イベントレポート

【詳報】Micron、転送速度2.4GB/secの3D NAND採用NVMe SSD「Ballistix TX3」

~Crucial MX300は容量最大2TBの2.5インチモデルを投入

 米Micron Technologyは、台北市内のCrucialオフィスで記者会見を開催し、SSD新製品「Ballistix TX3」や「Crucial MX300」の説明を行なった。

Ballistix TX3

 「Ballistix」ブランドは、これまでCrucialのサブブランドとして、ゲーミングPC向けメモリモジュールなどを展開してきた。しかし今後は、Ballistixブランドを「Crucial」や「Lexar」と同じように、Micronの主要ブランドとして独立させ、ゲーミングPC向け製品を展開していくという。

 その新生Ballistixの新製品として発表されたのが、NVM Express(NVMe) M.2 SSD「Ballistix TX3」だ。最大の特徴となるのが、Micron製の3D MLC NANDを採用している点。このMicron製3D NANDは、32層の積層型NANDフラッシュメモリで、NANDメモリアレイの最下層にCMOSを配置することで、ダイサイズの小型化を実現しているという。また、通常のNANDフラッシュメモリに比べて製造プロセスがはるかに大きく(具体的な数字は非公開)、寿命も有利になっているという。

 このMicron製3D MLC NANDを採用するとともに、PCI Express Gen3 x4/NVMe対応のSilicon Motion製コントローラ「SM2260」を採用することで、シーケンシャルリード最大2,400MB/sec、シーケンシャルライト最大1,000MB/secの高速アクセスを実現。また、4Kランダムアクセス速度も、リード・ライトとも140,000IOPSに達しており、ハイエンドゲーマーに快適なゲーミング環境を提供するとしている。このほか、発熱保護機能や停電保護機能も備えるとする。

 容量は、現時点では250GB/550GB/1TBの3種類が公表されている。なお、以下に現時点で公表された仕様をまとめているが、まだ製品の開発段階で、今後ファームウェアやオーバープロビジョニング領域のなどチューニングで、速度や容量などを変更する可能性があるという。発売時期は2016年第2四半期を予定しており、価格は未定。

Ballistix TX3(※仕様変更の可能性あり)
NANDフラッシュメモリMicron製3D MLC NAND
フォームファクタM.2
インターフェイスPCI Express Gen3 x4
プロトコルNVM Express
コントローラSilicon Motion SM2260
シーケンシャルリード最大2,400MB/sec
シーケンシャルライト最大1,000MB/sec
4Kランダムリード最大140,000IOPS
4Kランダムライト最大140,000IOPS
容量250GB/550GB/1TB
BallistixブランドのNVMe M.2 SSD「Ballistix TX3」
NANDフラッシュメモリとして、Micron製の3D MLC NANDを採用している
コントローラはSilicon Motion製SM2260を採用する
開発中モデルによるベンチマークテストの結果。まだ公称値に届いていないが、今後のチューニングで改善する予定とのこと

Crucial MX300

 今回、BallistixブランドのSSDを投入したが、MicronのメインブランドはCrucialで、今後もCrucialは最も重要なブランドとして位置付けられるという。

 そのCrucialの新製品として発表されたのが、「MX300」だ。まず容量750GBの2.5インチモデルが日本を含めた全世界で6月14日より発売となり、2016年第3四半期に容量275GB/525GB/1,050GBの2.5インチ3モデルと、容量275GBのM.2モデルを追加、そして2016年第4四半期には容量2,050GBの2.5インチモデルと、容量512GB/1,050GBのM.2モデルを追加する計画という。

 なお、第3四半期以降に投入予定のモデルについては、まだチューニングを行なっている最中で、最終的な容量は変更になる可能性もあるという。価格は未定。

 NANDフラッシュメモリは、こちらもMicron製3D NANDを採用しているが、Ballistix TX3とは異なり、TLC仕様となっている点が特徴。ただ、先ほど紹介したように、3D NANDは耐久性に優れており、MX 300の保証書き込み容量は750GBモデルで220TBW、将来投入予定の2,050GBモデルでは400TBWに達するという。

 フォームファクタは、2.5インチおよびM.2をラインナップするが、双方ともインターフェイスはSATA 6Gbpsとなる。コントローラにはMarvell製の「88SS1074」を採用。アクセス速度は、シーケンシャルリードが最大530MB/sec、シーケンシャルライトが最大500MB/secと、SATA SSDとして十分な速度が発揮される。

Crucial MX300 750GB
NANDフラッシュメモリMicron製3D TLC NAND
フォームファクタ2.5インチ
インターフェイスSATA
コントローラMarvell 88SS1074
シーケンシャルリード最大530MB/Sec
シーケンシャルライト最大500MB/Sec
4Kランダムリード最大92,000IOPS
4Kランダムライト最大83,000IOPS
平均故障時間(MTTF)150万時間
保証書き込み容量220TBW
容量750GB
Crusialブランドの新SSD「Crucial MX300」。2.5インチモデルとM.2モデルをラインナップ
2.5インチ750GBモデルは6月14日より販売開始となり、そのほかの容量は2016年第3四半期以降に順次投入予定
接続インターフェイスはSATA 6Gbpsで、ケースの厚さは7mm
M.2モデルも接続インターフェイスはSATA 6Gbps。容量275GBモデルが2016年第3四半期、525GB/1,050GBモデルが2016年第4四半期に投入予定