イベントレポート
AI重視の戦略にシフトするMicrosoft。開発者向けイベント「de:code 2017」でAI活用による技術革新を訴求
2017年5月23日 16:49
日本マイクロソフト株式会社は、Microsoftの今後の展望や最新技術などを開発者らと共有する、ITエンジニア向けカンファレンス「de:code 2017」を本日(23日)から明日にかけて都内にて開催している。参加チケットはすでに完売となった。
de:code 2017では「AI(人工知能)」をテーマとし、Microsoft本社の要人らが登壇。昨年(2016年)のde:codeでもAIを利用したソリューションの紹介が行なわれていたが、今回はAI活用を同社が展開する根幹の技術として、よりリッチなサービスを提供可能にするとの触れ込みで来場者に訴求を行なった。
同社が展開しているAIサービスとして日本でもっともわかりやすい例は女子高生AIの「りんな」だろう。LINEとTwitterを合わせて570万人ものフォロワーを有し、人が違和感を感じない会話を展開できる。こうしたAIは正しい情報の選択と機械学習によって成り立っており、ビジネスやブランドにふさわしいキャラクターを生み出すための研究の一環として生まれたという。
MicrosoftでCorporate Vice President & Chief Evangelistを務めるSteven Guggenheimer氏は、同社が展開しているAI技術として、画像認識、音声認識、分析などを挙げ、Cognitive Services(認識サービス)としてユーザーや開発者に提供していくことで、人間の能力を増幅できると唱える。「モバイルファースト、クラウドファースト」を標榜している同社だが、今後はこれに加えてAIを組み込んでいくことで「インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ」を推進していくとした。
ついで登壇したJoseph Sirosh氏(Microsoft Corporate Vice President Data Platform Group)は、地球45億年の歴史の中で40億年に眼を持つ生物が誕生したことでカンブリア爆発が起きたとの話を展開し、今日のAIはこれに類する革新的なものであると、AIの重要性を説いた。
Sirosh氏はAIを高めるにはクラウド、データ、インテリジェンスの3つのツールを使い、ディープラーニングと連携させる必要があるとし、データベースへのAI機能の組み込むことで開発者に大きな力をもたらすとしている。
de:code 2017では、このほかにもHoloLensを活用したMR(Mixed Reality)の活用事例や、先日のBuild 2017で披露された次期大型アップデート「Fall Creators Update」の機能が紹介された。Fall Creators Updateについては、既報の「クリエイター向け機能をさらに盛り込んだWindows 10 Fall Creators Update」を参照されたい。
Microsoftは、今後さまざまな製品/サービスにAIを組み込んでいき、開発者は制限なく機能を活用して生産性向上や革新を行なえるようになるとしている。