イベントレポート
パナソニック、7型の頑丈Windowsタブレット実機を展示
~150cm落下を実演、20型4Kタブレットの上位モデルも
(2014/1/8 15:02)
パナソニックは、世界初となる7型液晶採用のWindowsタブレット「TOUGHPAD FZ-M1」を1月7日に発表した。また、4K表示対応の20型タブレットの上位モデル「TOUGHPAD 4K UT-MA6」も発表し、ともに、米ラスベガスで開催中のInternational CES パナソニックブースで展示していた。
TOUGHPAD FZ-M1
TOUGHPAD FZ-M1は、優れた堅牢性と防水防塵性能を備える、頑丈仕様のタブレット「TOUGHPAD」シリーズの新モデル。Windowsタブレットとして初となる7型液晶を採用した、コンパクトなボディが特徴。表示解像度は1,280×800ドットと、8型Windowsタブレットと同じで、画面サイズがひとまわり小さいものの情報量は変わらず、ほぼ同等の感覚で利用できる。
プロセッサには第4世代CoreプロセッサであるCore i5-4302Y vPro(1.60~2.30GHz)を採用。8型Windowsタブレットでは、Bay Trail-T採用製品が多い中、第4世代Coreプロセッサを採用しているのは優位点だ。また、Core i5を搭載しながらファンレス仕様を実現しており、この点も世界初としている。
そのほかのスペックは、メモリが4GB、ストレージが128GB SSD、リア500万画素、フロント200万画素のカメラなど。無線機能は、IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LANやBluetooth 4.0に加え、ワイヤレスWANもサポート(日本向けモデルでは、NTTドコモのXiに対応)。バッテリは着脱式で、駆動時間は約8時間。オプションの大容量バッテリの利用で約16時間の駆動も可能となる。OSはWindows 8.1またはWindows 7。
TOUGHPADシリーズとして欠かせない堅牢性は、約150cmからの落下(6面)に耐える圧倒的なタフさを実現。実際にブースで製品を床に落としてもらったが、床がカーペットだったこともあり当然びくともせず。もちろん、コンクリートやアスファルトなどの堅い床であっても、約150cmからの落下に耐えるという。IP65準拠の防水防塵性能も備えることも合わせ、環境を問わず利用できると言える。
本体サイズは、高い堅牢性やHaswell搭載を実現するため、大きなハウジングを採用していることもあり、202.7×132×18mm(幅×奥行き×高さ)と7型タブレットとしてはやや大きく、重量も約540gと重い。それでも、他にはない特徴を考えると、不満はない。
パナソニックブースに展示されていたFZ-M1には、バーコードリーダーやカードリーダーなどのアタッチメントが取り付けられていた。また、ハンドグリップやスタイラスペンなど、豊富なオプションも用意される。
日本での発売時期はWindows 8.1搭載モデルが3月上旬、Windows 7搭載モデルが3月下旬を予定しており、実売価格は19万円前後からを予定している。
TOUGHPAD 4K UT-MA6
2013年のCESで参考展示され、2013年9月に正式発表された、3,840×2,560ドット4K表示対応のWindowsタブレット「TOUGHPAD 4K」。2014年のパナソニックブースでも、発表済みの「TOUGHPAD 4K UT-MB5」を展示していたが、新たにUT-MB5の上位モデルとなる「UT-MA6」が発表され、ブースでUT-MB5と同時に展示していた。
本体の外観はUT-MB5とほぼ同じで、サイズは475×334×12.5mm(同)と全く同じ。採用されている液晶パネルも、3,840×2,560ドット表示に対応する20型IPSαパネルとなる。
ただし、搭載されるスペックが強化されており、CPUがCore i7-3687U vPro、GPUがNVIDIAのQuadro K1000Mとなる。Quadro搭載のタブレットは、このUT-MA6が初となる。UT-MB5も、自動車業界や建設業界、医療現場など高度な映像処理を必要とする業種での利用を想定しているが、UT-MA6はCAD/CAMなどの、より高性能を要求する用途にも柔軟に対応するとしている。なお、性能強化に伴い重量は約2.54kgとやや増えている。
右側面のポートも一部強化されており、UT-MB5にはないGigabit EthernetとMini DisplayPortが追加されている。Mini DisplayPortに外部ディスプレイを接続してデュアルディスプレイ構成にすることも可能。また、背面には500万画素のカメラも追加されている。
CPUやGPU以外のスペックは、メモリが16GB、ビデオメモリが2GB、ストレージは256GB SSD、IEEE 802.11a/b/g/n準拠の無線LAN、Bluetooth 4.0などとなる。スペックは強化されているが、バッテリ駆動時間はUT-MB5とほぼ同じ約2時間程度となるそうだ。
本体サイズがUT-MB5と同じため、UT-MB5用オプションのクレードルはそのまま利用できる。クレードルにはUSB 3.0×3、HDMI出力、有線LANなどが用意され、それらを利用した拡張も可能。オプションの電子タッチペンももちろん利用可能だ。
TOUGHPADシリーズということで、堅牢性も考慮されている。さすがに7型のFZ-M1のような高さ約150mmからの耐落下性能や、防水防塵性能は備えないものの、30cmほどの高さからの耐落下性能は備わっている。TOUGHPAD 4Kシリーズは、オフィス内モバイルが基本の用途となるため、このレベルの堅牢性でも不安はない。
OSは、Windows 8.1またはWindows 7に対応。Windows 7モデルを用意しているのは、一部業務向けソフトでWindows 8に対応していないものが存在するためとのことだ。
ところで、ブースの展示コーナーには、TOUGHPAD 4Kシリーズ用の新たなオプションも展示されていた。透明な円柱形のデバイスで、これを画面に当てることで、CADソフトで画像の回転などの操作が行なえる。CAD利用中に左手で簡単に画像操作が行なえるように考慮したものだそうで、特にCAD利用をターゲットとしているUT-MA6にうってつけのデバイスと言えるだろう。
UT-MA6の発売時期は、2014年春を予定しており、北米での価格は6,999ドル。日本での発売も考慮しているそうだが、時期や価格は未定。なお、UT-MB5は2014年2月に発売予定で、北米での価格は5,999ドルとなる。