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東芝、世界初のTSVによる1チップ256GBのNANDフラッシュ

~消費電力約50%削減、データレート1Gbps以上

TSVによる16積層NAND型フラッシュメモリ

 東芝セミコンダクター&ストレージ社は、世界初のTSV技術を用いた最大16段積層(256GB)のNAND型フラッシュメモリを開発したと発表した。

 従来技術ではチップを1つのパッケージ内で積層する際、ワイヤを用いてチップ間を接続するが、TSV技術では積層されたチップ内部を垂直に貫通する電極により接続を行なっており、これによりデータ入出力の高速化と消費電力の低減が可能となる。

 同社では、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発」の開発成果を活用し、パッケージサイズ14×18mm(幅×奥行き)で8積層128GB、16積層で256GBを実現した試作品を開発した。

 さらに、従来のNAND型フラッシュメモリ製品を上回る1Gbps以上の入出力データレートを実現したほか、コア電圧を1.8V、I/O電圧を1.2Vまで低減し、従来品からプログラム/リード/データ入出力動作時で、それぞれ約50%の消費電力を削減したという。

 同社は、アクセス遅延時間の低減、データ転送速度の高速化、単位消費電力あたりの高いIOPSを実現するTSV技術を用いたNAND型フラッシュメモリの製品化を目指し、エンタープライズSSD、フラッシュストレージなどのアプリケーションに貢献していくとしている。

 なお、8月11日から13日まで米サンタクララで開催される「Flash Memory Summit 2015」にて同試作品の参考展示が行なわれる。

構造イメージ

(佐藤 岳大)