【DEMOfall 09レポート】コミュニケーションツール編
コミュニケーションの円滑化につながるさまざまなツールを紹介

Lunchster創業者のHugh Olliphant氏

会期:9月21日~23日(現地時間)
会場:Sheraton San Diego Hotel & Marina



●面倒なランチの予定を自動化するサービス

 Lunchsterがデモを行なったのは、同社の調査で「80%の人が面倒と感じている」というランチのアレンジを簡便化するWebサービスだ。

 利用者はまず一緒にランチをとりたい人のメールの登録。手動入力はもちろん、Linkedln、Gmail、Yahoo!などのコンタクトリストから選択することもできる。そして、招待状を作成すると、この先がLunchsterの本当の出番となる。

 誘った人に招待メールを発送。招待された人はその日がOKであるかどうかをクリックするだけで選択したり、場所のリクエストをGoogle MapやYelp(レストランなどの情報が登録されたWebサービス)から返送できる。招待される側はLunchsterのアカウントを取得する必要はない。

 このように、ランチの日時と場所の確定を簡便化するだけでなく、ランチを取る日程をOutlookやGoogle Calendarなどのスケジューラへ自動的に登録してくれる。また、Facebookとの連携機能も用意されており、こちらへのメモも自動化される。

 このほか、モバイル対応も進められており、CCにLunchsterのメールアドレスを登録することで作業を進めることができ、LunchsterのWebへ訪問することなくスケジュールを調整していくことも可能だ。

Webサービスで指定して発送された招待状にはランチの日程を調整したり、場所のリクエストを送るリンクが書かれている場所のリクエストはGoogle MapやYelpなどのWebサービスを活用WebにアクセスすることなくEmailだけで利用することもできる

●iPhoneでカレンダー共有

 カレンダー共有のWebサービスで過去にもDemoに出演したことがあるTungleは、このカレンダー共有サービスのiPhoneのデモを行なった。このサービスはGoogle CalendarやI canなどの複数のシステムにまたがって、複数の人のスケジュールを共有、統合できるサービスで、会議の日程調整などに役立つ。

 単にiPhone上でサービスを利用するだけでなく、iPhoneの特徴を活かした機能も実装されている。例えば、縦横を自動的に認識してカレンダーの向きを変更できるほか、iPhoneを数回振る(シェイク)することで、ミーティング参加者の空き時間を自動的に抽出する機能も追加された。また、連絡を取りたいユーザが空き時間であるかをチェックする機能もあるという。

 このTungleのiPhone対応版は、iPhoneアプリを無料で提供、Webサービスのアカウントを用いて利用することできる。

Tungle CEOのMarc Gingras氏さまざまなカレンダーシステムからスケジュールを共有するTungleをiPhoneで利用可能に縦横の表示切り替えが可能。空き時間にチェックを付けて色分けすることもできる

●携帯電話のあらゆる利用記録を記録

 Rseven Mobileのデモは、「Lifecache Service」と表現されるもので、人の生活に密着している携帯電話のあらゆる利用を記録するというWebサービスだ。

 携帯電話を利用した通話、発着信、SMSの送受信、撮影した静止画、動画などがすべてWebサービスで記録され、それを時系列表に表示することができる。通話はすべて録音されて後で聞き直すことも可能だ。

 記録されたあらゆる情報にはタグ情報を付加することができ、記録された情報の中から特定のタグが付加されたものを抽出したり、通話記録の分析機能も含まれているので、携帯電話の利用を記録することで、その人の生活を記録、整理することにつながるというWebサービスとなる。

 現在のところWindows Mobile、Symbian携帯に対応しており、将来の予定としてiPhoneやAndroid携帯への対応を挙げている。

Rseven Mobile CEOのHisyam Halim氏携帯電話を利用したあらゆる情報が記録され、時系列順に表示されている
通話も録音されて記録される。タグを付加して情報の整理につなげることも可能通話記録のアナライズやコンタクトリストの整理機能なども備える

●あらゆるIMを統合できるDigsbyのTwitter向け新機能

 dotSyntaxは、Live MessengerやFacebook、MySpace、Twitterなど、あらゆるメッセンジャーアカウントを統合して利用できる「Digsby」の最新機能のデモを行なった。日本でも人気が高まっているTwitterに向けた新機能で、専用のダイヤログ形式で開くTwitterクライアントが提供される。

 このクライアントでは、投稿はもちろんReplyやReTweetなどの一般的な機能のほか、特定ユーザのTweetのみを表示するグループ化機能やフィルタ機能、届いたメッセージのポップアップ機能、URL自動短縮機能などを備える。

 インターフェイスは、古い会話から新しい会話へとユーザが自然に受け入れて利用できるよう新しいフィードが一番下へ来るように配置されている。ここで発表された新バージョンはすでに提供されており無料で利用が可能。フィードバックを受けて、この数週は新しいTwitterクライアント機能にさまざまなアップデートが提供されるだろうとした。

dotSyntax CEOのSteve Shapiro氏さまざまなIMのコンタクトリストを統合的に管理し、利用できるDigsby
新しいTwitterクライアント機能を提供。タイムラインは古いものから新しいものへ表示されるグループ化では、特定ユーザーの発言のみを抽出表示するタブを作成できる

●ナビゲーションシステムにコミュニケーション機能を融合

 Wazeのデモは、携帯電話を利用したカーナビゲーションシステムである。到着までのボイスナビゲーション機能を備えるだけでなく、コミュニケーションの概念を盛り込んでいるのが特徴だ。Windows Mobile、Android、Symbian、iPhoneで利用が可能で、無料で利用できる。

 利用者は、GPSによる現在位置にいま走っている道路の状況を書き込むことができる。静止画のアップロードも可能だ。例えば、道路渋滞の状況、警察の張り込みなどの情報を書き込める。

 こうすることで、一般的なナビでは得ることができないリアルタイムの道路状況を知ることができるわけだ。もちろん、運転者がこうした行為を行なわないよう、登録時にはパッセンジャーが登録しているかを確認するダイヤログも表示される。

 こうした情報はWebブラウザで一覧的にチェックすることもできるので、情報のチェックには必ずしも携帯電話を必要とせず、出かける前にトラフィックの状況などをチェックしておくこともできる。なお、現在は米国のみでのサービス提供になっている。

Waze CEOのNoam Bardin氏ユーザ同士がトラフィックや警察の張り込み情報、天気情報などを書き込むことで、目的地までの道路状況をリアルタイムに知ることができる
道路状況を携帯電話のカメラで撮影して、共有することもできるWebブラウザを利用して、ユーザが登録した道路状況をチェックする機能も備える

(2009年 9月 25日)

[Reported by 多和田 新也]