Intelの開発者向けイベント「IDF」(Intel Developer Forum)は、春に中国・北京市で、秋には米国・サンフランシスコ市でそれぞれ開催されている。その春のIDFが、明日(4月12日)から2日間の日程で、北京市にある国家会議中心において行なわれる。
例年春のIDFは、中国の開発者向けという色合いが濃いため、組み込み向けなどのエリアを中心に話がされることが多く、報道向けの発表内容もそれに準じたものとなることが多い。今年(2011年)は「Oak Trail(オークトレイル)」の開発コードネームで呼ばれてきたタブレット向けのx86プラットフォームのリリースが見込まれるなど、組み込み向け関連でいくつかの新しい発表が行なわれることになりそうだ。
●中国で開発が盛んな組み込み向けのソリューションが話題の中心、タブレットやネットブックの話題もIDF北京は、組み込み向け製品開発が盛んな中国の事情を反映して、PC向けのソリューションよりも、組み込み向けのソリューションが取り上げられることが多い。基調講演のラインナップを見てもそうした傾向が伺える。基調講演の予定は以下の通り。
【表】基調講演の予定日付 | 講演者 | 肩書き | タイトル |
4月12日 | リネイ・ジェームス | Intel 上席副社長兼ソフトウェア・サービス事業本部 事業本部長 | The Intel User Experience |
トン・スティーンマン | Intel 副社長兼IA事業本部組み込み・通信事業部 事業部長 | Embedded with Innovation | |
ダグ・デービス | Intel 副社長兼タブレット・ネットブック事業部 事業部長 | Devices and the Future of Personal Computing | |
4月13日 | カーク・スコーゲン | Intel 副社長兼IA事業本部データセンター事業部 事業部長 | Delivering the Compute Continuum |
イアン・ヤン | 中国Intel社長 | Win in Transformation, Win with China |
見てわかる通り、Intelの保守本流と言えるIA事業本部の副社長は2人登壇するが、いずれも組み込み向けとサーバー(データセンター)担当で、いわゆるPCクライアントについての担当者ではない。また、トップに来ているのが、組み込み向けのソフトウェア担当の総責任者であるレネイ・ジェームス氏であることからも、今回は組み込み向けにフォーカスした内容であることが伺える。なお、PCクライアントの内容に関しては、本来はPCの担当ではないカーク・スコーゲン副社長が語るものと見られている。
コンシューマユーザーにとっての注目は、初日の一番最後に行なわれるタブレット・ネットブック事業部 事業部長のダグ・デービス副社長の講演だろう。この中では、Oak Trailの正式な発表が行なわれると見られている。Oak Trailは、スマートフォン向けの低電力プロセッサとして発表されたAtom Z6xxシリーズ(コードネームはMoorestown)のタブレット/PC版となる製品で、Windows版のドライバが用意されるなど、Windowsを搭載したタブレットなどに利用することが可能になる。正式に発表されるとなれば、対応の製品も同時に発表されることになるので、期待したいところだ。
このほか、Demo Showcaseと呼ばれる展示会、Technical Sessionと呼ばれる技術セミナー、報道関係者向けのセミナーなどが用意されており、その中でIntel製品を搭載した新製品や新技術などが紹介される予定だ。本誌ではそうしたIDF北京で発表された内容を随時お伝えしていきたい。
設営が続く会場の入り口 | 現在は来場者の登録と会場の設営が行なわれている | Intelの標語なども中国語表示になっている |
(2011年 4月 11日)
[Reported by 笠原 一輝]