イベントレポート
FDMから光造形、全身3Dスキャナ、アーク溶接金属など多数展示の武藤工業
2016年2月13日 06:00
3D Printing 2016の展示ブースの中で、もっとも広かったブースが武藤工業である。武藤工業は、個人向けの小型3Dプリンタから、業務用の大型3Dプリンタまで幅広い製品の開発・販売を行なっている3Dプリンタメーカーだ。
同社のブースには、さまざまな3Dプリンタや3Dプリント関連製品が展示されていたが、中でも注目を集めていたのが、コンパクトな光造形方式パーソナル3Dプリンタ「ML-48」である。ML-48は、2015年12月に発売されたばかりの製品であり、光源としてDLPを採用している。最大造形サイズは、48×27×80mm(幅×奥行き×高さ)とかなり小さいが、積層ピッチは最小0.025mmと小さく、XY分解能もX方向が0.08mm、Y方向が0.04mmと精細だ。価格は698,000円(税別)と、光造形方式の3Dプリンタとしてはかなり低価格だ。
FDM方式のパーソナル3Dプリンタ「MF-500」や「MF-1100」、デュアルヘッドの「NF-700D」や「MF-2200D」が展示されていた。
また、サポート材用の水溶性PVAフィラメントや軟性樹脂素材のSBフィラメント、ゴムライクフィラメント、メタルライクフィラメントといった、風変わりなフィラメントも展示されていた。メタルライクフィラメントは、金属粉を混ぜ込んだフィラメントであり、3Dプリンタでの出力後磨くことで、ブロンズ像のような仕上がりとなる。
さらに、新製品として全身撮影用3Dスキャナ「MS-2000N」のデモも行なわれていた。MS-2000Nは、4台のデジタル一眼レフカメラ「Nikon D5300」を縦に並べ、回転するターンテーブルに乗った人物を連続撮影することで、3Dスキャンを行なう製品である。3Dスキャンにかかる時間は約30秒と短く、3Dスキャンの精度も高い。
また、業務用3Dプリンタとしては自社開発のアーク溶接金属3Dプリンタ「MA5000-S1」やエンジニアリングプラスチック対応の3Dプリンタ「MR-5000」、3D Systemsのマルチジェット3Dプリンタ「ProJet MJP2500」などが展示されていた。MR-5000は、FDM方式のデュアルヘッド機で、2種類の樹脂を個別に出力できるため、両方の特性を持ち合わせた構造体を造形できることが特徴だ。例えば、ポリカーボネートとエラストマーを組み合わせると、ポリカーボネートの機械強度とエラストマーの柔軟性を併せ持った材料になる。対応している素材も多く、さまざまな複合材料を自由に作れることをアピールしていた。