イベントレポート

ADATA、容量1TBで200ドルのSSD

~3D NAND採用NVMe M.2 SSDなども展示

 ADATA Technologyは、COMPUTEX TAIPEI 2016会場ブースで今後発売を予定しているSSD製品の新モデルを展示した。なお、今回展示された新モデルは、全て発売時期や価格は決まっていないそうだが、2016年7月末頃の発売を目途に開発を進めているという。

XPG SX8000NP

 「XPG SX8000NP」は、Micron製の3D MLC NANDフラッシュメモリを採用する、NVMe M.2 SSDだ。搭載コントローラはSilicon MotionのSM2260で、アクセス速度はシーケンシャルリード最大2,000MB/sec、シーケンシャルライト最大800MB/sec。容量は最大2TBをラインナップ。ゲーミングPCをメインターゲットとし、M.2タイプとU.2タイプの2モデルが用意されることになるという。

 ブースでは、実際にM.2タイプとU.2タイプ双方をPCに接続してデモが行なわれていた。現在はまだファームウェアの最適化中で、最大限の性能を引き出せていないとのことだが、CrystalDiskMarkの結果を見ると、M.2タイプではシーケンシャルリードが2,398MB/sec、シーケンシャルライトが509MB/sec、U.2タイプではシーケンシャルリードが1,847MB/sec、シーケンシャルライトが798.3MB/secを記録していた。主な仕様は以下の通りだ。

Micron製3D MLC NAND採用のNVMe M.2 SSD「XPG SX8000NP」
U.2対応モデルも用意されるという
実際にPCに接続してデモが行なわれていた
まだファームウェアの最適化中で、最大限に速度が引き出せていないそうだが、リードはかなりのスコアを記録している
XPG SX8000NP
NANDフラッシュメモリMicron製3D MLC NAND
フォームファクタM.2またはU.2
インターフェイスPCI Express 3.0 x4
プロトコルNVMe
コントローラSilicon Motion SM2260
シーケンシャルリード最大2,000MB/sec
シーケンシャルライト最大800MB/sec
容量最大2TB

XPG SX7000NP

 「XPG SX7000NP」も、XGP SX8000NP同様にNVMe M.2 SSDの新モデルで、XGP SX8000NPよりもライトなユーザー層をターゲットにする製品。こちらは、コントローラとしてRealtek製の「RTS5760」を採用する点がXGP SX8000NPと大きく異なる。Realtek製NVMe SSDコントローラの実力は未知数で、ブースでも実働デモは行なわれていなかったが、スペックとしてはシーケンシャルリード最大2,000MB/sec、シーケンシャルライト最大800MB/secと、XGP SX8000NPと同等となっている。また、NANDフラッシュメモリに通常のMLC NANDフラッシュメモリを採用する点も異なっている。主な仕様は以下の通り。

Realtek製コントローラ採用のNVMe M.2 SSD「XGP SX7000NP」。XGP SX8000NPよりもややライトなユーザー層をターゲットとする
XPG SX8000NP
NANDフラッシュメモリMicron製3D MLC NAND
フォームファクタM.2
インターフェイスPCI Express 3.0 x4
プロトコルNVMe
コントローラRealtek RTS5760
シーケンシャルリード最大2,000MB/sec
シーケンシャルライト最大800MB/sec
容量128GB~1TB

Ultimate SU700

 「Ultimate SU700」は、エントリークラスの2.5インチSATA SSD新モデル。最大の特徴となるのが価格の安さで、現時点ではまだ確定していないとのことだが、容量1TBで200ドル前後の価格を計画しているという。この価格の安さを実現しているのは、NANDフラッシュメモリとしてMicron製の3D TLC NANDを採用するとともに、Maxiotek製コントローラを採用、さらにDRAMキャッシュを搭載しない、DRAMレスデザインとなっているからだという。

 SU700の基板を見ると、コントローラとNANDフラッシュメモリしか搭載されていない。かといって速度は遅いわけではなく、CrystalDiskMarkの結果ではシーケンシャルリードが554.1MB/sec、シーケンシャルライトが528.9MB/secと十分な速度が引き出せており、ランダムアクセス速度も極端に遅いわけではなく、エントリークラスSSDとして十分満足できる性能が発揮されるものと思われる。

 DRAMレスデザインによる影響は、実際に使ってみないとなんとも言えないが、容量1TBで200ドルほどという安さを考えると、かなり魅力的な存在になるかもしれない。なお、最大で2TBモデルまで計画しているとのこと。

 主な仕様は下の通り。

エントリークラスSSD新モデル「Ultimate SU700」
基板には、Maxiotek製コントローラとMicron製3D TLC NANDのみを搭載し、DRAMキャッシュは搭載しない
CrystalDiskMarkの結果(右上)は、エントリークラスSSDとして十分満足できるスコアを記録している
Ultimate SU700
NANDフラッシュメモリMicron製3D TLC NAND
フォームファクタ2.5インチ
インターフェイスSATA 6Gbps
コントローラMaxiotek製
シーケンシャルリード未発表
シーケンシャルライト未発表
容量最大2TB

Ultimate SU800

 「Ultimate SU800」は、Micron製の3D TLC NANDフラッシュメモリを採用する、ミドルレンジ2.5インチSATA SSD新モデル。3D TLC NANDの採用により、コストパフォーマンスを高めているという。コントローラはSilicon Motion製のSM2258で、アクセス速度はシーケンシャルリード最大560MB/sec、シーケンシャルライト最大510MB/sec。主な仕様は下の通り。

Micron製3D TLC NAND採用のメインストリーム向けSATA SSD「Ultimate SU800」
インターフェイスはSATA 6Gbps、コントローラはSilicon Motion製SM2258を採用
CrystalDiskMarkの結果(右上)は、シーケンシャルリード562.8MB/sec、シーケンシャルライト511.9MB/secを記録している
Ultimate SU800
NANDフラッシュメモリMicron製3D MLC NAND
フォームファクタ2.5インチ
インターフェイスSATA 6Gbps
コントローラSilicon Motion SM2258
シーケンシャルリード最大560MB/sec
シーケンシャルライト最大510MB/sec
容量128GB~1TB

Ultimate SU900

 「Ultimate SU900」は、2.5インチSATA SSD新モデルで、SATA SSDシリーズ上位の製品。Micron製の3D MLC NANDとSilicon Motion製コントローラを採用し、アクセス速度はシーケンシャルリード最大560MB/sec、シーケンシャルライト最大510MB/sec。主な仕様は下の通り。

Micron製3D MLC NAND採用のSATA SSD上位モデル「Ultimate SU900」
Ultimate SU900
NANDフラッシュメモリMicron製3D MLC NAND
フォームファクタ2.5インチ
インターフェイスSATA 6Gbps
コントローラSilicon Motion製
シーケンシャルリード最大560MB/sec
シーケンシャルライト最大510MB/sec
容量128GB~1TB

XPG SX950

 「XPG SX950」は、2.5インチSATA SSDシリーズ最上位に位置付けられる新モデル。最大の特徴は、Seagateブランドのコントローラを採用する点。SeagateはSSDコントローラを送り出していたSandForceを買収しており、XPG SX950でも「DuraWrite II」などSandForceコントローラに採用されていた技術をサポートしていることから、このSeagate製コントローラもSandForceコントローラをベースにしているもの考えていいだろう。

 NANDフラッシュメモリにはMicron製の3D MLC NANDを採用し、アクセス速度はシーケンシャルリード最大560MB/sec、シーケンシャルライト最大530MB/sec。主な仕様は下の通り。

Seagate製コントローラ採用のSATA SSD最上位モデル「XPG SX950」
XPG SX950
NANDフラッシュメモリMicron製3D MLC NAND
フォームファクタ2.5インチ
インターフェイスSATA 6Gbps
コントローラSeagate製
シーケンシャルリード最大560MB/sec
シーケンシャルライト最大530MB/sec
容量128GB~1TB