イベントレポート

ASUS、Intel Iris Graphics 5100搭載の「ZENBOOK UX301」を発表

~外装にGorilla Glass3を採用してキズ防止機能を強化

9月4日(現地時間) 開催

会場:ドイツ ベルリン Hotel de Rome

最上位モデルには、Intel製の第4世代Coreプロセッサ「Core i7-4558U」を搭載。グラフィックス機能はIntel Iris Graphics 5100

 台湾ASUSはIFA 2013の開幕に先立って、9月4日(現地時間)にベルリン市内のホテルでプレスカンファレンスを開催し、2013年中にリリースされる新製品を披露した。6月に台湾で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2013で公開済みの製品に加えて、同社のUltabookブランドであるZENBOOKシリーズに、Intel Iris Graphicsを搭載する第4世代Coreプロセッサを採用した新モデル「ZENBOOK UX301」などを市場へ投入する。

 COMPUTEX TAIPEI 2013(以下COMPUTEX 2013)でもチラ見せされたUX301は、従来のZENBOOKとは外装が大きく変化している。液晶パネル背面部分にはCorning製のGorilla Glass 3を採用。これまでのZENBOOKのメタリックなデザインを基本的には踏襲しながら、その上にガラスのレイヤーをかけたデザインになっている。Gorilla Glass3はGorilla Glass2に比べて、より薄くより強いキズ防止性能を持つ。プレゼンテーションでは鍵を使って実際に背面をこすって見せるデモンストレーションも行なわれた。

 搭載されるIPS液晶パネルは13.3型/1,920×1,080ドット(フルHD)のIPSパネルに加え、13.3型/2,560×1,440ドット(WQHD)のモデルも用意される。パネルは10点マルチタッチに対応し、Windows 8の全てのジェスチャー操作を利用できる。

 CPUは最上位モデルにIntelの第4世代Coreプロセッサ「Core i7-4558U」を搭載。TDP 28Wの低電圧モデルで2コア4スレッド。クロックは2.8GHzで、ターボブースト動作時は3.3GHz。CPU内蔵のグラフィックス機能はIntel Iris Graphics 5100。廉価版とみられるUX302は、Intel HD Graphics 4400にNVIDIAのGeForce GT 730Mを併せて搭載し、OptimusテクノロジーによるGPU切り替えが行なえるモデルが用意される。また上位のコンフィグレーションには、RAID 0による512GBのSSDモデルも存在する。無線LAN機能は2.4GHz/5GHzデュアルバンドのIEEE 802.11ac Draftを採用。

 発売時期や価格、コンフィグレーションは販売地域ごとに異なり、今後改めて発表される見通し。会場には展示されていなかったが、同一デザインで13.3型の1,920×1,080ドットのフルHDパネルを採用する「UX302」が廉価版としてラインナップされる。本体カラーは、ムーンストーンホワイトとサファイアブルー。

主要なスペックは下記のとおり

UX301
プロセッサCore i5-4200U/i7-4500U/i7-4558U
液晶解像度2,560×1,440ドット(WQHD)/1,920×1,080ドット(フルHD) IPS
グラフィックスIntel HD Graphics 4400/Intel Iris Graphics 5100
搭載メモリ4/8GB DDR3L(1600MHz)
ストレージSATA SSD(最大512GB/RAID 0)
無線機能IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.0
インターフェイスMini DisplayPort、USB 3.0×2、Micro HDMI 1.4、音声入出力、SDカードスロット
サイズ/重量325×226×15.5mm(幅×奥行き×高さ)/1.38kg
UX302
プロセッサCore i5-4200U/i7-4500U
液晶解像度1,920×1,080ドット(フルHD) IPS
グラフィックスIntel HD Graphics 4400、NVIDIA GeForce GT 730M(2GB)
搭載メモリ2/4GB DDR3L(1600MHz)
ストレージHDD 最大750GB、SSD 16GB(キャッシュ)
無線機能IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.0
インターフェイスMini DisplayPort、USB 3.0×3、HDMI 1.3、音声入出力、SDカードスロット
サイズ/重量325×226×17.2mm(同)/1.5kg
パネル背面を手持ちの鍵でこすりつけても、キズがつかないというデモンストレーション。CorningのGorilla Glass3を採用している
Crystal Glass Designと紹介。従来のZENBOOKのメタリックなデザインの上に、ガラスのレイヤーが載っている
上位モデルには、高解像度な13.3型の2,560×1,440ドットのWQHD解像度パネルも用意される
左側面のインターフェイスは、USB 3.0とHDMI 1.4とヘッドフォン/マイク端子
右側面のインターフェイスは、USB 3.0とMini DisplaypPort、SDカードスロット
底面の様子。滑り止めのゴム足で浮かせた底面に、排気用のスリットがある
ZENBOOK UX301のムーンストーンホワイト
ZENBOOK UX301のサファイアブルー
COMPUTEX 2013で公開された「Transformer Book Trio」を改めて紹介

 そのほか、COMPUTEX 2013で発表された、キーボード側に第4世代Coreプロセッサを、液晶側にAtomプロセッサを搭載した分離型のハイブリッドPC「Transformer Book Trio」やAndroidタブレットの「New Transformer Pad」などが改めて公開された。

 New Transformer Padは、COMPUTEX 2013では「Transformer Pad Infinity」として紹介されていたモデル。NVIDIA製のTegra 4と2,560×1,600ドット(WQXGA)ディスプレイを搭載するキーボード分離が可能なAndroid 4.2タブレットだ。「Transformer Pad Infinity」の後継モデルにあたるTF701の型番となる。Transformer Book Trioは、COMPUTEXでのレポートが詳しい。いずれも、IFAを舞台にして欧州向けに改めて正式公開した形になっている。

「New Transformer Pad」。Tegra 4を搭載する分離型のAndroidタブレット
2,560×1,600ドット(WQXGA)ディスプレイを搭載する。Miracastにも対応する

 Transformer Book T300はCore i3-4010U/i5-4200U/i7-4500Uを搭載するWinodws 8の分離型タブレット。キーボードはマグネットによる脱着式。主要なスペックは下記のとおり

Windows 8/8Proを搭載するコンバーチブルタイプの「Transformer Book T300」
Transformer Book T300のキーボードはマグネットによる脱着式
「Transformer Book T300」
Transformer Book T300
プロセッサCore i3-4010U/i5-4200U/i7-4500
液晶パネル13.3型/1,920×1,080ドット IPS
グラフィックスIntel Graphic HD 4000
搭載メモリ最大8GB DDR3
ストレージ64/128/256GB NGFF SSD
無線機能IEEE 802.11n、Bluetooth 4.0(オプション)
インターフェイスUSB 3.0、Micro HDMI 1.4、microSDカードスロット、音声入出力
サイズ/重量タブレット:342×216×11.5mm(同)/1.1kg、ドックキーボード:340×216×11mm(同)/800g

 さらにニュースリリースで廉価版ノートの「X102BA」が公開されている。AMD製のAPU、A4-1200、10.1型の1,366×768ドットの液晶パネルを搭載する。カラーはホワイト、ブラック、ホットピンク、オーシャンブルーの四色構成。

X102BA

 2月にスペイン・バルセロナで開催されたMobile World Congressで発表された7型の「PhonePad」は、デザインなどが早くもリニューアルされる。PhonePadはIAベースのAndroidタブレットで、データ通信に加えて通話機能も持つのが特徴。カラーはサファイアブラックとダイアモンドホワイト。主要なスペックは下記のとおり。

Next-Generation Fonepad 7 (ME372CG)
プロセッサAtom Z2560(デュアルコア、1.6GHz)
液晶パネル7型/1,280×800ドット
メモリ/ストレージメモリ1GB、ストレージ8/16/32GB
モデム通信機能UMTS:850/900/1,700/1,900/2,100MHz
GSM/EDGE:850/900/1,800/1,900MHz
HSPA+ 下り42Mbps/上り5.76Mbps
無線機能IEEE 802.11n、Bluetooth 3.0
インターフェイスMicro USB、音声入出力、Micro SIMカードスロット
サイズ/重量120×196.8×10.5mm(同)/340g
Next-Generation Fonepad 7 (ME372CG)
Next-Generation Fonepad 7の背面。金属パネルから樹脂製パネルに変わった
右側面。音量調節ボタンの下は、剥き出しのmicroSDカードスロット。カード自体でふさぐ形だ
左側面。SIMカードスロットはこちら側に用意される
Fonepad なので、もちろん通話機能が付いている
2月に発表されたFonepadから、デザインがリニューアルされている

 COMPUTEX 2013では「Fonepad Note FHD 6」として紹介された、通話機能搭載の6型タブレットは、「Fonepad Note 6」としてリリースされている。以前はAtom Z2560(1.6GHz)/2GBメモリと紹介されていたが、Atom Z2580(2.0GHz)/2GBと、より強化された仕様になっている。カラーはブラックとホワイトの2色。主要なスペックは下記のとおり。

Fonepad Note 6 with 6-inch Full HD Display
プロセッサAtom Z2580(デュアルコア、2.0GHz)
液晶パネル6型/1,920×1,080ドット(フルHD、367ppi)
メモリ/ストレージメモリ2GB、ストレージ16/32GB
モデム通信機能UMTS:850/900/1,900/2,100MHz
GSM/EDGE:850/900/1,900/2,100MHz
HSPA+ 下り42Mbps/上り5.76Mbps
無線機能IEEE 802.11a/b/g/n(Wi-Fi Direct対応)、Bluetooth 3.0
インターフェイスMicro USB、音声入出力、Micro SIMカードスロット
サイズ/重量164.8×88.8×10.3mm(同)/210g
「Fonepad Note 6」。COMPUTEX 2013での発表時よりプロセッサのグレードが上がっている
Fonepad Note 6のSIMカードスロットとmicroSDカードスロット部分
背面の様子。Intelロゴと、ペンの収納部分が見える
右側面には電源ボタンと音量調整ボタンがある
左側面は、カバーにおおわれたSIMカードスロットとmicroSDカードスロット。
付属のスタイラス。専用アプリケーションも搭載されている。
「MeMO Pad 10」。カラーは、ホワイト、グレー、ピンクの3色
「MeMO Pad 8」。こちらもカラーはホワイト、グレー、ピンクの3色
左側面にあるmicroSDカードスロット。Fonepadと同様に、カード自体でスロットをふさぐ形
右側面には電源ボタンと音量調整ボタンがある
MeMO Pad 8の上面。ヘッドフォンジャックがある。
2010年以来、めまぐるしく変わるタブレットのスクリーンサイズの市場比率
ASUSによるこれまでのタブレットヒストリー
ASUSのタブレットカテゴリー。キーボード分離型のTransformer Pad、3G通信・通話機能を持つ、PhonePad、そしてピュアタブレットのMeMO Pad

 いずれの製品もヨーロッパ市場向けのリリースで、日本国内における価格や販売時期などは改めて発表される見通しだ。

(矢作 晃)