イベントレポート

MacBookのフラッシュストレージを換装して大容量高速化

会期:3月27日〜3月29日(現地時間)

会場:米国カリフォルニア州サンフランシスコ Moscone Center North

 展示会場の速報レポートでもお伝えしている通り、PCユーザーにもお馴染みのブランドであるTranscendがMacworld | iWorldにブース出展を行なった。主な展示製品はSSDとDRAM(メモリ)。SSDは主にゼロスピンドルのMacにフォーカスした換装モデルになっている。

JetDriveの同梱品であるSSDのケース。取り出したSSDを内蔵することで、USB 3.0接続の外付けストレージとして再利用できる。長辺のより長い方がMacBook Air用

 「JetDrive」シリーズは、2010年以降に発売されたMacBook AirおよびMacBook Pro Retinaディスプレイモデルに対応する。ただし、現行のHaswellを搭載するMacBook AirとMacBook Pro Retinaディスプレイモデル向けの製品はまだ用意されていない。これはHaswell世代の製品から、プロセッサとフラッシュストレージ(SSD)との接続がPCI Expressベースに移行しているため。コネクタの形状だけでなく、通信プロトコル自体が従来のSATAから変更されている。Haswell世代Macの高速さの理由の1つがこれだ。

 というわけで、現時点ではHaswell世代より前のMac製品に対してのアップグレードソリューションということになる。パッケージはスティック状のSSDとUSB 3.0対応の換装用ボックスで構成される。ユーザーはMacの裏蓋を開け、既存のSSDを取り出してJetDriveへと換装する。一般的にはこれで大容量化および高速化が図られる。取り出した元のSSDは、換装用ボックスに入れることで、USB 3.0で接続する外付けのストレージとして再利用する仕組みだ。Mac向けの周辺機器メーカーとしては老舗のOWC(Other World Computing)などが同様のソリューションを販売しているが、同社は今回ついにMacworld | iWorldへの出展を見送っている。

 スティック状のJetDriveは3モデルで、JetDrive500、JetDrive520、JetDrive720がある。500番台はMacBook Airに対応し、700番台はMacBook Pro Retinaディスプレイモデルに対応。Airは世代によって対応モデルが異なり、Late2010とMid2011がJetDrive500、Mid2012がJetDrive520に対応する。RetinaはIvy Bridge世代でJetDive720が共通。

 容量はAir向けが240GBと480GB、Retina向けが240GBと480GBそして960GBが用意される。それぞれの価格等は米Amazonなどを参照して欲しいということだが、現時点では販売情報がまだ登録されていないようだ。ちなみに競合となるOWCの場合は、Retina向けの480GBで429ドル。OWCにはまだ960GBのラインナップがない。

 また、2.5インチのHDDを内蔵する上記製品以外のMacBookやMac mini向けに、ドライブ形状の「JetDrive420」も用意される。こちらも240GB、480GB、960GBの容量があり、やはりUSB 3.0対応のケースが同梱される。

 Transcendによると、13インチRetinaの場合でオリジナルのリード、ライトがそれぞれ450MB/sec、320MB/secのところ、JetDrive720に換装することで516MB/sec、400MB/secに向上するとのこと。11インチAir(Mid2012)では同様に、403MB/sec、140.3MB/secが520MB/sec、276MB/secになるとしている。

 DRAM製品としては、2013年末から出荷されているMac Proに対応するRegistered DDR3-1866 DIMMと、Registered DDR3-1600 DIMMを展示。前者は一枚あたり16GBで最大64GB、後者は1枚当たり32GBで最大128GBのメモリをMac Proに実装可能。

内蔵SSD/HDDの換装用ソリューション。現行世代のMacを除いて、おおむね2006年以降に発売されたMac製品のアップグレードに対応する
フラッシュストレージ(SSD)を搭載するMacBook Air、MacBook Pro Retinaディスプレイモデル向けの製品
Ivy Bridge世代のRetinaでのBlackmagic Disk Speed Testのデモ。換装して内蔵されているJetDrive720のリードが522MB/sec、ライトが274MB/secほど
Mac Pro向けのRegistered DIMMも展示された

 iCoreGearが展示していたiMacの台座を兼ねるUSB 3.0対応Hub「CableCore Hub」。USB 3.0×3ポートに加えて、2A対応の充電専用USBポートおよびSDXCカードスロットを備える。iMacからはUSB 3.0の1つを使って接続するが、形状としてはiMac側、Hub側ともにAタイプコネクタという珍しい形状。

「CableCore Hub」。セルフパワー型のUSB 3.0 Hub。iMacでの利用を前提に、スタンドの形状に合わせてあるのが特徴。ディスプレイ背面にあるUSBポートよりは、抜き挿しがしやすい位置にポートを拡張する

 こちらも、iMacのUSBポートがディスプレイ背面にあることから抜き差ししやすい位置にポートを持ってくるという製品。速報レポートではLightningのドックタイプの製品を紹介したが、こちらはUSBポート。同様にフレキシブルタイプの薄いケーブルをiMacのスタンド下に這わせることで、スッキリしたデザインにしている。

「iMacompanion」。Kickstarterからの製品。USB 2.0に対応で29ドル

 超低価格というデュアル&トリプルディスプレイ「Dragon Dual Display」と「Dragon Triple Display」。想定市場価格はなんと、前者が190ドルで後者は280ドル。ディスプレイ解像度は1枚当たり1,920×1,200ドット。

 2014年後半に出荷予定とのことだが、パネルはボール紙でアルミホイルで囲ってある上、バックヤードには部品がむき出しで置いてある状況で、パネルサイズは17型相当と小さいが、容積としてはコンパクトとは言いかねるのが現状。展示ブースもIDGが用意した看板以外は手書きというやっつけた感が満載である。

とりあえず今後を見守りたいマルチディスプレイのソリューション。果たして製品化することはできるか?

 2013年のレポートでも紹介した「BearExtender」の新製品。「BearExtender Turbo」はUSB接続することでIEEE 802.11acに非対応の旧Mac製品を11ac対応とする。アンテナは2本で理論上の最大通信速度は867Mbpsだが、インターフェイスにUSBを使っていることでそこまでの速度はでない。米Amazonでは69.97ドルで購入できる。一方「BearExtender Edge」はAirMacやTimeCapsuleの範囲を拡げる中継器で、コンセントにそのまま挿せるのが特徴。こちらは2014年夏の出荷を予定している。

「BearExtender Turbo」と「BearExtender Edge」。Old MacのMacintosh SEは、2013年も展示されていた改造品。中にはおそらくMac miniのマザーボートと液晶パネルが入っている
Mac App Storeで配布されているOS X向けのMusic Player「VOX」。USB DACを利用することでハイレゾ音源の再生を可能にする。iTunesでは再生できないFLACやCUEなどにも対応。DSDへの対応も検討するとのこと。今秋にはiOS向けのアプリも提供されるという。最終日にはラッキードロー(抽選会)でヘッドフォンのプレゼントもあった
OS X向けのファイル管理ソフト「HIDER 2」。フォルダ単位、ファイル単位で不可視にする。パスワード保護と暗号化にも対応。インターフェイスと機能を改善したVer.2が現在開発の最終段階となっており、そのため現行の「HIDER」はMac App Storeで無償配布されている
VPNソフトの「CLOAK 2」。カフェなどのセキュリティの甘い無料Wi-Fiを利用するときに、VPNを利用してセキュアな接続を確立する。ネットワークの安全性も同時に診断される。OS X向けとiOS向けに同一のライセンスで提供。月額サブスクリプションモデルのほか、1週間といった短期間の契約も可能で、今回の取材のようにホテルWi-Fiや公衆Wi-Fiを利用する機会の多い短期旅行にも向いている

(矢作 晃)