イベントレポート
【ASRock編】BMWデザインのベアボーンPCを展示
~未発売Haswellマザーボードも
(2013/6/7 10:07)
- 会期:6月4日~8日(現地時間)
- 会場:
- Taipei World Trade Center NANGANG Exhibition Hall
- Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1
- Taipei World Trade Center Exhibition Hall 3
- Taipei International Convention Center
ASRockブースは、展示内容はマザーボードが中心で、目立つ場所にオーバークロック(OC)コーナーを用意して、定期的なOC実演を行なうというように、どちらかというと例年通りの雰囲気のブースとなっていた。
そういった中で、少々異彩を放つ製品が展示されていた。それは、BMWの子会社「BMW DesignworksUSA」がデザインを担当したベアボーンPC「ASRock M8」(M8)だ。3月にドイツで開催されたCeBIT 2013で発表され、今回製品版に近いモデルが展示された。
BMW DesignworksUSAがデザインしたPC関連製品としては、前衛的なデザインが話題となったThermaltakeのタワーケース「Level 10」があるが、M8もパッと見ではPCとは思えないような、かなり凝ったデザインとなっている。
本体の4つの角は全て斜めに切り取られていて、その部分には取っ手となるバーが2本ずつ固定されている。また、側面パネルには八角形の窓があり、内部が見えるようになっている。そして、内部もデザインの一部として考え、内部パーツの配置なども工夫されている。
ASRockは、OCやゲーミングに強いメーカーで、M8も基本的にはゲーミングPCの位置づけとなっている。4つの角に取っ手が取り付けられているのは、“LANパーティ”と呼ばれる、参加者がPCを持ち寄って楽しむゲーム大会に参加する場合にも、容易に持ち運べるようにするためだという。
ゲーミングPCでは高性能パーツを搭載するために、ケース内の冷却性能も重要視される。そこでM8では、上下をメッシュ構造にするとともに、双方に70mmファンを2基ずつ、計4基搭載。また、ビデオカードの熱も効率良く排出できるように、ドーターカードを利用してスロットの向きをマザーボードに対して水平にし、マザーボードと重ならないようにビデオカードを搭載できるようにしている。ただ、側面のメッシュ部分は幾何学模様のようなメッシュ構造になっており、冷却性能を高めつつデザイン性を崩さないように考えられている点は、さすがという印象だ。
正面には、特徴的な円形のダイヤルコントローラが用意されている。そして、このダイヤルの中央部には有機ELディスプレイを配置し、ダイヤルを回転することでさまざまな情報を表示するようになっている。また、コントローラには重力センサーが内蔵され、縦置き横置きにかかわらず、常に正常な向きに情報が表示されるようになっている。
ASRockは、M8を企画する際に、BMW側にデザイン性の追求だけでなく、ゲーミングPCとして必要となる性能や冷却性を高いレベルで実現するように様々な要求を出したそうだが、そのほとんどが満たされ、非常に満足度の高い製品に仕上がったとしている。
M8は、ケース、マザーボード、スロットローディングタイプのDVDドライブ、450WのSFX電源が取り付けられた、ベアボーンキットとして発売される。PCとして利用するには、別途CPU、メモリ、ストレージ、ビデオカードなどを用意し取り付ける必要がある。マザーボードは汎用のフォームファクタではなく、M8専用の独自形状。チップセットはIntel Z87 Expressで、第4世代Coreプロセッサに対応。ビデオカードは2スロットタイプを搭載可能。ドライブベイは、3.5インチと2.5インチが用意される。
M8は日本でも発売が予定されており、発売時期は7月頃を目標としているそうだ。価格は未定。
SATA 6Gbpsを22ポート備えるマザーボード
ASRockのHaswell対応マザーボードは、既に日本でも多数販売されているが、ブースには未発売のHaswell対応マザーボードがいくつか展示されていた。
まず、Intel Z87 Expressが提供する6ポートのSATA 6Gbpsに加えて、別途搭載するSASコントローラによるSAS/SATA 6Gbpsポートを16ポート、合計22ポートのSATA 6Gbpsポートを備えるマザーボード「Z87 Extreme 11/ac」。マザーボード上には、SLI製のSASコントローラ「SAS 3008」と、同じくLSI製のSASエキスパンダ「SAS3x24R」が搭載され、16ポートのSAS/SATA 6Gbpsポートを用意。これによって、圧倒的な数のSATAポートを用意している。SAS/SATA 6Gbpsポートの帯域は12Gbpsに達するため、全てのSAS/SATA 6GbpsポートにSSDを接続しても帯域は十分だ。
また、Z87 Extreme 11/acに用意される4本のPCI Express x16スロットは、フル帯域の4Way-SLIおよび4Way CrossFireにも対応するという。実際にブースでは、22のポート全てにSSD(Plextor PX-256M5 Pro)を接続するとともに、Radeon HD 7950搭載ビデオカード(PowerColor HD7950)を4枚搭載し4Way CrossFireを実現した状態での稼働デモが行われていた。マザーボード自体の仕様はかなり特殊だが、このデモの様子もかなり異彩を放っており、来場者の注目(ただしその多くは奇異の目)を集めていた。
ちなみに、Z87 Extreme 11/acにはIEEE 802.11ac対応無線LANモジュールも標準で搭載される。日本での販売価格は未定だが、7月頃の発売を予定しているそうだ。
IEEE 802.11ac対応対応の日本未発売マザーボード
このほかには、発表済みながらまだ日本で発売されていない、IEEE 802.11ac対応無線LANモジュール搭載製品が展示されていた。
「Z87 Extreme 9/ac」は、IEEE 802.11ac対応無線LANモジュールを搭載する、一般向けZ87マザーボード最上位モデル。この製品は日本では未発表となっているが、日本での発売も予定しているという。
「Z87 Extreme 6/ac」は、日本でも発売済みの「Z87 Extreme6」をベースに、IEEE 802.11ac対応無線LANモジュールを搭載したモデル。違いは、無線LAN機能の有無となる。
最後に、ヒートシンクや拡張スロットなどの黄色のラインが目をひく、Intel Z87 Express搭載のOC向けマザーボード「Z87 OC Formula」とMicro ATX仕様の「Z87M OC Formula」。双方とも日本でも発表済みで、想定価格も公表されているが、ブースではZ87 OC Formulaをベースに、IEEE 802.11ac対応無線LANモジュールを搭載した「Z87 OC Formula/ac」を展示。Z87 OC Formulaとの違いは、IEEE 802.11ac準拠無線LANモジュールの搭載有無で、マザーボード自体の仕様は同じ。もちろん、マザーボード表面に防水加工が施されているという点は同じで、ブースでは動作しているマザーボード上に水滴を流しながらのデモが行なわれていた。
これらIEEE 802.11ac対応製品は、いずれも日本で7月頃の発売を予定している。販売価格は現時点では未定だ。