【IFA 2012レポート】
iZONEで公開されたMac向け、iPhone向け機器の数々
〜未発表のiPhone 5/iPad mini対応を称するアクセサリも登場

会期:8月31日〜9月5日
会場:Messe Berlin



 2011年に続いて、今年もMesse Berlinの一角には「iZONE」と名付けられたMacやiOSデバイスのApple向け周辺機器を中心に展示するエリアが設けられた。Apple自体は出展を行なっていないものの、周辺機器・アクセサリを扱うメーカーが企画展示を行なう仕組みはInternational CESのiLoungeと同じ構図である。大手メーカーは独自に大型のブースを構えるので、必ずしもiZONEだけがMacやiOS関連の展示を行なっているというわけではない。例えばLogitech(日本市場ではロジクール)などは別ホールにブースをもっていて、そこでiPad向けのBluetoothキーボードやスピーカーなどを展示している。

展示されるスマートフォンケースのトレンド。圧倒的な端末出荷数を背景にしてiPhone 4/4S向け(左)は継続して新しいケースが続々と発表されている。またSamsungのGalaxy S III対応ケース(右)もAndroid端末では突出して出展企業とバリエーションが多い。そして中央にある「iPhone 5」対応とされる縦長のものが目立ちはじめた。

 iZONEの展示傾向は2011年と大きく変わることはなかった。iPhone/iPad向けのアクセサリはケース、ポータブルバッテリを中心にしてヘッドフォンやスピーカーなどの音響機器が加わる。昨年(2011年)もIFAを訪れていることと、年初にラスベガスで開催されたInternational CESでの展示を見ているだけに、個人的には展示内容の差分が小さくなっており、残念ながら目を見張るような製品は相対的に少なくなった。おそらく9月中旬から10月にかけて、Appleによる大きな製品発表が予測されていることから、関連の展示自体はおとなしめにならざるを得ないという背景事情もあるだろう。

 実際、このiZONEでの出展を含めてAppleの次期iPhoneを示すのであろう「iPhone 5」対応を称するケースやアクセサリはIFA会場内でも散見された。インターネット上には真贋がつかない情報も溢れているだけに、読者の方々も何度か目にしたことがあるだろう。よく「信頼できる情報筋から」、「事情を知る関係者から」という前置きが使われてもっともらしく紹介されていたりするが、筆者が考えるところの信頼できる情報というものは、Appleの広報部門から発せられるアナウンスだけであり、それ以外はいかなるメディアが発しようとも、眉に唾をつけてから見聞きするべきものだ。よって以下に掲載する写真もあくまで出展者がそのように呼称して展示しているだけで、製品の真贋は問わずに掲載しているので、そのつもりで読んでいただきたい。

Bluetooth対応のキーボード付きiPad/iPhoneケースを扱う企業によるBluetoothキーボードの出展。For New iPhoneに加えて、上部に「5」と書いてある こちらは同じ企業による「iPad mini」対応を称するBluetoothキーボード。対角がおおよそ7型のタブレットが横向きにおさまるようになっている こちらは対象製品名が明らかにされていないが、現行のiPhone 4Sよりも明らかに縦長のデザインになっているケース。スワロフスキーエレメンツを使った装飾系ケース
このブースは突き当たりの壁一面に「iPhone 5」カバーとされるものを展示している。左右は現行のiPhone 4/4Sに対応した自社ブランドとライセンスブランドの製品 7型のシリコンジャケット。向かって左側は、ヨーロッパで順次発売が始まっているGoogleタブレットの「Nexus 7」用。右側は「iPad mini」用だとして展示されている 出展者がiPad mini対応と称するシリコンジャケット。リアカメラと思われるレンズ位置やボリューム類など従来のiPad自体から想像される以上に、切り欠きやスリットが目立つ。それぞれが何の目的で空いてる穴かはわからないとのこと

 これらの展示を見て、あくまで個人的な勘で言わせてもらえば「何か違う」という雰囲気を感じる。個々に詳しく言及はしないが、これらの形状にはいくつかの合理性が欠けている。2011年もこの時期にiPhone 5なる噂がかけめぐったが、結果として登場したのはiPhone 4Sで、本体形状は前モデルにあたるiPhone 4を踏襲したスタイルだった。背面がカーブしている予測デザインに覚えがある人もいるかも知れないが、昨年その形状を「iPhone 5」と称して展示していた同じ企業がMacworld|iWorld ASIAやIFAの展示エリアで再び自称「iPhone 5」の縦長ケースを展示している。昨年フェイクに踊らされた企業や人々が、今年は踊らされていないとは断言できない。むしろ実績からみれば再びフェイクに騙される可能性のほうが高いくらいである。昨年はそうして先走って製造された偽ケースのほとんどが廃棄へ至ったと聞く。決して地球に優しいとは言えないこうした行為はそろそろ辞めにすべきだろう。

 iOS対応周辺機器のトレンドは、Bluetooth対応のポータブルスピーカーと、ヘルスケア製品。前者はJawboneの「JAMBOX」が大ヒットしたことを背景に、Logitech(日本ではロジクール)傘下のUltimate Ears、あるいはJabraなどから相次いで新製品が発表された。いずれもJAMBOXと同様にBluetoothによるワイヤレススピーカーであるとともに、スマートフォン利用時にはスピーカーフォンとして機能することがセールスポイントだ。同種の製品は、SCOSCHEなどからも発売されており、このジャンルはちょっとしたブームになっている。

Jabraの「SOLEMATE」。文字どおり、底面のグリップ部分が靴底のデザインになっていてメーカーによればラバー素材のため共振を防ぐ効果もあるとのこと。ステレオミニプラグもこのソール部分に収納できる。米国では199.99ドル。ヨーロッパ、アジア市場も追って展開するという
Logitech傘下のUltimate Earsによる「UE MOBILE BOOMBOX」。連続10時間再生に対応するバッテリを内蔵。ヨーロッパでは9月中に99ユーロで発売を予定している こちらは大型の「UE BOOMBOX」。価格は249ユーロで9月出荷を見込む。バッテリ駆動は最大で6時間。Bluetoothで8つのペアリングとサウンド設定を個別に行なえるという 真鍮製のホーンを使用したiPhone用スピーカー「Trumstand」。台湾のIDWが製造し、日本ではプレアデスシステムデザインが取り扱っている。従来のDock接続型に加えてBluetooth接続型の製品(右)を展示
iFrogsをはじめ数社が展示していたスマートフォン用の音量増幅器。Bluetoothや有線などの接続が一切不要というのが売り。「NearFA」と呼ばれる技術で増幅する。スマートフォンを台へと置くだけだが、最大音量を得るには置く位置の微調整が必要だ。音質には一切期待できないが、おやっ?!と思わせるところが狙い
XtremeMacのiPad対応スピーカー「Soma Frame」。4つのフルレンジスピーカーとスタンド側に内蔵されるサブウーファーの2.1chシステム。四隅にスピーカーを内蔵していることとジャイロセンサーの採用で、iPadの縦表示、横表示にあわせてステレオ再生のための左右スピーカー設定が適切に変わる仕組み。フレーム側の取り外しが可能で、6時間の連続再生に対応する。米国における販売価格は249.99ドル

 昨年、ドラえもんのポケットのようなタブレット入れ付きガウンを展示していたLavatelliは、新たにスピーカー内蔵の枕とスマートフォン入れのついた「Smartowel」を発売。前者は枕の中にスピーカーを入れて、音量・音質を調整することで快眠が得られるとのこと。睡眠時の音楽は効果的だがヘッドフォンを使ったり周囲のスピーカを利用するよりも、枕に大音量にならないフラットスピーカーをいれるほうがいいと薦めている。一方のタオルだが、これはポケットがついたファブリック製品。首繰りなどに工夫があり、男性はトーガ風、女性はワンピース風の着こなしをすると胸の内側にスマートフォンを入れるポケットが来る仕組みだ。

安眠枕の「KANGURU GOODNIGHT」。中身となるフラットスピーカーの入った部分は洗濯できない。カバー部分は洗濯が可能 バスローブ代わりのタオルもスマート化。その名も「Smartowel」。女性の首にあたる部分は輪になっており、そこをとおすことでワンピース風に着こなせる

 またヘルスケアでは、筆者の知る限り3番目となる家庭用の血圧測定Dockが登場している。MEDISANAの「CardioDock」は上腕部で測るタイプで、Dockに接続したiOSデバイスに専用のAppを入れて計測そして記録する。ヨーロッパでは129ユーロで販売中。30ピンコネクタに接続する赤外線計測による体温計と、血糖値を測るユニットもあわせて販売されている。前者は79ユーロ、後者は99ユーロ(消耗品は除く)。

 ほか、Withingsはワイヤレス体重計の新製品として「Wireless Scale WS-30」を発表。従来モデルではWi-Fiのみに対応していたが、新製品ではあわせてBluetooth接続にも対応した。家族で使う場合も1台の体重計を共有でき、利用者の自動認識が行なえるとしている。あわせて専用AppをiOS向け、Android向けともに更新する。60社を超えるパートナー企業と契約して、今後も対応Appの制作を行なうという。WS-30の市場価格は119.95ユーロの見込み。

MEDISANAの血圧計「CardioDock」。すでにドイツ家電大手のSaturnなどで販売されている Withingsの体重計の新モデルはBluetoothと家族間の共用に対応した「WS-30」

 International CESで発表されたZENSORIUMの「tinke」もあらためて製品展示を行なった。iOSデバイスの30ピンコネクタに取り付けるセンサーで、親指でセンサー部分をおさえると計測を開始。心拍数、呼吸数、血中の酸素濃度などを測定して体調を診断する。専用Appによって記録を行なって心身の健康維持を目指す。北米では99ドルで継続してプリオーダーを受け付けているが、発売時期は未定。

tinkeを使った筆者の測定結果。まる1日展示ホール巡りをした後なので、最高値である100の半分程度にあたる58

 そのほかiZoneを中心にIFA会場内で見つけたMac向け、iOS機器向け製品を写真で紹介する。

仮想化ソフト「Parallels 8 Desktop for Mac」はIFAのタイミングにあわせて出荷が始まった。Windows 8の仮想化正式対応をはじめ、さまざまな新機能が追加される KANEXの新製品は「ATV Pro」。AppleTVのHDMI出力をVGA対応のプロジェクターに出力するアダプターだ。AirPlay対応のMac製品やiPadなどから、AirPlay Mirroringでプロジェクター出力が可能になる
同じくKANEXの「My Spot」はトラベルサイズのアクセスポイント。Ethernet接続をIEEE 802.11b/gでホットスポット化する。電源はUSBポートから供給。Mac/PCのインターネット共有機能を使えば、Wi-Fiのインターネット接続をいったん本体で受けて、イーサネット端子側に出力、My Spotでワイヤレス化してスマートフォンで使うといった利用法もできる。9月末に59.99ドルで出荷予定
年初のInternational CESで製品発表が行なわれたMobeeによるMacのデスクトップ製品向け無接点充電機器のステーション「Magic Feet」は、間もなく出荷を開始するという。従来製品のパッケージも簡素化される 無線LANとタブレットなどスマートデバイスを使った家庭内の電源管理「EASYiHOME」。ヨーロッパ仕様でコンセント単位にはなるが、親機からWi-Fi経由でコマンドを送ることで電源のON/OFF、調光などが利用できる。スマートデバイスは視覚的なインターフェイスとして利用する
地元ドイツ企業によるスピーカー内蔵椅子「Sonic Chair」 IK MultimediaのMIDIキーボード「iRig KEYS」。iOS用のコネクタのほか、PC、Macに対応するUSBインターフェイスも備える
スマートデバイス時代の必需品、クリーニングクロスもデザインの時代になった。米国のTodayGEARがさまざまなデザインのクリーニングクロスを出展 etonのポータブルバッテリ。通常の充電によって1,000mAhと2,000mAhの利用ができるが、緊急時にはハンドルを握って回すことで自分で発電・充電することも可能
Bluetoothヘッドセット内蔵の手袋。指先には導電性の繊維が編み込んであり、手袋をしたままスマートフォンの操作が可能。左手の小指にマイク、親指にスピーカーが入っている。手首の部分にユニットがあり、受話操作や充電はそのユニットを利用する 植物の状態をWi-Fi経由で知らせる「Koubachi」。ユニット下部についたセンサーで、土の湿度などを測って、そのデータをスマートフォンやPCなどに転送する
elgatoのTVチューナ「eyeTV」。現行モデルは日本市場向けの製品もあり、フォーカルポイントが国内代理店となっている。今回elgatoは、さらにコンパクトな「eyeTV Mobile」を出展。近日中にヨーロッパ市場で販売するとしている。30ピンコネクタに対応する従来のiOSデバイス向け製品に加え、Micro USB対応のAndroid版も登場。前者が99ユーロで後者は69ユーロ。Android版のデモ機にはGoogleタブレット「Nexus 7」が用いられていた。日本市場向け販売については今後あらためて発表を行なうとしている HYPERの「iUSB Port」。International CESではCloud FTPとして参考展示されていた製品が名称変更された模様。USBメモリ、HDD、デジカメなどマスストレージクラスのデバイスをネットワーク接続のストレージデバイスにする機器
Blue Loungeによる斜め置きに対応したドックと、コンセントに直接差し込むタイプのDock対応充電台。いずれも欲しい角度がバランス良く設定されているのがポイント スマートフォン時代でも、あると便利なのがハンドセット。Dock付きのこの製品は、BuletoothでiPhoneと接続。ハンドセット側で受話などの操作ができる
Mophieのレンズアダプタ付き防水&耐ショックケースの「OUTRIDE」。GoProなどスポーツ目的のカメラユニットが人気だが、iPhone 4/4Sのそうした用途への活用を目指すケース。スポーツ撮影やSNSへのシェアを目的にした専用appも提供される。さまざまなアタッチメントが付いて、129ドルで出荷予定
ビーズのようなチップを使って自由にケースをデザインする「U BLING!」。ケースが台座になっていて、チップを思い通りにデザインして並べたら蓋をかぶせてロックする
昨年に続いて出展した日本企業のTrinity。前出のBlue Lounge製品の国内代理店をつとめる一方で、自社のSimplismブランドを世界市場に展開している。今回は3Dテクスチャを使ったiPhoneケースの次元シリーズを紹介。Appleから次期製品が発表されれば、次元シリーズも対応製品の出荷を目指すという

(2012年 9月 5日)

[Reported by 矢作 晃]