イベントレポート
NEC PC、新フォームファクタの家庭向けPC「Frista」を参考展示
(2015/1/7 13:40)
NECパーソナルコンピュータ(NEC PC)は、別記事でも紹介しているように13.3型ノートPCとして世界最軽量の記録を更新した次期LaVie Zを展示して注目を集めているが、International CESでは、ノートPCでもなく液晶一体型PCでもない、新しい形状のPCも展示している。
「Frista」(フリスタ)という開発コードネームが付けられた同製品は、第5世代Coreプロセッサ、15.6型のIPS液晶ディスプレイを採用し、本体内部に格納できるワイヤレスキーボード、光学ドライブなどを備えており、クラムシェル型ノートPCの代替として家庭内で利用する用途を想定されている新形状のPCとなる。
接地面積を減らせる新しいデザイン
NEC PCが展示している「Frista」は、スペックとしては第5世代Coreプロセッサ、15.6型のIPS液晶ディスプレイ、本体内部に格納できるワイヤレスキーボード、そしてBDまたはDVDの光学ドライブと、それがクラムシェル型であれば普通の家庭向けノートPCといっていい仕様だ。
しかし、写真でも分かるように、構造としては、台座部分が本体部分になっており、液晶ディスプレイが上を向いて格納されるという、一見すると液晶一体型PCのような構造になっている。
NEC PCの関係者によれば、この製品はどちらかと言えば、日本で売れ筋になっている15型級のクラムシェル型ノートPCを置き換えるような製品になるという。というのも、現在日本で売れている15型級のクラムシェル型ノートPCは、実質的には机の上などで据え置きか、リビングの机の上にほぼ据え置きと同じような形で利用されているという例が多い。家庭向けPCではそうした使われ方が一般的なのに、クラムシェル型だとフットプリントが大きく、邪魔になってしまうということが多い。
そこで、この製品ではキーボードを本体の下に格納できるようにして、据え置き時のフットプリントをクラムシェル型ノートPCよりも小さくしていることが特徴になる。つまり、据え置きか、それに近い状態で使うならこの方がメリットがあるということになるだろう。
非常にユニークな製品であると言えるが、店頭のPC売り場に並べたときに、ノートPCでもなく、液晶一体型PCでもない製品をどのように売るかというあたりが課題になる。こうした製品を買うユーザー層は、PCには詳しくない。ノートPCであればある程度理解されているため説明は容易だが、Fristaのような新しい形状のPCの場合には未知の形としてユーザーに敬遠されてしまう可能性があるからだ。
このため、NEC PCとしても、こうした新しい製品が市場に合うのか慎重に見極めている段階とのことで、LaVie Zは記者が触れる形状で展示されていたのに対して、Fristaはパスワードロックされており、デバイスマネージャーを触ってスペックを確認するなどの作業が行なえなかった。
NEC PCによれば、製品化や時期なども現時点では未定で、逆に言えばこのCESでの展示による反響によって、製品化をするのかどうかなどを見極めようとしているのかもしれない。一般のユーザーにとっては、クラムシェル型ノートPCに比べて接地面積が小さくて済むというのは明らかなメリットだと考えられるので、可能であればぜひ製品化してみて欲しいものだ。