やじうまPC Watch

【懐パーツ】Creative製ビデオカード「3D Blaster PCI」

 弊社の倉庫から古いパーツを引っ張り出して眺めて楽しむ突発企画。第1回目はCreativeの「3D Blaster PCI」である。発売は1997年6月20日で、価格は21,800円だった。

 Creativeと言えば今やサウンドカードのイメージしかないと思うが、3D対応ビデオチップが登場した黎明期より、ビデオカード製造も手がけた。3D Blaster PCIシリーズも比較的早期に登場した製品である。このボードは筆者の友人の父親から譲り受けたものだ。

 ビデオチップにはRenditionの「Vérité V1000L」を搭載している。ちなみに初代は「Vérité V1000」という名前で、Lはそこから電圧を5Vから3.3Vに低下させ、発熱低下により若干の性能向上を図ったモデルである。初代モデルは60トライアングル/secのセットアップエンジンを所持していたというが、現時点においてこのV1000L性能を知るよしもない。

 聞き慣れないチップメーカーであるが、実は日本が誇るビデオカードメーカー、カノープスの「Total 3D」にも採用されていたりする。

 メモリはMOSEL VITELIC製の「V53C16258HK40」。この型番末尾の“K40”はtRACレイテンシを示し、本製品の場合40nsである。クロックは100MHz。1チップ当たりの容量は512KBで、本機はこれを8チップ搭載することで4MBの容量を実現している。ちなみにMOSELという企業は現在ソーラーパネルなどを製造しており健在だ。

 Vérité V1000LはDAC非内蔵だったので、AT&T製の“PrecisionDAC”「ATT21C505-13」を外付けで備えている。最大解像度は1,280×1,024ドットで、最大表示色は65,536色、リフレッシュレートは最大120Hzだった。

 オマケとしてゲーム8本を添付していたそうだが、友人の家でどこに消えたかは謎である。しかし友人の父はTotal 3Dも購入しており、Total 3Dに付属していたVérité対応の3Dゲーム「Descent II」は友人から譲り受け、今も筆者の家にある。1度も起動したことはないのだが。

Renditionの「Vérité V1000L」
MOSEL VITELIC製の「V53C16258HK40」
AT&T製の“PrecisionDAC”「ATT21C505-13」