イベントレポート
Thunderbolt 2対応周辺機器を展示したAKiTiO
(2014/3/31 13:30)
2013年のレポートでも紹介したAKiTiOは、今年(2014年)もThunderboltに対応する周辺機器をブース出展していた。
2013年末にAppleから出荷が始まった「Mac Pro」は、Thunderbolt 2のインターフェイスを6ポート搭載する。また、同10月に発表されて順次出荷が行なわれている「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」の13インチ、15インチにも各2ポートが搭載されている。つまりThunderbolt 2はデスクトップ、ポータブルともにProの名称が付いたMac製品の現行モデル(※光学式ドライブ搭載の非Retinaモデルを除く)に搭載されているインターフェイスだ。以前のThundeboltと同様に、本体への導入が先行して周辺機器が後を追う形になっている。
簡単にThunderboltとThunderbolt 2の違いをおさらいしておくと、通信速度とDisplayPortのプロトコルが異なる。いずれもレーン数は全二重2レーンで共通だが、前者は10Gbps×2(双方向)×2レーン、後者は20Gbps×2(双方向)×1レーンの最大転送速度(いずれも理論値)を持つ。Thunderbolt 2の場合は、2つのチャネルを集約することで転送速度を2倍にしているというわけだ。
通信プロトコルはともにPCI Express 2.0を採用しているが、ディスプレイ信号ではThunderboltではDisplayPort 1.1a、Thunderbolt 2ではDisplayPort 1.2という違いがある。極めて単純化すると、Thunderbolt 2ではDisplayPort 1.2に対応することで4K出力を可能にしていると考えればいい。言うまでもなく下位互換性を備えており、Thunderbolt 2ポートにThunderbolt対応機器を接続した場合もThunderboltの仕様で動作する。
AKiTiOが展示しているのはディスプレイ出力に関連する周辺機器ではなく、主にストレージ関連の製品だ。AKiTiO以外にもThunderbolt関連製品を展示する出展者はいくつかあったが、Macworld | iWorldの展示ホール内では特に4Kにフォーカスした展示はなく、4KとThunderbolt 2との関連製品は4月5日からラスベガスで開催される「NAB Show」(国際放送機器展示会)が発表や展示の中心になると予想される。
AKiTiOのThunderbolt 2関連周辺機器は全部で4製品。まず2014年半ばに出荷を予定しているというDock製品「AKiTiO Thunder 2 Dock」がある。既存の製品はThunderbolt対応の「AKiTiO Thunder Dock」だが、このインターフェイスをThunderbolt 2へと変更したものだ。2つのThunderbolt 2ポートを備え、Thunderboltのデイジーチェーンに対応する。接続できる機器は、USB 3.0×2ポート、eSATA×2ポート、FireWire 800×1ポート。Dockに搭載するポートは従来モデルもThunderbolt 2対応モデルも変わらない。USB 3.0とFireWire 800のポートはいずれもバスパワーによる電源供給にも対応する。DockにはACアダプタが付属しており、Dockには12V/5Aの給電が必要だ。
本体サイズもほぼ同一で、もっとも違うのは本体色だ。Thunderbolt対応製品がシルバー、Thunderbolt 2対応製品がブラックになっている。特に色に関しては規格上の決まり事はないのだが、Mac Proが黒基調のデザインになっていることから、周辺機器も黒に合わせようという考えのようだ。実際、Appleが販売する純正のThunderboltケーブルも、Mac Proの発売と前後して、従来のコネクタおよびケーブルが白のものに加えて、コネクタおよびケーブルが黒いものが流通するようになっている。ちなみに、ケーブルはThunderboltとThunderbolt 2で同じケーブルが利用できる。
注意してほしいのは、あくまで色に関してはこうした雰囲気になっているだけで、必ずしも黒い周辺機器だからといってThunderbolt 2対応製品とは限らないことである。例えば速報として紹介したKanex製のアダプタなどは、参考展示された本体色は黒いがThunderbolt対応製品である。
AKiTiO Thunder 2 Dockの価格は現時点で未定。ただし出荷に際しては現行のAKiTiO Thunder Dockの価格である269ドルにできるだけ近づけたい意向だ。このあたりは、Intelから供給されるThunderbolt 2対応コントローラの価格が今後下がることを見越したものと言える。もちろん、その場合はTunderbolt対応コントローラの価格引き下げも伴うことは容易に想像できる。
他のThunderbolt 2対応製品はいずれも筐体もので、PCI Expressスロットを拡張する「Thunderbolt 2 PCIe Box」、4台の2.5インチSSD/HDDを内蔵できる「4-bay Thunderbolt 2 Quad mini」、そして4台の2.5あるいは3.5インチのSSD/HDDを内蔵できる「4-bay Thunderbolt 2 Quad」の3製品、いずれもThunderbolt 2ポートを2つ搭載してデイジーチェーンに対応する。理論上の最大転送速度は3製品ともに、リードで1,370MB/sec、ライトで1,300MB/secとなっている。
同社の製品はいずれもThunderboltケーブルを同梱していることも特徴。パッケージには住友電工製のケーブルが同梱されて出荷される。Thunderbolt対応製品は白だが、Thunderbolt 2対応製品は黒いケーブルが同梱される見通し。Thunderboltのケーブルはコネクタ部分にチップが入っているためコンシューマ用途の接続ケーブルとしては値段が張る製品。同梱することで導入コストを実質的に下げる狙いがある。
Thunderbolt対応製品としては「AKiTiO Palm RAID」を発表している。SSD 2基を手のひらサイズのボディに内蔵して、バスパワーのRAID 0で運用する。製品はSSDの容量の違いで2モデル。256GB(128GB×2)タイプが399ドル、512GB(256GB×2)タイプが649ドル。こちらはやはり住友電工製のThunderboltケーブルを採用し、本体に直結した構造。ケーブルに付属しているマグネットで、収納時のマネージメントを可能にしている。近日中に出荷の見通しだ。