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ASUS、日本最速2,167Mbpsでping抑制機能も備えたゲーマー向け無線LANルーター詳報
~34型で21:9の湾曲ワイドディスプレイも発売
(2016/3/7 20:53)
ASUSは7日、最大転送速度2,167Mbpsというゲーマー向け無線LANルーター「RT-AC88U」、同じくゲーマー向けで34型G-SYNC対応の高速表示対応ディスプレイ「ROG Swift PG348Q」、そしてUSB Type-C接続の15.6型モバイル液晶ディスプレイ「MB169C+」の3機種を同時発表した。
それぞれの仕様については既報の通り(RT-AC88Uの記事、ROG Swift PG348Qの記事、MB169C+の記事)。ここではリリースに合わせて開催された製品発表会の内容をお伝えする。
順調な成長を見せるASUSの無線LANルーター
発表会では無線LANルーターの「RT-AC88U」から説明が行なわれ、ASUSで無線LANアカウントマネージャーを務める黄 尚哲氏が登壇。2000年から始まった同社無線LANルーターの年平均成長率が2015年までで43.72%と好調であることをアピールし、黄氏はASUSの無線LANルーターが米国における2015年の顧客満足度で最高ランキングを獲得したことも合わせて伝えた(J.D.POWER調査)。ASUSは2013年から日本の無線LANルーター市場に参入し、毎年新製品を投入しているが、今回はその4品目となる。
RT-AC88Uの製品説明は、同社無線LANテクニカルプロダクトエンジニアの中田 秀氏が代わり、ASUSの無線LANルーターがグローバルで選ばれている理由を語った。
その1つ目はハードウェア面での仕様で、安定した通信を可能とする高性能が信頼を勝ち得ているという。中田氏は無線LANルーターをASUSのものに変えたら通信が安定するようになったという声を最近聞くようになった言い、それには波紋のように水平に電波を伝えるアンテナや、ハイエンドモデルに搭載されているデュアルコアCPUによる処理能力の高さによるものだとした。
また、管理インターフェイスの「ASUSWRT」が業界トップクラスの使いやすさを誇っていることも理由として挙げ、米PC Magazine調べでは初期セットアップ時の顧客満足度が99%ともっとも好評だったことを強調する。そのほかにも、トレンドマイクロの「Ai Protection」によるセキュリティの高さ、ビームフォーミング非対応のクライアントにも同様にデバイス位置を検出して電波を送る「Ai Radar」、ホームネットワーク上のデータに簡単にアクセスできる「AiCloud」アプリなど挙げた。
RT-A88UはASUSの無線LANルータとしては最上位モデルに位置することになり、中田氏は日本国内では最速の2,167Mbpsを達成し、1世代前で最高転送速度1,734MbpsのRT-AC87Uから性能が大きく向上しているという。具体的には4×4 Nitro QAM技術採用による通信速度向上。Cortex-A9のデュアルコアCPUが1GHzから1.4GHzになったことや、メモリが256MBから512MBに増量されているといった強化がなされていると述べた。
有線LAN機能も特徴的で、Gigabit Ethernetポートを8基と豊富に備えているほか、PC側とルーター側でから2基のGigabit Ethernetを相互接続することにより、通信帯域を2Gbpsに増大させる「リンクアグリゲーション」をサポート。同機能はローカルネットワーク上で複数の無線LANノートPCなどから接続される際などに、余裕を持った通信ができるといったメリットがあるという。
中田氏はRT-A88UがPCゲーマー向けの製品であり、そうしたユーザーを対象にした機能としてネットワークゲームでの利便性を図る「Adaptive QOS」の搭載も挙げる。同機能は、ネットワークのルーティングを最適化することでpingを抑える「WTFast GPN」、ゲームのパケットを優先して通信させる「ゲーム優先モード」、ネットワーク保護を行なう「AiProtection」から成る機能。
WTFast GPNは、ゲーマー向けにプライベートネットワークを提供し、特定のネットワークゲームの応答速度高めるWTFastのサービスを利用したもので、通常は有料でサブスクリプション契約が必要になるが、WTFast GPNに関しては同機能を無償で利用でき、PC側へのソフトなどのインストールは不要。ルーター側でPCのMACアドレスを紐付けることにより、1台のPCのみ利用できるようになっている。
【訂正】初出時にWTFast対応タイトル一覧が載っているスライド画像を掲載しておりましたが、ASUSより動作確認が取れていないとの訂正が入ったため画像を削除しました。
このほか、ルーターの管理をスマートフォンから一元管理できる「ASUS Router APP」も紹介。ネットワーク設定は簡単で、アプリを起動してすぐに使えるや操作性が良さを特徴とし、利便性の高さをウリとしている。
機能も豊富で、ネットワークの接続が不安定な時にトラブルの切り分け、解決法を提示する「ネットワーク診断」、スマートフォンからインターネット接続を即座に停止させるなどが可能な「ペアレンタルコントロール」、友人が遊びに来た際などに一時的に無線LANの利用を許可する「Wi-Fi情報の共有」などを挙げた。
IPS式で34型21:9の湾曲ワイドディスプレイ
34型ディスプレイの「ROG Swift PG348Q」(以下PG348Q)については、ASUSアカウントマネージャーの所 彰吾氏が説明を行なった。
所氏は昨年(2015)年に発売したG-SYNC対応の27型IPS液晶「PG279Q」が好評だったと述べ、今回のPG348Qに関しても曲面ディスプレイという新しい形でありながら、G-SYNCと100Hzという高速リフレッシュレートに対応し、常に最新の技術と最高性能を追求するR.O.G.(Republic of Gamers)ブランドらしい製品に仕上げているとした。
所氏は、PG348Qが採用する34型の曲面ディスプレイが今までにない没入感を生むととし、そのデザイン性もアピールする。ブランドカラーの赤黒だけでなく、チタンとプラズマカッターカラーを採用することで、これまでとは違った雰囲気に仕上げているという。特徴的なその台座部分は利便性も考えられており、ケーブルを左右からまとめられる2系統のケーブルマネジメントを可能としているほか、チルト/スイベル/昇降に対応する。
PG348Qのデモンストレーションとして、軍艦ゲーム「World of Warships」の日本担当である柳沼恒史が招かれ、その使用感について語った。
柳沼氏は普段はフルHD解像度のディスプレイでゲームをプレイしていると前置きし、今回PG348Qを使用することでディスプレイに表示される映像の美しさや高精細さが魅力的だったという。3,440×1,440ドットを表示可能な21:9の34型曲面ディスプレイというサイズは、描画域の広いWorld of Warshipsのようなゲームなどで大変有利に働くと満足している様子を見せ、「ゲーマー心をくすぐるディスプレイである」とまとめた。
このほか、説明会ではUSB Type-Cインターフェイスを採用した15.6型フルHDの外付けディスプレイ「MB169C+」も紹介された。
全製品とも3月11日に発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は「RT-AC88U」が35,500円前後、「ROG Swift PG348Q」が同200,000円前後、「MB169C+」は同35,500円前後となっている。