イベントレポート
Xbox OneでXbox 360のゲームがプレイできる後方互換性が年内提供
~米Microsoft、Xbox E3 2015 Briefingを開催
(2015/6/16 11:48)
米Microsoftは6月15日(現地時間)、E3(Electronic Entertainmet Expo)の開幕を16日に控えて、恒例となるXbox Briefingを開催した。会場は例年通りに、E3会場のLos Angeles Convention Centerにもほど近いGalen Center。
2015年末のホリデーシーズンをターゲットにして、最新HALOシリーズ「HALO 5:Gardian」を始めとするAAAクラスの独占タイトルを次々に発表した。人気タイトルのWorld Premier映像やファーストプレイを紹介する中で、MicrosoftのXbox部門責任者のフィル・スペンサー氏は、Xbox Oneに、従来のXbox 360タイトルがプレイできる後方互換性を追加することを明らかにした。
Xbox360タイトルへの後方互換性は、今年(2015年)中盤からいわゆるβテスターに当たるXbox Preview ProgramのメンバーにXbox Oneのシステムアップデートを順次適用し、年末のホリデーシーズンまでには全てのXbox Oneコンソールに対応させるとしている。
後方互換性は、パッケージとして販売されているディスク版、オンラインで購入できるダウンロード版ともに対応。Xbox Liveアカウントの購入情報などを元に、Xbox OneでのXbox 360タイトルの再ダウンロードや、ディスク版を読み込ませることで差分の実行ファイルなどをダウロードして適用させる。対応はタイトル毎に行なって順次対応コンテンツを増やしていくとしている。
また、Xbox Oneのシステム上でゲームタイトルを実行するため、ゲームプレイのライブ配信やスクリーンショット撮影などXbox One独自の機能をXbox 360のタイトルでも利用できるようになる見通し。
発表イベントの中では、Ubisoftのトム・クランシーシリーズ「RAINBOW SIX」のXbox One向けタイトルの投入に合わせて、既存のXbox 360向けRAINBOW SIXをフリープレイにするなど、新作プロモーションの一貫としても、この後方互換性は利用されるようだ。
周辺機器としては、Xbox Oneコントローラにヘビーゲーマー向けのエリートモデルを投入する。エリートモデルは、アナログスティックや十字パッドなどのパーツが交換可能なほか、背面にレースゲームなどで利用するパドルシフト向けのパドルなども追加する。このパドルも、さまざまなカスタマイズが可能だ。エリートコントローラは、Xbox One向けに提供されるほか、PC向けのドライバと無線受信アダプタが用意されて7月29日にリリースされるWindows 10でも利用できる。
先日行なわれたOculusのカンファレンスでは、コンシューマ向けの「Oculus Rift」のWindows 10への対応が予告され、パッケージにはXbox Oneコントローラも同梱されて重要なユーザーインターフェイスの1つとなるとされた。Oculus Riftへの対応はXbox One向けのゲームタイトルでも行なわれる。
ただしXbox Oneに直接Oculus Riftを接続するのではなく、Xbox Oneからホームネットワークを通じたWindows 10搭載のPCにゲームをストリーミングして、PCのハードウェアで映像をVR向けに拡張する。VRゴーグルでは3D酔いを緩和する目的などで、1080Pを超える解像度、60fpsを超えるフレームレートなどが求められており、この対応をPC側で付加するものと見られる。VRコンテンツについては、2月に発表されたValveによる「Steam VR」とも提携を行なうとしている。
Windowsイベントや先日のBuildでも話題となったヘッドマウント式のホログラムPC「HoleLens」のデモンストレーションも行なわれた。Microsoftが買収した箱庭系ゲームのMinecraftをテーマに、HoloLensを使って壁面をディスプレイにしたり、テーブル上のMinecraftワールドを構築して見せた。HoloLens単体のプレイではなく、Surface 3でプレイしているユーザーと同一のワールドでプレイする様子がデモンストレーションされている。
HoloLens、新しいエリートコントローラなどについては、E3会場のオープン後に、展示情報などを改めて掲載する。
全体を通してはゲーム向けのブリーフィングなので、主に2015年のホリデーシーズンをターゲットとするファーストパーティーの大型タイトルが取り上げられている。発表順に挙げると、Xboxシリーズの看板タイトルでもあるHALOシリーズの最新作「HALO 5:GUARDIANS」、稲船敬二氏の最新作「recore」、Windows 10、Xbox Oneの両プラットホームで提供される「Fallout 4」、今作ではFORD車をメインに据えた「FORZA Motorsport 6」、国産RPGの「DARK SOULS III」、トムクランシーシリーズの「THE DIVISION」、「RAINBOW SIX SIEGE」、アニメ風味のアクションRPG「GiGANTiC」、トウームレイダーの最新作「Rise of the Tomb Raider」、RAREの名作ゲームを30タイトル集めて総ゲーマースコアが1万に達する「RARE REPLAY」、RARE新作の「Sea of Thieves」、「Fable Legend」、GEARS OF WARシリーズの最新作「GEAR 4」などが発表された。個々のゲームタイトルの詳細は僚誌のGame Watchを参照していただきたい。