イベントレポート
Cooler Master、モジュラー型PCケースのラインナップを拡充
~ラジエータ一体型水冷CPUクーラーなどのコンセプトモデルも
2016年6月4日 11:35
Cooler Masterは、昨年(2015年)のCOMPUTEX TAIPEI 2015で“Make It Yours”というスローガンを掲げ、さまざまな製品群やプロトタイプを展示したが、COMPUTEX TAIPEI 2016では、そのコンセプトに沿った新製品を拡充し、数多く展示した。
MasterCaseシリーズ
昨年のCOMPUTEXで発表された、カスタマイズ性に優れるフルモジュラー型ケース「MasterCase」シリーズ。
昨年夏にはATXミドルタワー型の「MasterCase 5」シリーズが発売済みとなっているが、COMPUTEX TAIPEI 2016ではmicroATXミニタワー型の「MasterCase Pro 3」とExtended ATXフルタワー型の「MasterCase Pro 7」が発表された。これにより、ミニタワーからフルタワーまで、フルラインナップが完成となる。
双方とも、コンセプトはMaster Case 5シリーズ同様で、前面パネルや側面パネル、前面I/Oユニット、ケース内のドライブベイなどを自由に組み合わせてカスタマイズできる点が特徴。ケースは高さが異なるため、前面パネルや側面パネルに互換性はないが、前面I/Oユニットや内部ドライブベイなどのユニットは互換性があり、自由に組み合わせ可能となっている。
また、今回はさまざまなユニットも同時に展示された。例えば、側面パネルには透明アクリル採用のものや強化ガラス採用のものなどがラインナップに加わり、前面I/OユニットにはUSB Type-Cポートを備えるものも追加されている。加えて、有名ModderやデザイナーがデザインしたユニットをCooler Masterの特設サイトで販売する計画もあるという。ユニットが増えたことで、カスタマイズ性が高まり、本来のコンセプトを体現する製品へと成長してきていると感じる。
MasterCase Pro 3は近々に、MasterCase Pro 7は年内に発売を予定しており、価格は未定。
日本製造の電源ユニット
電源ユニット新モデルとして展示されていたのが容量1,200Wの「MasterWatt Maker」。フルモジュラー式の電源ユニットで、80PLUS Titaniumをサポートする。
この製品の最大の特徴となるのが、”日本”にとことんこだわっているという点だ。品質重視の電源ユニットでは、日本製コンデンサなど日本製パーツを採用する製品が多いが、MasterWatt Makerは、空冷ファンなどごく一部を除いて、全てに日本製パーツを採用するとともに、製造も日本で行なう。非公開ではあるが、日本の大手メーカーが製造を担当するという。
海外では、電源ユニットを選ぶ際に、日本製パーツの採用が重視される場合が多いそうで、さらに製造までも日本で行なうことで、より優れた品質の製品であることをアピールしたいという。発売時期や価格は未定。
完全自社製のCPU水冷クーラー
水冷CPUクーラー新モデルとして展示されていたのが、「MasterLiquid Pro」シリーズ。120mmラジエータ採用の「MasterLiquid Pro 120」と、240mmラジエータ採用の「MasterLiquid Pro 240」を用意する。
これまでCooler MasterのCPU水冷クーラーでは、一部社外調達パーツを使っていたそうだが、MasterLiquid Proシリーズでは全てのパーツが自社開発になっているという。最大の特徴が水冷ヘッド部分で、ポンプ部とCPUの熱を吸収する部分をセパレートにした2重構造になっている。これによって、ポンプ部の発熱が抑えられ、従来よりも性能が高まるとともに、寿命も2倍に伸びているという。
こちらは2016年7月頃に発売を予定しており、価格は未定。
このほかにも、ケースやキーボードなど、各種新製品およびコンセプトモデルが展示されていたので、まとめて紹介する。
MasterCase 5T
MasterCase 5をベースに、一部赤のカラーリングを施した「MasterCase 5T」。MasterCaseシリーズでも、もっと見た目が派手なものが欲しいという声に応えて用意されたという。
ケース内部や前面パネル、天板などに赤のカラーリングを施すとともに、デザインも凝った部分を追加することで、より派手な印象となっている。こちらはコンセプトモデルで、発売時期や価格は未定。
MasterCaseシリーズの静音モデル
MasterCaseシリーズのコンセプトモデルとしては、静音性重視のケースも展示していた。microATXミニタワーの「MasterCase 4」とExtended ATXミドルタワーの「MasterCase 6」の2モデルが用意されている。
コンセプトはMasterCaseシリーズを踏襲しつつ、前面パネル、側面パネル、天板に吸音材を装着することで、静音性が高められている。また、前面パネルと天板は可動式で、すき間を作って冷却能力を高めるギミックも用意されている。発売時期は2016年内を計画しているという。
MasterBoxシリーズ
シンプルなケースとして、「MasterBox」シリーズを新たに展開。MasterCaseシリーズまで高機能なものは不要というユーザーをターゲットにしているという。
microATX対応のミニタワー「MasterBox Lite 3」、Extended ATX対応のミドルタワー「MasterBox 5」、赤のカラーリングを採用する「MasterBox 5T」が用意される。発売時期や価格は未定。
ラジエータ一体型水冷CPUクーラー
こちらは、水冷ヘッド、ポンプ、ラジエータが一体型となった、水冷CPUクーラーのコンセプトモデル。
ラジエータ部分が90度回転するギミックを備え、トップフロー、サイドフローどちらの形状でも利用できるようになっている。小型ケースなどでの利用を想定しているという。開発中でまだ型番も付けられておらず、発売時期や価格も未定だ。