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Google、4GとWi-Fi間をシームレスに遷移するネットワーク技術を提供

~Wi-FiやノートPCでもスマホの電話番号で通話が可能に

 米Googleは22日(現地時間)、4G/LTE網とWi-Fi網の間をシームレスに遷移するネットワークサービス「Project Fi」を米国にて試験提供開始した。

 Project Fiは、ユーザーがいる場所に応じて、自動的に最適なネットワークに接続する技術。米国ではSprintおよびT-Mobileと協業し、2社のLTE網をベースとしつつ、その場により高速で安定したWi-Fiホットスポットがある場合はそちらに自動的に接続を切り替え、ホットスポットを離れると、再度LTE網に繋ぎ直す。

 現在でも、一度接続したWi-Fiホットスポット/アクセスポイントの範囲に来ると自動的に接続する技術はあるが、Project Fiではユーザーのキャリア契約情報がクラウドにあり、Wi-Fi接続に遷移した場合も、その回線上でスマートフォンの電話番号が紐付けられる。これにより、例えば移動しながら通話している際に、LTEが使えないホットスポットに入ったとしても、そのWi-Fi回線を利用して、途切れることなく通話を継続できる。また、契約情報の紐付けはスマートフォン端末に限定されず、タブレットやノートPCにも自由に紐付けられるので、スマートフォンを紛失した場合、タブレットやノートPCから、Wi-Fiと自分の電話番号を利用して、電話をかけられる。

 ホットスポット情報は、既にGoogleが高速で安定していると認定した無償のものが百万以上登録されており、ユーザーが接続作業を行なわずとも、それらに自動的に接続される。また、その際、データは暗号化されるため、公衆回線でもセキュリティを確保できる。

 このサービスは、ハードウェア、回線、ソフトウェアの密な連携が必要となるため、現時点では利用できるのはNexus 6に限定される。

 利用料金は、基本料金が月額20ドルで、この中に、通話、SMS、Wi-Fiテザリングの料金が含まれる。データ通信は別に、1GBで10ドルとなるが、利用した分だけ課金されるので、30ドル支払って1月に1.4GBしか利用しなかった場合は、16ドルが返金される。

(若杉 紀彦)