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日本マイクロソフト、DX12ネイティブ対応のQuantum Breakを4Kデモ

~Windows Store/Xboxタイトル充実を推進

 日本マイクロソフト株式会社は4日、Windows 10ならびにXbox Oneにおけるゲームへの取り組みと、DirectX 12にネイティブ対応した新タイトル「Quantum Break」のデモを含めたゲーム体験会を開催した。

日本マイクロソフト Xboxマーケティング戦略本部 井上正之氏

 最初に日本マイクロソフトのXboxマーケティング戦略本部 井上正之氏が登壇し、Microsoftによるゲームへの取り組みとして、昨年(2015年)の1月からWindows 10とXboxの連携を推進してきた経緯を説明。Windows 10からのXboxアプリ利用など、Microsoftがゲーミングプラットフォームを育てていく上で大切なことはコンテンツの充実させることと、連携を強化していくことだとした。

 また、井上氏はWindows 10のゲームを促進していく上で、幅広いタイトルとジャンルのゲームが対応し、今後も対応タイトルが増えていくと述べ、アクション2Dゲーム「Ori and the Blind Forest: Definitive」、F2Pの3D格闘ゲーム「Killer Instinct」、開発シミュレーション「Minecraft: Windows 10 Edition」、F2Pのレースゲーム「Forza Motorsport 6: Apex」、そしてMicrosoftがDirectX 12にネイティブ対応したタイトルとして力を入れている、4月7日発売のアクションゲーム「Quantum Break」などを例に挙げた。

Windows 10またはXbox One対応のタイトル
DirectX 12対応タイトルの「Quantum Break」はWindows 10版とXbox One版が4月7日に発売される
日本マイクロソフト Xboxマーケティング戦略本部の南雲聡氏

 今回の発表会のメインとなった「Quantum Break」については、同じくXboxマーケティング戦略本部の南雲聡氏が説明。同タイトルはWindows StoreとXbox Oneでのみ販売されるゲームとなっており、MicrosoftとしてはWindows Storeの利用ユーザーを拡大するためのキラータイトルと位置付けていることがうかがえる。

 Quantum BreakはTPS(三人称視点)のアクションゲームで、“時間”をテーマとした作品。タイムマシン実験の失敗によって時間がばらばらになったという世界背景を組み込んでいる。主人公ジャック・ジョイスは時を操る能力を持つが、敵側のポール・セリーンは未来を予見できるという能力を備え、時間をかけてこの二人が熾烈な戦いを演じる。ビッグタイトルらしい映画的演出や、人物を実写でも登場させるといったハイブリッドな作りも取り入れている。戦闘は基本重火器を使用し、時間を止めて相手よりも有利に動くことができるのが特徴。

 前述した井上氏が述べたWindows 10とXbox Oneの連携機能として、ゲームの進行状況(セーブの状態)や実績が両プラットフォームで共通化されていることが挙げられ、南雲氏はDirectX 12による4K表示(60fpsまで)のサポートといった目新しさをアピールした。なお、本日(4月4日)まで期間限定セットを販売しており、Xbox Oneのダウンロード版予約購入者および「Xbox One 500GB スペシャルエディション(Quantum Break同梱版)」購入者を対象にWindows 10版のQuantum Breakの利用コードを無料提供するというキャンペーンを行なっている。

Quantum Breakの特徴とプレイ画面。時間を操る“バレットタイム”の演出が大きな特徴
Windows 10とXbox Oneで進行状況や実績を共有
システム要件。かなりハイスペックを要求する

 Quantum Breakは推奨環境でさえ、要求されるGPUがGeForce GTX 970またはRadeon R9 390というリッチなハードウェアを必要とするゲームタイトルとしても話題となっていたが、DirectX 12ではローレベルAPIを利用することで処理のオーバーヘッドが減り、描画不可が軽くなるといった触れ込みもあったため、腑に落ちない点でもあった。

 このことに関して、南雲氏に伺ってみたところ、Quantum Breakの特徴である“時間を操る能力”を使用する時のエフェクトなどが非常に凝っており、高いスペックを要求してしまうと語っていた。また、4KでなくフルHD環境であれば、最上位環境として推奨しているGeForce GTX 980 Tiは必要ないという。同タイトルはDirectX 11版がないため、DirectX 12ならではの処理の違いといった比較ができないのだが、正直なところ筆者が普段プレイしているDirectX 11のタイトルとエフェクトなどの描画に大きな違いが感じられなかったのは残念だ。現状PCユーザーはWindows Storeでしか購入できないことを考えれば、どちらかと言えばWindows Store普及を図るためのマーケティング的な事情が強いのではと思わざるを得ない。

 なお、会場にはそんなハイスペックを要求するQuantum Breakを快適にプレイ可能とする各社の推奨PCを複数台展示。フレームレートが表示されていないため、60fps張り付きだったかどうかは不明だが、少なくとも通常設定で実際に4Kで少しプレイしてみた限りでは、処理落ちは見られなかった。Windows 10でのQuantum Breakプレイを考えているなら参考にして欲しい。

ユニットコム「Lev-R017-i7-XM」
マウスコンピューター「NEXTGEAR i650PA4-SP3-QBK」
ツクモ「G-GEAR Quantum Break推奨モデル」
サイコム「G-Master Hydro Z170-QB」
インバースネット「FRGRH170」
ASUS「ROG G20CB」
日本エイサー「Predator G6 AG6710-H76K/G」
ドスパラ「GALLERIA Quantum Break推奨パソコンXF」
レノボ・ジャパン「Ideacenter Y700」
デル「ALIENWARE Area-51」

(中村 真司)