ニュース
ピクセラ、4K/60fps撮影対応の全天球カメラを国内発売
~配信サービスやアプリ開発提供でAR/VR事業へ参入
(2015/10/28 19:43)
株式会社ピクセラは、米Sphericamと同社の全天球カメラ「Sphericam 2」を国内販売する業務提携を結んだと発表した。
都内で開かれた説明会では上記の業務提携ほか、ピクセラのAR/VR事業についての説明が行なわれた。
Sphericam 2は、Kickstarterでおよそ45万ドル(10月28日)を集めている全天球カメラで、およそテニスボール大の大きさとなる、直径77mmの多面体デザインのアルマイト加工筐体に、45mm間隔で6個のカメラを搭載する。
カメラ1つあたりの最大解像度は1,280×960ドットで、ステッチパノラマ解像度は4,096×2,048ドットの4K。動画撮影時の最大秒間フレーム数は60fpsで、データ形式はmotion JPEG(Cinema DNGに変換可能)。秒間フレーム数は30fpsとなるが、ライブストリーミング機能も備える。
インターフェイスはWi-Fi、microSDカードスロット×6、USB Type-C、RS422。
バッテリ容量は2,499mAhで、録画時間は60~90分。重量は約440g。
現在国内発売に向け、技適などの各認証を得るため動いており、発売予定日は2016年第2四半期頃(4月~6月)を予定しているという。価格は未定だが、米国での販売価格の2,000ドル+αを目指したいとのことだった。
ピクセラのAR/VR事業参入については、現在の「PC関連事業」、「ホームAV事業」、「AVソフトウェア事業」の3つの既存事業に加え、Oakキャピタルからの出資により、“今後成長が見込まれる分野”として「IoT事業」、「翻訳事業」、「AR/VR事業」へ展開していくという。
今回のSphericamとの提携はAR/VR事業の展開の1つであり、そのほかにAR/VRコンテンツの管理および配信、アプリケーションの開発と再生機器の販売を行なっていくとした。
具体的には、全天球カメラで撮影した映像をH.265へ変換、配信サーバで提供するというもの。さらにマルチプラットフォームでの再生をサポートできるよう、各デバイス向けにアプリケーション(プレイヤー)の開発までを含めたサービスを提供していくという。
まずは「パノラマVR配信システム」として、賃貸住宅を扱う不動産業者や、旅行雑誌などに向けたシステムを構築する。住宅や旅行先などを全天球カメラで撮影し、コンテンツを作成。配信サーバーにアクセスできるQRコードを発行し、チラシなどの紙媒体へ載せることで、スマートフォンからコンテンツサーバーへアクセスし、実際にその場に居るかのように体験できる“新しい広告”を作れるとした。なお、同サービスの体験アプリを年内に公開する予定とのことで、公開後も撮影先のロケーションを増やすなど内容を拡充していく予定だという。
さらに前述のSphericam 2に搭載されたライブストリーミング機能を活用し、「パノラマVRライブ配信システム」も提供するとした。スポーツ中継や音楽ライブなどでの使用を想定しており、オーケストラのように楽器単位で配置が異なり、音声に指向性のある場合などの没入感を高めるため、バーチャル3Dサラウンド技術と組み合わせての提供も検討しているという。
そのほか、ゲーミングPCのケースデザインがそぐわない環境でVRヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」を設置したい場合などを想定した、オーディオ機器をイメージしたというケースを採用するPCも発売予定であるほか、全天球カメラやPC、HMDなどの各種機材のレンタルも行なっていく予定であるとした。