イベントレポート
日本電気硝子の「見えないガラス」やNECのポータブルDNA解析装置など
(2013/10/1 17:12)
CEATEC 2013の日本電気硝子ブースでは「見えないガラス」という製品を展示している。これは文字通り目ではほとんど視認できないガラスで、ガラスの両面に特殊な反射防止膜をコーティングすることで、ヒトの目が感じる波長の光を選択的に反射しないようにし、一般的なガラスでは4%程度ある視感反射率を、0.08%にまで抑えたもの。
展示コーナーに展示されている見えないガラスは、真横近くにまで回り込むと見えるが、そこにガラスがあると言われなければ全く気付かないほど、正面からでは存在を認知できない。
この製品の用途としては、絵画など美術品のケースとして使うことで、絵画の見た目にほとんど影響を与えることなく、作品を保護できる。また、日光の照りつけが激しい屋外でのディスプレイケースに使うことなども想定されている。
また、その発展製品として「見えないガラス+AG for ディスプレイ」という製品も展示されていた。これは液晶などのパネルの上に、超薄板AGガラスを貼り、その上に、見えないガラスの特殊コーティングを施したもの。これにより、光沢パネルと同等の見栄えを確保しつつ、ほとんど外光反射のないディスプレイを実現できる。移動して使うノートPCだけでなく、大型液晶TVなど据え置きの機器にも有効な技術と言える。
パナソニックのブースには、「Let'snote」の姿はないが、20型の4K対応タブレット「TOUGHPAD 4K」を複数台展示。その機動性と高解像度、ペン入力などの特徴を活かし、医療用、コスメ系、美術用、CAD用などの用途を訴求している。
NECのブースでは、個人認証ソリューションの展示/デモに力が入っているのだが、中でも注目を集めていたのは、「ポータブル型DNA解析装置」の参考展示。
用途は犯罪捜査や、被災現場などにおける身元確認で、従来は小さなプリンタと小型冷蔵庫程度のサイズだったPCR装置と電気泳動装置を、1つのスーツケース大に収め、細胞の採取から個体差を判別するSTR解析までを25分という短時間でこなすことができる。
NECとしては初挑戦の分野の製品だが、上記の特徴に加え、試験管の機能を持つ流路とピペットの役割を果たす液送機能を1つにまとめたプラスチックチップを開発するなど、従来製品より小型化、時間短縮、操作の簡易化、分析コストの低減などを一挙に実現している。
サンワサプライのブースでは、打鍵面が完全に平らなキーボード「CLKB02001」を展示している。
表面は平らな1枚板で、ぱっと見は全体が液晶のようにも見えるが、実際は刻印は固定表示で、導光板式バックライトを使い、刻印が表面に映し出されているように見える。キーはタッチセンサー式だが、入力確認の電子音や触感フィードバックを必要に応じてオン/オフできる。また、タッチパッド機能も備える。
平らにすることで、清浄性が求められる医療現場や、食品加工現場などでは、汚れを簡単に拭き取ることができ、防塵性が求められるクリーンルームでの利用にも好適。また、感度調整機能を持ち、手術用手袋を装着した状態でも打鍵できる。
インターフェイスはUSBで、対応OSはWindows XP/Vista/7/8。キー配列は日本語108(かな表記なし)。本体サイズは392×150×27mm(幅×奥行き×高さ)。
発売は10月末頃で、店頭予想価格は2万5千円前後。開発製造はミネベア。