イベントレポート
ASUS、スマートフォン最新モデル「ZenFone 2」を発表
~光学3倍ズーム対応カメラ搭載の「ZenFone Zoom」も
(2015/1/7 00:00)
ASUSの記者会見では、先に紹介した2-in-1モバイル「Transformer Book Chi」シリーズに加えて、スマートフォンの新モデル2機種も発表された。本稿では、それら最新スマートフォンを紹介する。
ZenFone 2
Transformer Book Chiシリーズに続いて発表されたのが、スマートフォン「ZenFone」シリーズの新モデルだ。昨年(2014年)のCESで発表されたZenFoneシリーズ、2014年第1四半期では1カ月当たり10,000台ほどの販売実績だったという。しかし2014年第4四半期には1カ月当たり150万台を販売するまでに成長し、広く市場に受け入れられていると指摘。そして、その後継モデルとして今回発表されたのが「ZenFone 2」だ。
従来のZenFoneは、3G対応モデルではIntel製SoCが、LTE対応モデルではQualcomm製SoCを採用していた。それに対しZenFone 2では、全モデルがLTE対応のIntel製SoCを採用している。採用するSoCは、Atom Z3560またはAtom Z3580で、LTEモデムはLTE Category 4をサポート。下り最大150Mbpsの高速LTEデータ通信に対応している。また、64bit対応の最新Android OS「Lollipop」ことAndroid 5.0を採用し、ZenFoneシリーズでおなじみの独自UI「ZenUI」も最新版へと進化している。
液晶は5.5型のIPS液晶を採用する。液晶サイズはやや大きいが、液晶左右のベゼル幅が狭められ、前面に対する液晶部分の割合は72%へと高められたことで、本体サイズは77.2×152.5×3.9~10.9mm(幅×奥行き×高さ)と、同じ5.5型液晶を搭載する「iPhone 6 Plus」よりもコンパクトな筐体を実現している。加えて、ボリュームボタンを自然に指が届く背面のカメラ下部に配置するなど、操作性を高める工夫も盛り込まれている。背面のラウンド形状や質感に優れるデザインは、ほぼそのまま継承されている。
液晶の表示解像度は、上位モデルの「ZE551ML」がフルHD(1,920×1,080ドット)表示対応となり、下位モデルの「ZE550ML」がHD(1,280×720ドット)表示対応となる。液晶表面は双方ともCorning製の「Gorilla Glass 3」を採用。また、本体サイズや重量も微妙に異なっており、ZE550MLでは本体サイズが78.84×158.9×11.95mm(同)、重量が158.9gとなっている。ただ、ボタンの配置位置などはほぼ変わらず、本体のデザインコンセプトは変わらない。
その他の基本スペックは表にまとめたとおりだが、これを見ると分かるように、スペックはかなり充実している。特に、上位モデルのZE551MLでは、4GBと大容量のRAMを搭載するモデルが用意される。ASUSによると、4GBのRAMを搭載するスマートフォンはこれが世界初とのこと。加えてRAMはデュアルチャネル構成となっており、性能向上に寄与しているという。なお、下位モデルのZE550MLは、RAM容量は1GBまたは2GBとなる。バッテリ容量は両モデルとも3,000mAhで、39分で60%の充電が行なえる急速充電機能をサポートする。
本体サイズや重量、液晶の表示解像度以外にも細かな部分で上位モデルと下位モデルの間で仕様の違いが見られる。例えば、ZE551MLはMicro SIMスロットを2スロット備えるデュアルSIM仕様となっているのに対し、ZE550MLはシングルSIM仕様になっている。また、ZE551MLのみNFCをサポートする点も大きな違いと言える。
【表1】ZenFone 2の主なスペック | ||
---|---|---|
ZE551ML | ZE550ML | |
搭載SoC | Atom Z3560/Atom Z3580 | |
OS | Android 5.0 “Lollipop” | |
RAM | 2GB/4GB | 1GB/2GB |
ストレージ | 16GB/32GB/64GB | 最大128GB |
ディスプレイ | 5.5型、1,920×1,080ドット | 5.5型、1,280×720ドット |
カメラ | 背面:1,300万画素、前面:500万画素 | |
LTE通信速度 | LTE Category 4対応、下り最大150Mbps | |
LTE対応バンド | FDD LTE:1/2/3/4/5/7/8/9/17/18/19/20/28/29 TDD LTE*38/39/40/41(発売国により対応は異なる) | |
バッテリ容量 | 3,000mAh | |
センサー | 加速度、近接、環境光、ジャイロスコープ、電子コンパス | |
GPS | GPS、A-GPS、GLONASS | |
無線機能 | IEEE 802.11ac、Wi-Fi Direct、Bluetooth 4.0、NFC | IEEE 802.11ac、Wi-Fi Direct、Bluetooth 4.0 |
ポート類 | ヘッドフォンジャック、Micro USB | |
SIMスロット | Micro SIM×2(LTE対応×1、GSM対応×1) | Micro SIM×1 |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 77.2×152.5×3.9~10.9mm | 78.84×158.9×11.95mm |
重量 | 170g | 158.9g |
このような充実したスペックながら、販売価格は上位モデルのZE551MLでRAM 2GB搭載モデルが199ドルからと、従来同様のコストパフォーマンスの高さも継承。RAM 4GB搭載モデルやSoCとの組み合わせ、下位モデルのZE550MLの価格などは公表されておらず現時点では不明だが、仕様によっては199ドルより安価に販売されるモデルもあるとのこと。なお、一部モデルは2015年3月に発売を予定しているが、その他はまだ確定していないという。また、日本市場への投入予定も未定とのことだ。
ZenFone Zoom ZX550
もう1つ発表されたスマートフォンが「ZenFone Zoom ZX550」だ。こちらは、背面に光学3倍ズームに対応するカメラ機能を搭載する点が大きな特徴となっている。
背面カメラ付近は大きな円形のデザインが採用され、周囲よりわずかに浮いていることから、本体を横にして構えると、コンパクトデジタルカメラを構えているような雰囲気となる。ただ、光学3倍ズームを実現してはいるが、ズーム操作時にレンズ部分が外に飛び出すことはない。これは、レンズから取り込んだ光を90度屈折させ、筐体内部で光学ズーム機構を実現しているから。これにより、3倍光学ズーム搭載スマートフォンとして世界最薄の11.95mmを実現しているとのこと。
なお、この屈折光学ズーム機構は、日本の光学機器メーカーであるHOYAが開発したものとのことで、優れた品質が実現されているという。ズームは光学3倍だが、デジタルズームとの併用で最大12倍まで対応している。
光学ズームに加え、光学手ブレ補正機構も搭載しており、暗所での手ブレを低減しクリアな写真が撮影できる。レーザーを利用した高速オートフォーカス機構の搭載で、シャッターチャンスを逃がすこともないという。また、被写体に5cmまで接近したマクロ撮影にも対応するなど、コンパクトデジタルカメラに匹敵する写真撮影性能を備えるとしている。
液晶は、ZenFone 2同様に5.5型のIPS液晶で、表示解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)。本体サイズは78.84×158.9×11.95mm(幅×奥行き×高さ)、重量は185g。そのほかのスペックは表2にまとめたとおりだが、こちらはZenFone 2と異なり搭載SoCは非公開。発表会ではガラスケース内にのみ展示され、来場者が手に取って試すこともできなかったことから、現時点ではまだ開発中で仕様が固まっていないものと思われる。なお、発売時期は2015年第2四半期を予定しており、価格は399ドルとのことだ。こちらも日本への投入は未定だ。
ZE551ML | |
---|---|
搭載SoC | 非公開 |
OS | Android 5.0 “Lollipop” |
RAM | 非公開 |
ストレージ | 最大128GB |
ディスプレイ | 5.5型、1,920×1,080ドット |
カメラ | 背面:1,300万画素、光学3倍ズーム、光学手ブレ補正 前面:500万画素 |
LTE通信速度 | LTE Category 4対応、下り最大150Mbps |
LTE対応バンド | FDD LTE:1/2/3/4/5/7/8/9/17/18/19/20/28/29 TDD LTE::38/39/40/41(発売国により対応は異なる) |
バッテリ容量 | 3,000mAh |
センサー | 加速度、近接、環境光、ジャイロスコープ、電子コンパス |
GPS | GPS、A-GPS、GLONASS |
無線機能 | IEEE 802.11ac、Wi-Fi Direct、Bluetooth 4.0、NFC |
ポート類 | ヘッドフォンジャック、Micro USB |
SIMスロット | Micro SIM×2 |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 78.84×158.9×11.95mm |
重量 | 185g |