イベントレポート

【詳報】ASUS、第4世代Core/Atomを両方搭載した脱着型ハイブリッドPC

〜Atom搭載のFonepad Note FHD6、WQHD液晶搭載Transformer Pad Infinityなど

Transformer Book Trioは2つのx86プロセッサが入ったユニークなハイブリッドPC
会期:6月4日〜8日(現地時間)

会場:

Taipei World Trade Center NANGANG Exhibition Hall

Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1

Taipei World Trade Center Exhibition Hall 3

Taipei International Convention Cente

 台湾ASUSはCOMPUTEX TAIPEIの開幕に先立って、6月3日(現地時間)に記者会見を開催し、2013年の後半にリリースを予定している新製品を発表した。その中でASUSは、キーボード側に第4世代Coreプロセッサを、液晶側にAtomプロセッサを搭載した分離型のハイブリッドPC「Transformer Book Trio」を発表した。

 液晶部分を取り外した時には、Androidタブレットとして動作し、キーボードドックにドッキングした時にはWindows PCとして動作するほか、キーボードドック単体でも外付けディスプレイを接続することでデスクトップPCとして利用できるのが特徴だ。

 このほか、Atom Z2560(Clover Trail+)を搭載した通話機能付きタブレットの「Fonepad Note FHD6」、Tegra 4とWQXGA(2,560×1,600ドット)液晶を搭載した「Transformer Pad Infinity」など、多数の製品が発表された。

2つのCPUが入ったTransformer Book Trio、AndroidとWindowsの両方が使える

 ASUS CEOのジョニー・シー氏はこれまでASUSがリリースしてきた過去の製品を振り返り「2010年にEeePad Transformerをリリースし、脱着型のタブレットとして1つの形を作った。その後もPadFone、TAICHIなど革新的な製品をリリースしてきたが、これからも我々はタブレットの形を変えていかなければならない。そのために、我々は常識を捨て去って、新しい考え方をしないといけない」と、タブレットの革新にはまだまだ終わりが無く、これからも変わっていく余地があるとした。その上で、「これまでのタブレットはコンテンツを消費するだけの製品だった。だが、これからは仕事、余暇、そしてSNSなどすべてのシーンで使えるようなタブレットを新しい技術を利用して作っていく必要がある」として、2013年後半に順次投入していくことになるタブレット製品を次々と紹介していった。

 最も重点を置いて紹介されたのが「Transformer Book Trio」だ。Transformer Book Trioは、液晶部分が分離して、スレート型のタブレットとしても使える脱着型ハイブリッドPCと呼ばれるカテゴリの製品になる。一般的な脱着型のハイブリッドPCは、x86プロセッサ、メモリ、ストレージ、タッチ液晶などがすべて液晶部分に入っており、外すとWindowsタブレットとして使え、キーボードドック側はキーボードとバッテリが入っているという形になっている。

 ところが、Transformer Book TrioはCPUとなる第4世代Coreプロセッサ(Core i7-U4700)、メモリ、HDD(750GB)といったPCシステムのコンポーネントは、キーボード側に入っている。11.6型1,920×1,080ドット(フルHD)のIPS液晶側には、Atom Z2580(2GHz)、メモリ、ストレージ(64GB)などが入っており、Android(Jelly Bean)ベースのタブレットになっている。この液晶部分をキーボード側にドッキングし、キーボード側に用意されているスイッチを押すとWindowsに表示が切り替わる。つまり、液晶部分は単体でAndroidタブレットとして動作し、ドッキング時にはWindows PCのディスプレイとして動作するのだ。

 このため、キーボード側に用意されているDisplayPort/HDMIに外付けのディスプレイを接続すると、デスクトップPCとして利用できる。このように、クラムシェル型のノートPC(Windows/Android)、Androidタブレット、デスクトップPCと1台で3つの形で利用できるので、Trioというブランド名が付けられている。なお、キーボード側に33Wh、液晶側に19.5Whの容量のバッテリが内蔵されており、「両方をAndroidで利用した場合には15時間のバッテリ駆動が可能になる」(シー氏)と、より消費電力が少ないAndroid側で利用すると、長時間のバッテリ駆動が可能になる。タブレットサイズは304.9×193.7×9.7mm(幅×奥行き×高さ)で、キーボード側は304.9×193.7×13.4mm(同)。重量は非公表。

Transformer Book Trioのキーボード部分
Transformer Book Trioのドッキング部分のアップ
キーボード側の右側面。HDMI、DisplayPort(いずれもMini端子)、USB3.0ポート、ACアダプタ端子が用意されている
ドッキングアウトするときには、このように中央のボタンを押して外す。外すと自動的にAndroidに切り替わる
F12の横に用意されているWindowsとDroidマークのキーでOSを切り換える事ができる
合体するときの様子
キーボード側の左側面、USB 3.0ポートが用意されている
【動画】Transformer Book Trioが切り替わる様子

Atom Z2560を搭載した電話機能搭載6型タブレットのFonepad Note FHD 6

 ASUSは2月にスペインで行なわれたMobile World Congressにおいて、「Fonepad」という7型のHD液晶を搭載した電話機能付きタブレットを発表しており、すでに日本でも販売が開始されている。今回発表された「Fonepad Note FHD 6」は、それに次ぐ第2弾となっており、やはり通話機能が搭載された6型液晶搭載のタブレットとなる。従来製品と大きな違いは、液晶のサイズだけでなく、解像度がHDからFHD(フルHD)へと強化された点と、デジタイザーペンの機能が追加され、手書き入力がしやすくなった点だ。

 また、従来Atom Z2420(1.2GHz)/1GBメモリだったスペックに対して、Atom Z2560(1.6GHz)/2GBメモリへと強化されている。Atom Z2560は、開発コードネームClover Trail+で知られる製品で、CPUがデュアルコア、GPUがPowerVR SGX544MPとなり、双方とも2倍以上の性能向上を実現している。このため、初代Fonepadに比べて性能が大幅に向上していると見ていいだろう。

 また、搭載されている3Gモデムもアップグレードされ、DC-HSPA+(下り42Mbps)に対応となった。もちろん本体だけで通話が可能な点は従来通り。カメラは背面が800万画素、前面が120万画素となる。OSはAndroid 4.2で、バッテリは3,200mAh。センサー類はGPS/Gセンサー/デジタルコンパス/環境光センサー/モーションセンサーなど。

 発表会では、Intelのトム・キルロイ上級副社長兼セールス・マーケティング事業本部 本部長が壇上に呼ばれ、新製品のリリースを祝うセレモニーが行なわれた。ここ最近、ASUSはAtom搭載製品を多数リリースしており、今回もFonepad Note FHD 6とTransformer Book TrioにAtomが搭載されており、Intelにとってはスマートフォン/タブレット向けAtomビジネスの成功例としてアピールできる機会となった。

Fonepad Note FHD 6
このように、電話に利用することも可能
裏側、左下にペンを収納することが可能になっている
発表会にはIntel 上級副社長兼セールス・マーケティング事業本部 本部長のトム・キルロイ氏が呼ばれ、Intelプロセッサを搭載した製品の発表を祝うセレモニーが行なわれた

Tegra 4 1.9GHzとWQXGA液晶を搭載したTransformer Pad Infinity

 「Transformer Pad Infinity」は、NVIDIAが2月のMWCで発表した新世代のSoCとなるTegra 4を搭載したAndroid4.2搭載タブレットだ。Tegra 4はCortex-A15のクアッドコアとNVIDIAの72コアの新GPUを内蔵したSoCで、前世代のTegra 3と比較してCPUもGPUも強化されている。なお、メモリは2GBで、ストレージは32GBのeMMC。カメラは背面が500万画素、前面が120画素となる。無線はIEEE 802.11a/b/g/nとBluetooth 3.0で、MiracastによるHDMI出力にも対応する。3GやLTEなどの通信機能は内蔵していない。

 Transformer Pad Infinityの特徴は、WQXGA(2,560×1,600ドット)という非常に解像度が高い液晶を搭載していることだ。最近ではAndroidタブレットでも高解像度の製品が増えてきており、本製品もそうしたカテゴリの仲間入りということになる。TF101/201/301といった、以前のEeePad Transformerシリーズと同じように、キーボードドックとドッキングするとクラムシェルのノートPCのように使えるという仕組みも同等で、ドッキング時には合計で8,180mAhという大容量のバッテリを利用できる。

 「MeMO Pad HD 7」は、7型のHD(1,280×800ドット)対応IPS液晶を搭載したタブレット。SoCにはMediaTekのMT8125(クアッドコアCortex-A9、PowerVR SGX 544)を採用しており、メモリは1GB。ストレージは16GBないしは8GBのSKUが用意されている。

 カメラは背面が500万画素、前面が120万画素で、無線はIEEE 802.11b/g/nとBluetooth 4.0で、3GやLTEなどには未対応。バッテリは15Whで10時間駆動が可能だ。ASUSのシー氏は「MeMO Pad HD 7は16GBが149ドル、8GBは成長市場向けで129ドルになる」と述べ、低価格市場向けの製品であるとアピールした。

 なお、いずれの製品も発表会の時点では、正式な発売日、価格(MeMO Pad HD 7は除く)は未定で発表されなかった。また、日本での発表も現時点では未定とのことで、ASUSの日本法人の発表を待つ必要があるだろう。

Transformer Pad Infinity、WQXGA液晶を搭載したAndroidタブレット
Transformer Pad Infinityのタブレット部分
右側面にはUSBポートとSDカードスロットが用意されている
左側面には専用のACアダプタ端子が用意されている
ASUSの低価格向け7型タブレットとなるMeMO Pad HD 7。16GBが149ドル、8GBが129ドルに設定されている
下側の銀色のPCが新型デスクトップPCのVivo PC。女性が持っているのが新しいポインティングデバイスのVivoMouse
Vivo PCはCPUはIntelのプロセッサ(詳細は未公表)で、DDR3メモリ、SonicMasterスピーカーが内蔵されているなど、コンパクトなデスクトップPCとなっている。
VivoMouseはパッド部分をスライドしたり、2本指でスワイプしたりしながら操作するWindows 8用のタッチデバイス

(笠原 一輝)