イベントレポート

NVIDIAの新SHIELDに技適マークありも日本での販売は“お答えできない”

NVIDIAの新SHIELDの側面に付いていた技適マーク

 NVIDIAは、今年のCESにおける主役の1人と言ってよい。もっとも格式が高いキックオフ基調講演に同社CEOのジェンスン・フアン氏が登壇して、同社のビジョンについて語ったのは別記事の通りだ。

 そうした中でNVIDIAが明らかにしたのが、クラウドGPUを利用したPCゲーミングの新しい形「GeForce Now」だ。GeForce Nowは、NVIDIAがエンタープライズ向けに導入しているクラウドGPU「NVIDIA GRID」の仕組みをそのままコンシューマ向けにしたもので、クラウドにあるGPUで描画したゲームをH.264などにエンコードし、低遅延でストリーム配信することで、まるでローカルのGPUで描画しているようにPCゲームをプレイすることができる。

 また、基調講演で発表したAndroid TVデバイス新SHIELDのハードウェアを公開した。ただし、現時点では米国向けだけに発表をしているとのことで、日本向けには一切説明はできないという形で日本市場に投入されるかどうかも「答えられない」との回答。しかし、公開されたハードウェアを確認したところ、日本で使うのに必要な“技適マーク”(技術基準適合証明等のマーク)が記載されていることが分かった。

GeForce Nowを利用すればMacでもハイエンドWindowsゲームがプレイ可能

 NVIDIAが公開したGeForce Nowは、NVIDIAがエンタープライズ向けに展開している、クラウドベースのGPU活用の仕組みとなるNVIDIA GRIDのコンシューマ版というサービスになる。基本的な仕組みはシンプルで、ユーザーはクラウドにあるWindows OSのイメージにログインし、専用のUIを利用してゲームをロードするとWindows PC向けのPCゲームをプレイできる。画面出力は、クラウドにあるGPUのエンコーダを利用してH.264などにエンコードされ、インターネット回線を通じてクライアントに配信される。このため、ユーザーが接続されている回線にもそれなりに広帯域で、低遅延の回線に接続されている必要がある。

GPUを内蔵していないMacBook AirでWindows PCゲームをプレイしているところ

 GeForce Nowのクライアントは、現状ではWindows用とmacOS用が用意されており、macOS用のクライアントでもWindows向けのPCゲームをプレイできる。NVIDIAによれば、プレイできるゲームは、Steamのようにネットワークから直接インストールすることができるゲームストア経由で配信されているPCゲームのみで、ユーザーの手元にある光学ドライブやバイナリを利用してクラウドにインストールすることはできないとのことだ。

GeForce NowのUI
iMacでWindows PCのゲームが起動
WindowsとMacで利用できる

 価格は、GeForce GTX 1060を利用する場合で20時間で25ドル(約2,900円)、GeForce GTX 1080を利用する場合には10時間で25ドル(同)。なお、現時点では米国のみでサービスが開始される予定で、日本などで行なわれるかどうかは現時点ではノーコメントとのこと。

 また、NVIDIAはGeForce Experienceの機能拡張としてFacebookサポートの追加を明らかにした。1つはFacebook LiveというFacebookの動画ライブ中継機能を利用する機能で、GeForce Experienceで設定することで、ゲームをプレイしている様子をFacebook Liveに直接配信したり、Anselを利用して保存した360度のスクリーンショットをFacebookに投稿したりすることが可能になる。

GeForce Experience
Facebook Liveに配信している様子
FacebookでANSELで撮影した360度画面を見ているところ

SHIELD本体には技適マークあり

 また、NVIDIAはAndroid TVを搭載した据え置き型デバイス「SHIELD」の、4K/UHD対応版として新SHILEDを発表した。新しいSHIELDでは、Netflixなどの4K/UHDのプレミアムコンテンツを再生できるほか、GoogleのAIサービスであるGoogle Assistantに対応しており、音声を利用してSHIELDを操作したり、ホームネットワークに接続されている家電を操作したりすることができる。

新SHIELD
背面ポート

 今回NVIDIAは、新SHIELDが販売されて予定の国、地域の報道関係者だけを対象にして説明を行なったため、日本はその対象外ということで詳細は説明されなかったが、ハードウェアそのものは公開された。外観をチェックしたところ、外箱にスタンドが“別売”と日本語で書かれていること、さらに本体の側面に、いわゆる技適マーク(技術基準適合証明等のマーク)が記載されていることが分かった。

外箱
外箱
別売の文字が
本体の側面に技適マークがあることが確認できた
ゲームコントローラにも技適マークがあった
リモコン
オプションのマイクとなるSPOT

 日本で無線を出して機器を利用する場合には、「日本に入国する人が持ってくる機器が90日間以内」という例外を除き、基本的にはこの技適マークが表示されている必要がある。この技適マークを取得するには、それなりのコストがかかるため、それが取得されているということは、日本での発売をかなり意識している、というよりその前提で準備が進められていると考えるのが自然だ。なお、NVIDIAによれば日本で販売されるかどうかは「お答えできない」とのことだ。