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英語以外のWikipediaの充実目指し、新ツール提供開始

「Wikipedia GapFinder」

 現在、Wikipediaは約300の言語で展開されており、記事の数は3,600万にも及ぶ。しかし、その大半は英語の記事が占め、英語を読めない利用者には、それが知識への障壁となる。こうした、言語間の情報量の差異を埋めるため、スタンフォード大学のコンピュータサイエンティストと、Wikipediaを運営するWikimedia財団が「Wikipedia GapFinder」と呼ばれる推奨ツールを開発、提供開始した。

 このツール(サイト)を利用すると、ある言語では記事が存在し、かつ重要と思われるエントリーだが、別の言語では記事が存在しないものをボランティア編集者に提唱する。同ツールは、そのエントリーの重要性だけでなく、編集者の興味や理解できる言語を把握した上で、その編集者に推奨を行なう。

 これは、英語と特定の言語のみの差を埋めるものではなく、例えば、気候学に興味があり、マダガスカル語とフランス語を理解できるマダガスカル人編集者がいたとすると、その編集者にマダガスカル語版Wikipediaには存在せずフランス語版に存在する「エルニーニョ現象」の記事を製作するよう促す。

(若杉 紀彦)