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NEC、スパコン「SX-ACE」が大阪大と九州大で稼働開始

~1ラックあたり16TFLOPSの処理能力

SX-ACE(最大8ラックの場合)

 NECは、同社のベクトル型スーパーコンピュータ「SX-ACE」が、大阪大学レーザーエネルギー学研究センターと九州大学応用力学研究所に納入され、3月から稼働を開始していたことを発表した。

 SX-ACEは、マルチコア型のベクトルCPUを搭載し、コアの処理能力は64GFLOPS、メモリ帯域は64GB/secを備え、1ラックあたりの性能は16TFLOPS、メモリ帯域は16TB/secに達する。単一ラックあたりの性能は前機種「SX-9」から10倍に増えている。

 科学技術計算や大規模データの処理に最適とされ、気象予報や地球環境変動解析、流体解析、ナノテクノロジー新規素材開発などでのシミュレーションで高い性能を実現すると言う。

 大阪大学の同研究センターでは、SX-ACEを32ノード(最大理論性能8.2TFLOPS)使用。高強度レーザーをターゲットに照射した場合のプラズマ物理のシミュレーション研究に活用され、レーザープラズマの現象解明、新しいエネルギーや物質の創出などが期待される。

 九州大学の同研究所では、16ノード(同4.1TFLOPS)のSX-ACEが使われ、風力発電のための陸上・洋上における風車群の大気乱流シミュレーションや、黄砂やPM2.5といった微粒子の飛来を予測する大気環境シミュレーション、海洋環境監視/汚染解明などを目的とする海況予測シミュレーションなどに活用されると言う。

大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの「電磁・輻射流体シミュレーションコードによるレーザー爆縮のシミュレーション」
九州大学応用力学研究所による「複雑な地形における大気乱流シミュレーション」

(中村 真司)