【CES 2011レポート】東芝ブース編
~Sandy Bridge搭載ノートやHoneycomb搭載タブレットなどを展示

裸眼3D液晶を大々的にアピールする東芝ブース

会期:1月6日~9日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center/The Venetian



 2011 International CES会場の東芝ブースでは、将来発売が予定されている、65型と55型のグラスレス3Dレグザ試作機や、日本で2010年末に発売された裸眼3D対応液晶テレビ「グラスレス3Dレグザ」など、裸眼3Dテレビの展示スペースを大きく取り、来場者に強くアピールしていた。また、ノートPCやタブレットなど、PC関連の注目製品も展示されていたので、それらをまとめて紹介しよう。

 グラスレス3Dレグザ展示コーナー内には、CEATEC JAPAN 2010でも注目を集めた、裸眼3D液晶を搭載するノートPCの試作機を展示。CEATEC JAPAN 2010で展示されていたものと同様、Qosmioのボディを利用した試作機で、液晶パネル表面に特殊な液晶レンズ層を配置し、画面内の特定の部分のみを裸眼3D表示できるという点が大きな特徴となっている。また、CESで展示されていた試作機では、液晶上部に搭載されているWebカメラと顔認識技術を利用して、3D表示部分を視聴している人の位置を特定し、その位置で最も最適に裸眼3D視聴が行なえるように、液晶レンズ層の屈折率を調節するという機能も搭載。視聴位置が移動しても、移動にあわせて屈折率が調節されるため、視聴位置を気にせず視聴できる点も大きな特徴だ。ちなみに、今回の展示では、顔認識による屈折率の調節は1人のみの対応となっており、2人以上で視聴する場合でも、最初に顔認識された人のみが対象となっていた。

裸眼3D液晶搭載のノートPC試作機(東芝プレス向けイベントで撮影)。CEATEC Japan 2010で展示されたものと同様に、液晶全体だけでなく一部分のみでも裸眼3D視聴が行なえる液晶上部のWebカメラと顔認識技術で視聴者の位置を特定し、その位置で最もきれいに3Dに見えるよう液晶表面の液晶レンズ層の屈折率を調節する機能を搭載

 ノートPC展示コーナーでは、開発コードネーム「Sandy Bridge」でおなじみの第2世代Coreプロセッサ・ファミリー搭載の日本未発表製品を展示していた。

 Qosmioシリーズ新モデルの「Qosmio X505」は、CPUにCore i7-2630QMを採用。NVIDIA GeForce GTX 460M、18.4型フルHD液晶、Blu-ray Discドライブなどを搭載した、AV用途を強く意識したノートPCとなっている。

 「Satellite A665 3D」は、CPUにCore i7-2630QMを採用するとともに、120Hz表示対応の1,366×768ドット15.6型液晶とGeForce GT 540Mを搭載し、NVIDIA 3D Visionをサポートした3Dノートだ。会場では、ゲームを立体視表示させたデモが行なわれていた。

 「Satellite E305」も、第2世代Core iシリーズ搭載の新モデル。会場で展示されていた固体では、搭載CPUを確認できなかったが、第2世代Core i5が搭載されるようだ。また、SSDとHDDを組み合わせたハイブリッドHDDを搭載する点も特徴となっている。

 「Satellite M645」も、第2世代Core i5搭載の新モデル。GPUとしてGeForce GT 525Mを搭載するとともに、Intel Wireless Displayもサポートするとしている。

 これら第2世代Core iシリーズ搭載のノートPC新モデルは、北米で2011年第1四半期に発売が予定されており、価格は未定となっている。

AVノートQosmioシリーズの最新モデル「Qosmio X505」。Core i7-2630QMやGeForce GTX 460M、18.4型フルHD液晶、Blu-rayドライブなどを搭載するNVIDIA 3D Vision対応ノート「Satellite A665 3D」。搭載CPUはCore i7-2630QM。120Hz表示をサポートした15.6型WXGA液晶で、3Dゲームなどを楽しめる
第2世代Core i5搭載の「Satellite E305」。ハイブリッドHDDやWiMAXを標準搭載するスタンダードノートだこちらも第2世代Core i5搭載の「Satellite M645」。GeForce GT 525Mを搭載し、AV用途をターゲットとしたモデル。Intel Wireless Displayもサポートされる

 ノートPC展示コーナーの横には、タブレットPCが2モデル展示されていた。1つは、NVIDIAのデュアルコアモバイルプロセッサ「Tegra 2」、1,280×800ドット表示対応の10.1型タッチパネル液晶を搭載するAndroid OS搭載モデル。本体デザインやハードウェアの仕様はCEATEC JAPAN 2010で展示されていたものとほぼ同等で、OSが開発コードネーム“Honeycomb”ことAndroid 3.0となっている。本体側面にはHDMI出力が用意され、外部ディスプレイを利用したフルHD動画の再生や、SD動画のHDアップコンバート再生などをサポート。また、液晶側と裏面双方にカメラを搭載。ただし、本体重量やバッテリ駆動時間などは未定となっている。北米での発売時期は2011年春を予定しており、価格は未定だ。

 もう1つは、OSとしてWindows 7を採用したタブレットPCだ。CPUにはAtomプロセッサを採用し、1,366×768ドット表示対応の11.6型タッチパネル液晶を搭載するなど、Android OS搭載モデルとはハードウェアスペックが大きく異なっている。また、DLNAをサポートし、ホームサーバーに蓄積されているマルチメディアコンテンツのネットワーク再生にも対応している。詳細な仕様は公表されておらず、発売時期なども未定。会場では、豊富なWindows用アプリケーションがそのまま利用できる点を、Android 3.0搭載モデルとの違いとして紹介していた。

Android 3.0搭載のタブレットPC。Tegra 2、1,280×800ドット表示対応の10.1型タッチパネル液晶を搭載するCES会期前に行なわれた東芝のプレス向けイベントでは、実際に試用が可能だった裏はラバーコーティングとなっており、片手で持っても滑りにくい
裏面上部に500万画素のカメラを搭載液晶面にもWebカメラが搭載されている側面には、SDカードスロットを用意
HDMI出力を備え、外部ディスプレイを利用したフルHD動画の再生も可能SD動画をHDクオリティにアップコンバートし再生する機能も搭載こちらは、Windows 7搭載のスレートPC。CPUにAtomプロセッサ、1,366×768ドット表示対応の11.6型タッチパネル液晶など、Android OS搭載モデルとはハードウェアスペックが異なっている

 周辺機器などの展示コーナーでは、SSDや各種周辺機器が紹介されていた。SSDは、2.5インチHDD型や1.8インチHDD型、モジュールタイプなどの既存製品が展示され、新モデルの発表や展示はなかった。ただ、モジュール表面に特殊コーティングをスプレーし、水に浸けた状態で稼働させたり、HDDと同時に振動検査台に乗せ、振動に対する耐性の高さを紹介していた。ちなみに、水に浸けて稼働するデモは、SSDを水没させても問題がないということ示すものではなく、SSDならこういうこともできる、ということをアピールするためのものだそうだ。

 また、ExpressCard/34対応のUSB 3.0拡張カードや、USB 3.0対応外付けHDD、DVDスーパーマルチドライブ、USBメモリ、ワイヤレスマウスなどの周辺機器も展示。これらには全て東芝ロゴがつけられており、東芝オリジナルモデルとして展示されていた。ちなみにこれら周辺機器は、北米の直販サイト「ToshibaDirect.com」で発売されているが、日本では未発売だ。

2.5インチ/1.8インチHDD型やモジュールタイプなど、SSDの既存製品を展示基板に特殊コーティングを施し、水没させて稼働させるデモ。ただし、水没しても安全ということを示すものではないHDDとともに振動台に搭載し、振動に対する耐性の高さを示すデモ。実際の試験では、より強い振動を与えて耐性を試験しているそうだ
24nmプロセスのNANDフラッシュメモリウェハ。東芝は、20nm未満の製造プロセスに対応する新工場を三重県四日市市に建設中で、更なる微細化を進めていく予定だToshibaDirect.comで販売されている、東芝ブランドの周辺機器。ExpressCard/34対応のUSB 3.0拡張カードや、USB 3.0対応外付けHDD、ワイヤレスマウスなど、日本では未発売の製品が数多く展示されていた

(2011年 1月 10日)

[Reported by 平澤 寿康]