【COMPUTEX 2009レポート】
Thermaltake、創立10周年記念のゲーマー向けPCケース「Level 10」を発表
~BMWデザインの、超弩級フルタワーケース

BMWデザインのゲーマー向けフルタワーケース「Level 10」

会期:6月2日~6日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
   Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
   Taipei International Convention Center



 Thermaltakeは、COMPUTEX TAIPEI 2009会場ブースで発表会を開催し、Thermaltake創立10周年を記念して企画された、BMW Group Designworks USAによるデザインのゲーマー向けPCケース「Level 10」を正式に発表した。

 Level 10の最大の特徴となるのが、BMW Group Designworks USAによる、PCケースとは思えないような奇抜なデザインだ。

 見た目は、1枚板のベースユニットに、4つのボックスを取り付けたような形状だ。そして、それぞれのボックスに、対応するパーツを収めて利用することになる。上段奥のボックスはATX電源ユニット、上端手前のボックスは5インチドライブ(ベイは3個)、下段手前が3.5インチドライブ(ベイは6個)、そして下段奥のボックスがマザーボードおよび拡張カードとなる。電源ケーブルや、ドライブとマザーボードを接続するケーブルは、右側面のベースユニット内を通すことになる。ちなみに、これらのボックスは交換できるようにはなっておらず、ベイ数を増やすなどのカスタマイズは行なえない。

 内部のメンテナンスは、3.5インチベイ以外のボックスは、中央から外に向かって観音開きのように開けて行なうことになる(3.5インチベイは、ベイを引き出してドライブを取り付ける)。マザーボード部は上部が大きく開くため、拡張カードの取り付けなどはかなり楽に行なえそうだ。ただ、電源ケーブルや、ドライブとマザーボードのケーブルの接続に関しては、やや面倒になると思われる。

側面を見ると、4つのブロックに分けられており、それぞれに電源、マザーボード、5インチドライブ、3.5インチドライブを個別に取り付けて利用する右側面は1枚板のようなベースユニットとなり、この部分の中に電源やSATAなどのケーブルを通す

 空冷ファンは、マザーボード部に、14cm(または12cm)のフロント吸気ファン、12cmのリア排気ファンが取り付けられており、冷却能力は申し分ない。また、3.5インチベイにも冷却用の6cmファンが取り付けられている。フロントには、eSATAが1個とUSBが3個、オーディオの各コネクタが用意される。そして、ベースユニット部の側面や空冷ファン、3.5インチドライブベイには赤色のLEDが取り付けられ、派手な光を放つ。

 サイズは、318×614×666.3mm(幅×奥行き×高さ)と、サーバー用フルタワーケースに匹敵する大きさがある。また、重量も25kgと非常に重く、置き場所の確保だけでもかなり苦労しそうだ。そして、気になる価格は、699ドルと、PCケースとしては非常に高価となっている。サイズ、重量、価格を考えると、気軽に手を出せる製品とは言いにくいが、とにかく見た目を重視したケースが欲しいという自作ユーザーにとっては、かなり注目すべき存在になりそうだ。発売時期は、2009年第3四半期を予定している。

正面。幅318mm×高さ666.3mm×奥行き614mmもあり、非常に巨大だ正面には、eSATA×1とUSB×4、オーディオの各コネクタが用意されている。5インチベイは3個だ3.5インチベイは6個用意されている
背面。上部が電源ユニット用のボックス、下部がマザーボード用のボックスとなる背面には12cmの排気ファンが取り付けられている拡張スロット部側面には吸気口があり、フロント側に14cm(または12cm)の吸気ファ
ンを備える
ボックスを開いた様子。マザーボード上が完全にオープンになるので、拡張カードやメモリの取り付けなどは楽に行なえそうだ右側面パネルを開けた状態。この部分に電源などのケーブルを通して利用する

 Thermaltakeブースでは、Level 10以外にも最新ケースや電源ユニットがいくつか展示されていたので、それらもまとめて紹介しよう。

Level 10と同じ、Thermaltake創立10周年モデルとなる、80PLUS SILVER認証対応の高性能電源ユニット「Toughpower Grand」。650W、750W、850Wの3モデルを用意。今年秋に発売される予定だ「Elementシリーズ」としてラインナップされるタワーケース。ファンコントローラおよびファンLEDの発色を切り替えられる機能を持つフルタワーモデル「Element V」(左端)、3.5インチベイ×7、SSD用の2.5インチベイ×1を持つ静音ミドルタワーケース「Element M」(右端)が最新モデルとなる
らせん状のフィンが特徴のCPUクーラー「SpinQ」の最新モデル「SpinQ VT」。フィンが垂直に取り付けられ、マザーボードへの干渉が少なくなっている容量95Wを誇る、ノートPC用の薄型ACアダプタ「Toughpower Slim 95W Adapter」。9種類の変換コネクタが付属し、多数のメーカーのノートPCに対応する

(2009年 6月 3日)

[Reported by 平澤 寿康]