イベントレポート
パナソニック、5型頑丈タブレット「TOUGHPAD」新モデルをMWCでも公開
~Windows Embedded 8 Handheld版とAndroid版をラインナップ
(2014/2/28 11:46)
パナソニックは、5型液晶搭載の頑丈タブレット「TOUGHPAD」新モデル2機種を、MWC会場のパナソニックブースで公開した。製品の型番は非公開となっていたが、OSとしてWindows Embedded 8 Handheldを採用するモデルと、Androidを採用するモデルの2機種があり、2月24日に日本で発表されたTOUGHPAD新モデル「FZ-E1」と「FZ-X1」の2モデルに相当するものと思われる。
スマートフォンでも採用例の多い5型液晶を搭載しており、TOUGHPADシリーズとして最小のモデルとなる。また、2モデルとも標準で3G/LTE機能を内蔵し、通話も可能となっている。こういった特徴のため、ブースでもスマートフォンと比較されることが多いようだが、工事現場の作業員や警察官、消防隊員、寒冷地での各種作業員など、過酷な現場でも安心して使える小型のタブレット、という位置付けだという。
TOUGHPADシリーズでは最小とはいえ、本体サイズは87×165×31mm(幅×奥行き×高さ)と、スマートフォンと比べるとかなり大きい。また、重量も約430gとかなり重い。実際に手にすると、やはりスマートフォンというよりはタブレットと言った方がしっくりくる印象だった。
ボディは既存TOUGHPADシリーズと同等の仕様となっている。本体側面を樹脂製素材で覆うとともに、コネクタ部分はパッキンの付いた蓋でしっかり保護。MIL-STD-810G準拠の耐衝撃性能を備えるとともに、高さ3mからの落下試験もクリアしているという。防水防塵性能はIP68/IP65に準拠しており、一般的な防水防塵対応スマートフォンよりも数段優れるものとなっている。さらに、本体内にバッテリを温めるヒーターを内蔵し、低温環境でも安定して動作するという。動作温度は-20℃から60℃と、低温から高温まで幅広い環境で利用できるのも、想定する用途での利用者にとって大きな魅力となるだろう。
もう1つ特徴的なのが、バッテリだ。パナソニックのノートPC「Let'snote AX」シリーズなどでは、本体内蔵バッテリと着脱式バッテリを同時搭載し、PCをシャットダウンすることなくバッテリの交換が可能となっているが、この5型TOUGHPADも同様の仕組みを採用。バッテリ交換時には強制的にスリープ状態となるが、本体内蔵バッテリによりバックアップされ、OSをシャットダウンすることなくバッテリを交換でき、業務の妨げも最小限に抑えられるという。なお、交換バッテリの容量は6,200mAhと大容量で、駆動時間は約14時間、待受時間は約1,000時間とされる。
5型液晶の表示解像度は1,280×720ドット。500cd/平方mの高輝度バックライトを搭載し、直射日光下でも優れた視認性を確保。直射日光下での視認性は確認できなかったが、少なくとも非常に画面が明るいことは確認できた。タッチパネルは10点マルチタッチ対応で、手袋を付けた状態でも安定したタッチ操作が可能とのことだ。液晶面の強度も優れており、80cmの高さから画面中央部への400gの鋼球落下試験をクリアしている。
ここまでの仕様は2機種とも同等。また、内部のスペックも多くの部分が共通となっている。メモリは2GB、内蔵ストレージは32GB。無線機能はIEEE 802.11ac/a/b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 4.0。NFC機能も標準で搭載される。カメラ機能は、背面カメラが約800万画素、前面カメラが約130万画素で、背面カメラには高輝度フォトライトも搭載する。外部ポートの種類も2機種共通で、上部側面にはバーコードリーダも標準搭載される。ただし、搭載プロセッサは、Windows Embedded 8 Handheld搭載モデルがQualcomm Snapdragon 800(MSM8974AB、2.3GHz)、Android搭載モデルがSnapdragon 600(APQ8064T、1.7GHz)と異なっている。
日本ではWindows Embedded 8 Handheld搭載のFZ-E1が2014年6月中旬、Android搭載のFZ-X1が同8月下旬、欧州では2014年第2四半期以降に発売予定とのことで、価格は未定。欧州でも日本と同じように法人向けとなり、一般ユーザー向けとしての発売の予定はないとのことだ。