、軽量さ、熱伝導性を損なわずに成形を容易にすることで振動板に好適な特性を実現したという。

【6月22日11時30分追記】なお、グラフェンコート振動板を使ったイヤフォンは日立マクセルが2016年に商品化している。